ナタリー PowerPush - 奥華子

リアルな言葉が胸を打つ切なすぎる失恋ソング誕生

失恋して初めて知る恋=「初恋」

──タイトルに「初恋」とつけたのはどうしてですか?

恋をしたときって「これが恋なのかな?」とかわかんなくないですか? でも、それは失恋したときに確信するんですよ。その人の大切さだったり、自分がどれだけ相手のことが好きだったのかっていう気持ちだったりは、失くしたときに初めて気付く。だから、失恋して“初めて”知る“恋”っていう意味で「初恋」にしたんです。

──人生初めての恋っていう意味ではないんだ。

そうなんです。だから30代でも40代でも当てはまるんですよ。「これがホントに人を好きになるってことなんだな」って気付いたときが“初恋”なので。

──奥さん自身も、この曲で描かれているような恋をするタイプですか?

私は結構、別れてしまうとリセットするタイプですね。つき合ってるときは「この人と絶対結婚するんだろうなあ」って思うんですよ、だいたい毎回(笑)。で、別れるとリセットして、ずっと1人でいるのかなあとか思ってるんだけど、でもまた次の人ができると「あ、私はこの人と結婚するわ!」ってまた繰り返すっていう(笑)。だから基本的に、これは良くないんだなとか学習することはありつつも、感情の積み重ねみたいなものは全然ないタイプなんですよね。

トランペットをちょっとだけ吹いてます

──そして、今回のシングルはカップリングも大充実で。まず新曲の「虹の見える明日へ」という爽やかな曲が入っていますね。

これは、私もライブでお世話になっている名古屋の「アスナル」っていうショッピングモールのCMソングとして作らせてもらいました。そのショッピングモール自体が、「明日に向かって元気になる」から「アスナル」なので、「幸せな明日になるから」っていう歌詞は絶対入れなくちゃなと思って入れました(笑)。

──ブラスがすごく気持ち良かったです。

私、音楽大学でトランペットをやってたんですけど、今までのレコーディングではずっと吹いたことがなくて。なので今回は「お遊び程度に吹いてみるか」みたいなノリで、間奏でちょっとだけ吹いてます。プーって(笑)。

──おお、そうなんだ。そこはぜひチェックしたいポイントですねえ。で、あとは「そんな気がした」と「ガーネット」のライブ音源も収録されています。

去年のクリスマスコンサートから2曲選びました。「ガーネット」は自分の代表曲ですし、「時をかける少女」っていう映画の主題歌で知ってくれた人もすごく多いので、このシングルを多くの人の手にとってもらいたいっていう思いで入れました。あと「そんな気がした」はインディーズ時代の曲なんですけど、自分でもすごく大好きで大切にしてるん曲なんです。で、このチェロとギターだけで歌っているアレンジは、クリスマスコンサートの中でも象徴的だったので、改めて聴いてもらいたいなと思って。

──この盛りだくさんなシングルで幕を開ける奥華子さんの2010年ですが、今年はメジャーデビュー5周年なんですよね。何か意気込み的なものはあります?

まだ先のことまでは見えてないんですけど、夏に大阪城野外音楽堂で5周年ありがとうライブをやります。大阪野音では2007年に無料ライブをやったんですけど、そのときには1037人のお客さんが来てくれて、「またいつかここでやりたいです」って約束をしていたんで、もう1回チャレンジしようかなって。5周年っていうのは区切りのいい年だと思うんで、もちろんまだまだこれからなんですけど、ちょっと集大成というか、すごく充実した年にしたいなあと思ってます。

奥華子

ニューシングル「初恋」 / 2010年3月17日発売 / 1200円(税込) / ポニーキャニオン / PCCA-03134

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CD収録曲
  1. 初恋
  2. 虹の見える明日へ
  3. そんな気がした (Live ver)
  4. ガーネット (Live ver)
  5. 初恋 (instrumental)
  6. 虹の見える明日へ (instrumental)
奥華子(おくはなこ)

赤いメガネがトレードマークの、キーボード弾き語りシンガーソングライター。2004年2月にスタートした駅前路上ライブで1年間に2万枚のCDを手売りするなどの驚異的な集客力が話題となり、2005年7月にシングル「やさしい花」でメジャーデビューする。2006年には劇場版アニメ「時をかける少女」の主題歌に「ガーネット」、挿入歌に「変わらないもの」が起用され、心に染みる歌声が話題を呼ぶ。グランドピアノとキーボードでの弾き語りスタイルで3度の全国ツアーを実施。各地で大きな反響を呼んでいる。