──2017年10月にはデビュー9年目というタイミングで東京・中野サンプラザにてキャリア初のホールワンマンライブを開催しました。ライブは2部構成で行われ、第1部ではゆるい雰囲気のトークも交えつつ、アットホームなライブが展開されましたね。
ハマ どちらかというと、僕らはホールでライブをやることを目指していたわけではなくて。ただ、2015年から「オカモトーーーク」という、ただしゃべるだけの番組を定期的にYouTubeで配信していたこともあり、人間味をひっくるめて僕らを好きになってくれている人が増えてきたという実感がありました。だったら、椅子に座って観られるというホールの特性を生かして何か面白いことがやれないだろうかと考えたんです。
ショウ それで新しい挑戦として、第1部で「オカモトーーークIN中野サンプラザ」と題したステージを披露しました。
レイジ 初のホールワンマンをやったという達成感よりも、このタイミングで自分たちだけのホールワンマンのスタイルを確立できた事実が大きかったですね。だって幕が開いたら俺らがソファーに座っていて、そこから1時間ほぼトークオンリーなんですよ(笑)。
ハマ 普通は誰か止めるでしょ? 「そんなのやりたくない」って(笑)。
レイジ ただ、後日談として、お客さんからも「期待はずれだった」「ちゃんとライブを観たかった」といった意見が主ではなく、「めちゃくちゃ面白かった」と言ってもらえたので本当によかった。
コウキ この頃からだんだんとバラエティ感やファニーな部分を出せるようになってきて、いろいろなことがすごく楽になりました。バンドとしても軽やかさが出てくるし、「次は何をやるんだろう?」というお客さんの期待感にもつながるというか。
レイジ 次やるとしたら、コントや演劇になるかもしれない(笑)。
──2018年4月に初のラジオ冠番組「OKAMOTO'S SHOCK THE RADIO powered by G-SHOCK」が始まったことも、バンドのバラエティ感を高める要素の1つですね。
ハマ この前、番組にゲストで来ていただいたレキシの池ちゃん(池田貴史)に怒られたんですよ。「テンション低すぎる。もっと張り切ってやんないとダメだよ」と(笑)。でも、そのあと「SUPER BUTTER DOGのときは俺らもそうだったから、人にどうこう言えねえわ」とも言ってましたね。冠とは言え、元気ハツラツでいける歳ではないですし(笑)。
──ショウさんは4月からNHK Eテレの音楽番組「ムジカ・ピッコリーノ」にレギュラー出演するようになり、10月には「ムジカ・ピッコリーノ」の一員として野外ライブイベント「朝霧JAM」に登場しました。
ショウ 新鮮な経験でした。「ムジカ・ピッコリーノ」は音楽を真面目にやっている大人たちが子供にもわかるように真剣に作っている番組で、最初に番組のスタッフの方に「新しくバンドを組むような気持ちでやってほしい」と言われました。子供向けだけど子供だましじゃないことをやろうとしている姿勢が、すごくカッコいいなと思って。自分が小さい頃に観ていた「ハッチポッチステーション」(1995年から2005年にかけてNHK衛星第2テレビおよびNHK教育テレビで放送されていた子供番組)の様に大人が本気でやることは、子供の記憶に残るものなんです。
──そして、いよいよ1月9日に8枚目のオリジナルアルバム「BOY」がリリースされます。今回もRed Hot Chili Peppersばりの疾走感あふれる楽曲やイギリスの香りが漂うナンバー、さらに呼吸音やフィンガースナップを効果的に使った曲などを収録したアイデア満載の1枚に仕上がりました。まず、「BOY」というタイトルにしようと思ったのはなぜですか?
レイジ テーマ自体はある程度レコーディングが進んでから見え始めました。曲の中に「DREAM」や「夢」といった言葉が多く登場していたので、最初の仮タイトルは「DREAM」にしていたんです。デビュー当時だったら絶対恥ずかしくて言えなかったけど、10年経って大人になったら「夢」とか平気で言えるようになっていて。むしろ「OKAMOTO'Sが『DREAM』なんてタイトルのアルバムを出したら逆にカッコいいんじゃね?」という話になって。
ショウ そんな中、リードトラックの「Dancing Boy」という曲ができた。
レイジ それがきっかけで、「待てよ? 『BOY』もいいなあ」とも思い始めて。デビュー当時は完全に“BOY”だったけど、10年経って結婚したり、子供が生まれたメンバーもいたり、確実に“BOY”じゃなくなったことがバンドにとって大きなことで。少年期の終わりというか。とは言えいつまでも少年の部分も持っているし、そういうグラデーションを10年目にしてやっと提示できるようになったのかなという思いがあって、「BOY」をタイトルにしようと話がまとまりました。「BOY」なんてタイトル、この先もう付けられないですからね。年齢的にギリギリ最後じゃないですか。今の俺たちにはジャストなタイミングだった気がします。
──「10'S」から今作まで聴くと、ちゃんとまっすぐな道でつながっていることがわかります。
ショウ 夢に向かってゆっくり歩いていって。決して速いスピードではなかったけれども、きちんと一歩一歩進んできた10年だったなという思いが歌詞にも表れてきていて。OKAMOTO'Sが10周年で「BOY」というタイトルを付けるのは自分でもなんか泣ける気がしたというか、10周年だからこそカッコいいものを作りたいと改めて純粋に思いました。自分たちの感覚を信じて、この4人が最高だと思うことをやれたらいいなと考えた結果の1つが「BOY」というタイトルなんです。
──アルバムのオープニングを飾る「Dreaming Man」は、まさに今おっしゃったことそのままの内容の楽曲ですね。ミュージックビデオには某人気ゲーム風のシーンまで飛び出して。
レイジ 今、俺らがあのゲームにめちゃくちゃハマっていて(笑)。将来このMVを見たときに、2018年のことを思い返せそうだなと思ったんです。
ショウ 作品作りへの向き合い方がここ数年で変わってきていて。昔は後世に残せるものを作りたくて力んでいた部分があったのですが、今はそのときどきの自分を表現したい。流行の移り変わりがどんどん速くなっている中、今を生きている俺たちがそのことを肯定できないとどうにもならないよなと感じることが多くて。なので「Dreaming Man」では、まさに「インスタントだけど何が悪いの? 俺たちはずっと夢を見てるよ」ということを歌っています。
──素晴らしいことだと思います。ちなみにリリース日である1月9日はレイジさんの誕生日ですね。
レイジ 今年はメンバーそれぞれの誕生日に何かしら起こるようにいろいろ考えていて。次は3月12日のハマ・オカモトの生誕祭です。
ハマ ひどいんですよ。勝手に開催を決められていて。
レイジ ハマくんの誕生日になんばHatchで何かがあるってだけで、OKAMOTO'Sが出るかどうかまだわかりませんよ。タイトルが「ハマ・オカモト“に”大感謝祭!」だし、ハマくんに感謝しなきゃいけない人たちが集まって何かをやるのかもしれない(笑)。
──6月27日には初の東京・日本武道館公演「OKAMOTO'S 10th ANNIVERSARY LIVE "LAST BOY"」が開催されますが、この調子だとそこでも何が起きるかわからない?
レイジ そこはさすがにストイックにライブをやると思いますけど……でも、まだわかんないね?
コウキ もはやOKAMOTO'Sにとって、おふざけも大事な要素ですから(笑)。
- OKAMOTO'S「BOY」
- 2019年1月9日発売 / アリオラジャパン
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初回限定盤 [CD+DVD]
4104円 / BVCL-951~2 -
通常盤 [CD]
3564円 / BVCL-953 -
完全生産限定盤 [アナログ12inch]
4860円 / BVJL-30
- CD / アナログ盤収録曲
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- Dreaming Man
- Hole
- FOOL
- Higher
- ART(FCO2811)
- 偶然
- NOTHING
- Animals
- DOOR
- Dancing Boy
- 初回限定盤DVD収録内容
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- レコーディングドキュメンタリー映像
- ツアー情報
OKAMOTO'S 10周年記念特別公演 ~ハマ・オカモト“に”大感謝祭!~ -
- 2019年3月12日(火) 大阪府 なんばHatch
OPEN 18:15 / START 19:00
- 2019年3月12日(火) 大阪府 なんばHatch
- OKAMOTO'S 10th ANNIVERSARY LIVE "LAST BOY"
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- 2019年6月27日(木) 東京都 日本武道館
OPEN 18:00 / START 19:00
- 2019年6月27日(木) 東京都 日本武道館
- OKAMOTO'S「OKAMOTO'S 10th ANNIVERSARY LIVE TOUR 2019 "BOY"」
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- 2019年4月6日(土) 神奈川県 Yokohama Bay Hall
- 2019年4月13日(土) 静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
- 2019年4月14日(日) 三重県 M'AXA
- 2019年4月20日(土) 長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
- 2019年4月21日(日) 石川県 金沢EIGHT HALL
- 2019年5月16日(木) 青森県 青森Quarter
- 2019年5月18日(土) 北海道 札幌PENNY LANE24
- 2019年5月19日(日) 北海道 札幌PENNY LANE24
- 2019年5月23日(木) 京都府 磔磔
- 2019年5月25日(土) 香川県 高松MONSTER
- 2019年5月26日(日) 滋賀県 滋賀U★STONE
- 2019年6月1日(土) 広島県 広島CLUB QUATTRO
- 2019年6月2日(日) 鳥取県 米子 AZTiC laughs
- 2019年6月8日(土) 群馬県 高崎clubFLEEZ
- 2019年6月9日(日) 宮城県 Rensa
- 2019年6月13日(木) 鹿児島県 鹿児島CAPARVO HALL
- 2019年6月15日(土) 福岡県 DRUM LOGOS
- 2019年6月16日(日) 熊本県 熊本B.9 V1
- 2019年6月22日(土) 愛知県 DIAMOND HALL
- 2019年6月23日(日) 大阪府 なんばHatch
- OKAMOTO'S(オカモトズ)
- オカモトショウ(Vo)、オカモトコウキ(G)、ハマ・オカモト(B)、オカモトレイジ(Dr)の4人からなるロックバンド。バンド名およびメンバー名は、彼らが敬愛する岡本太郎に由来する。抜群の演奏力とアグレッシブなライブパフォーマンスに定評があり、2010年3月にはアメリカのショーケースイベント「SXSW」に出演。続けて行った全米ツアーでも高い評価を受けた。次世代のロックシーンを担うホープとして注目を集める中、2010年5月に1stアルバム「10'S」でメジャーデビュー。2014年8月にRIP SLYME、奥田民生らを迎えてコラボレーションアルバム「VXV」、2015年6月に岸田繁(くるり)のプロデュース曲「Dance With Me」と、「カップヌードル」CMソングの「Dance With You」を収録した両A面シングルを発売した。2016年には6月から10月にかけて全国47都道府県ツアーを開催。2019年1月にニューアルバム「BOY」をリリースし、6月に東京・日本武道館にてワンマンライブ「OKAMOTO'S 10th ANNIVERSARY LIVE "LAST BOY"」を行うことが決定している。