ナタリー PowerPush - 大石昌良

飽くなき探究心と豪華コラボが生んだ「極上のJ-POP」

大石昌良がうまく歌えて、上手に表現できるための器を作りたい

──アンダーグラフの真戸原直人さんにはどういう経緯でお願いすることになったんですか?

直接的な面識はなかったんですが、以前何度か対バンをしたことがありました。同じシーンから出て来たバンド同士、関西出身で同年代ということもあるので制作を依頼するにあたり最初からとても信頼感があって。多分、自分が選ぶ言葉と真戸原くんが選ぶ言葉は似ているだろうなと感じていたので、曲を渡すときも仮歌の状態のまま、言葉がそのまま入った状態の曲を渡しました。真戸原くんならそこから良い言葉を拾ってくれるだろうと思って、そこから連想するものを書いてもらおうと思いました。

──初めてのタッグで完成した楽曲を聴いた真戸原さんの第一声は?

「大石くん、むちゃくちゃ歌うまいね!!」って(笑)。「いやいや、そんなん言われても……」みたいな会話がありました(笑)。真戸原くんはシャイですごく気遣いのある心の優しい人なんです。本当に細かいところまでケアしてくれて、節回しがどうなっているのか自分で歌ってくれたりしたんです。僕に良い歌を歌ってほしいと本気で思ってくれていて、「大石昌良が上手に歌ったり表現できる器を作りたい」とずっと言ってくれました。だから歌を聴いたときにホッとしたみたいです。「大石くんの曲はやっぱり僕が歌うよりも大石くんが歌ったほうがイイね」みたいな(笑)。

──そしてKaiomiiさんは注目の若手クリエイターですよね。

もともとはヒップホップ畑でライム(韻を踏む)中心の音が得意らしいんですが、めちゃめちゃポップなメロディセンスを持っている方です。年齢も近いからすぐに仲良くなりました。僕は基本的に情景派で、彼はメッセージに重きを置くタイプ。お互いの良いところを組み合わせたらさらに良くなるんじゃないかということでスタッフが引き合わせてくれたんです。

──「トライアングル」のサウンド感はある意味懐かしくもあり、今の時代には新しくもありますね。

まるで80年代のトレンディドラマの主題歌のようですよね(笑)。このトラックメイクは全部自分でやってるんですが、すごく楽しかったです。仲間内で聴いてもらったら反応がニ分しました。「こんな曲作れるんだ。スゴいカッコイイじゃん!」「こういう引き出しがあったんだねー」という声と「大石昌良らしくないし、これならカラオケで良くない?」って言われたときには大爆笑しました(笑)。でもそういう意見も飛び越えて世の中に出そうとしてます! 僕の鼻歌をKaiomiiくんが一生懸命拾って言葉にしてくれた歌詞に注目してほしいですね。

──「されど空の青さを知る」や「さよなら、もう行かなくちゃ」のテイストとは全然違いますね。

この2曲は僕も入って歌詞を作っているんですが、土台をKaiomiiくんと小山良太くんが作ってくれてとにかくいろんな言葉を探して、さんざん書き散らかして、そこからまとめていった感じです。ファミレスであーでもない、こーでもない言いながら作ってました(笑)。

31歳、大石昌良の叫び

──そしてアルバムタイトルの「31 マイスクリーム」は、よく考えられたタイトルですね(笑)。

これはプロデューサーの藤井さんのオヤジギャグです。でもスゴく的を射ていてオモシロいと思って採用しました(笑)。「31歳、大石昌良の叫び」、まさにピッタリだと思いました。今作ではたくさんの素晴らしいアーティストとコラボさせていただいて新しい発見もありましたし、貴重な経験をたくさんさせてもらいました。「今一番上質なポップス」を作ったつもりです。もちろん、これからまだまだ僕自身のチャレンジは続いていくんですが、まずはこの1枚を聴いてほしいです。これだけの素晴らしいアーティスト、そして片山恭一さんが大石昌良のために良い作品を作ろうと力を貸してくれて、一生懸命になってくれました。僕だけのアウトプットではなく、チームで作ったその成果を皆さんに早く届けたいです。

──2月からは「32 マイスクリームツアー」が決定しました。

1月5日が誕生日で32歳になったので「32 マイスクリーム」になりました(笑)。アコースティックライブはカフェライブ的にゆったりと、そして東名阪はバンドスタイルでお届けします。生で聴いていただくとまた違った印象になると思いますので、そこも楽しみにしてほしいですね。

──2012年の目標は?

毎年、地元の神社で誓いを立てるんですが、日本武道館でライブができるように、そこに向かっていく足がかりになるような1年にしたいですし、毎年年間100曲は作ろうと思ってるんですが(笑)、今年こそ100曲目指します。

──言いましたね!(笑)

まあ……量より質なので(笑)、たくさん作れば良いということではないんですが、ボロ雑巾のようになるまで曲作りをがんばりたいと思います! ぜひ皆さん「31 マイスクリーム」を聴いて、ライブに遊びに来てください!

ニューアルバム「31 マイスクリーム」 / [CD+DVD] 2012年1月25日発売 / 2800円(税込) / Happy Music Records / CYCL-60022

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CD収録曲
  1. ストーリー
  2. されど空の青さを知る
  3. 海を見ていた ぼくは
  4. ワンダーランド
  5. ROCK'N ROLL STAR
  6. トライアングル
  7. 東京ループ
  8. 終わらないララララ
  9. 手紙唄
  10. さよなら、もう行かなくちゃ
DVD収録内容
  1. 海を見ていた ぼくは
  2. ストーリー
  3. 東京ループ
32 マイスクリームツアー Acoustic Scream
  • 2012年2月4日(土)
    愛媛県 松山Monk
  • 2012年2月5日(日)
    香川県 高松SUMUS Cafe
  • 2012年2月11日(土・祝)
    福岡県 福岡ROOMS
  • 2012年2月12日(日)
    広島県 広島LIVE CAFE Jive
  • 2012年2月18日(土)
    北海道 札幌くう
  • 2012年2月19日(日)
    宮城県 仙台FLYING SON
  • 2012年2月24日(金)
    石川県 金沢もっきりや
32 マイスクリームツアー Band Scream
  • 2012年3月2日(金)
    愛知県 名古屋ell.FITS ALL
  • 2012年3月3日(土)
    大阪府 心斎橋BIG CAT
  • 2012年3月9日(金)
    東京都 渋谷duo MUSIC EXCHANGE
チケットはこちらから
大石昌良(おおいしまさよし)

アーティスト写真

愛媛県宇和島市出身のシンガーソングライター。大学の軽音楽部の仲間である川原洋二、沖裕志とともに1999年に結成したスリーピースバンド、Sound Scheduleでボーカル&ギターを担当する。2006年にSound Scheduleが解散してから、2008年にシングル「ほのかてらす」でソロデビュー。2011年にはSound Scheduleの5年ぶりの復活でも話題を呼んだ。2012年1月に通算3作目のソロアルバム「31 マイスクリーム」をリリースする。