ぼくはそんなに綺麗な人間じゃないので……

——「何もいらないから 愛をください 君に届けられるような綺麗な愛を」という歌詞は、どんな想いを込めて書きましたか？

LANCE　そんな綺麗なことって思ってないと思うんですよ、正直。振られたり振ったりとかしたときに。振られるということひとつにしても、別れたくなくて別れる人もいるだろうし、別れたくてしょうがなくて付きまとわれて最後には「うぜえよ！」と思いながら離れてってホッとするような別れもあるだろうし。いろんな別れがある中で「愛をください」と思いながら別れられるのって珍しいというか、あんまりないと思うんですけど。ぼくはそんなに綺麗な人間じゃないので……。

RYO　あはははは！

LANCE　サビに書かれてるような感情で別れたことはないんですけど、こうありたいなっていう願望なんですよ。だから幸せだったのに歯車が噛み合わなくなって別れたとしても、綺麗に別れられるように綺麗事言ったりとか、自分が良く見えるように振る舞うと思うんですよね。だから普通に去って「あの人に届けられるような愛をください！」って神様にお願いするほど純粋に相手のことを思ってるのかって言われたらわからないんで。だけど、そうありたいなって。

——「君にあげられる愛はここにあるのに！」じゃないんだ。

LANCE　ないですね。

（一同笑）

LANCE　だからこの曲を作って自分で歌っておきながら、「こういう気持ちになったことってないな」と思ったんですよね。やっぱり付き合う前の自分の憧れの人にはそういう気持ちってあるかもしれないですけど、付き合っていろんなことを知って喧嘩もして、お互いのことをわかっておきながら別れるっていうのはすごい悔しいことだと思ってて。何も知らない憧れだった人といきなり付き合って、相手のことを知る前に別れたときって、こっちとしてはわからないわけですよ。なんで別れたかもわからないし、どうすれば上手くいったのかもわからない。だからあの人に届けられるようなものは向こうが求めてるものじゃなくて。相手が求めてるような綺麗な愛をくださいっていうか、教えてくれっていう、そういう願いですよね。

——もう混乱してるわけですね。

LANCE　はい、混乱系です（笑）。もうどうしたらいいかわかんないみたいな。

——曲の後半になると「言葉足らずがダメだったの？ 口ベタなのは 君の前だけだったのに」とあったりして、どうも彼側に原因があったんじゃないかと思うわけですよ（笑）。なのに「愛をください」って……。

RYO　別れてから気が付いたんですよ！大切なものって、そうじゃないですか？（笑）

LANCE　でもさ、好きな人に振られるとするやん？ それで理由を言われて、何だったにせよ、俺は「君がそれでいいなら、そうしよう」みたいなこと言うでしょ？。

RYO　うん。MAKKIみたいな感じでしょ？相手が幸せならそれでいいって。

MAKKI　あははははは！

LANCE　そうそう、でも心の中ではさ、そんなかっこいいもんじゃないでしょ？

RYO　ほんとはね。ほんとは自分と一緒にいてほしいはずだし。

MAKKI　超好きだったらそうだよね。

LANCE　だからかっこつけて「わかった」って言うけど心の中じゃそうじゃないでしょう？MAKKIとかの前ではアホなこと言うのに君の前ではかっこつけてる自分で、別れるときでさえそうで。もうどうしようもなくて「愛をください」って神様に祈るような気持ちにもなるような、そのぐらいダサいものなのかなって。

——なるほどね。

LANCE　まあ結構……わかりづらいっすよね。うざいっすよね？

——いやいや（笑）。ちなみにONE☆DRAFTの特設サイトでは11月からリスナーの方に失恋の思い出を書きこんでもらう「ガチ泣きドットコム」もオープンして盛り上がっていますね。

LANCE　みんなあんなに長い文章をよく書くなと思いますよ、時間を見たら朝の6時に書き込んであったりしますからね。

MAKKI　そのぐらいの時間帯が書きやすいんだよ、人間の心理的に。深夜とか朝方とか。

RYO　そうだね。

LANCE　その後、寝れてないんじゃない？冴えちゃって。

MAKKI　いや、案外すっきり寝れてるかもよ。そういうのって誰かに言いたいじゃん、吐き出すと楽になってるかもよ。書きながら泣いてさ。俺はそっちだね。

——みなさんは書き込んでないんですか？

LANCE　書けないすね、さすがに。生々しすぎて（苦笑）。やっぱり本音は書けないですね「言葉足らずがダメだったの？」とかさ。

MAKKI　歌詞で書いてるじゃん（笑）。