収録曲への思い

──収録曲ごとに、楽曲にまつわる思い出や逸話を聞かせてください。

01. Get U’re Dream（ZARD）
作詞：坂井泉水 / 編曲：池田大介

初のZARDさんカバーということもあり、様々な想いと緊張感の中、レコーディングしました。池田さんのストリングスのアレンジから自然とコーラスが湧き上がり、もっと高く、もっと遠くまで……と、ヴォーカルを重ねていきました。アルバム制作が難航した時など、この曲が励みにもなりましたね。

02. key to my heart（倉木麻衣）
作詞：倉木麻衣 / 編曲：麻井寛史

倉木麻衣さんに提供した曲で、今回唯一のアルバム曲ですね。大野デモのイメージに近いアレンジです。懐かしさが漂う沖縄風バージョン。岩場に立っている女性が壮大な海を眺めている絵が浮かぶアレンジにして下さいと、麻井（寛史）さんにお願いしました（笑）。アカペラっぽく始まる冒頭部分は、以前に野外で弾き語りをしたときに空へメロディーが響き渡る感じがすごく心地よかったので、それを表現してみました。また、ゆっくり静かに幕が上がるイメージでもあります。

03. 笑顔でいようよ（三枝夕夏 IN db）
作詞：三枝夕夏 / 編曲：岡本仁志

三枝夕夏 IN dbさんのリリースは確か2004年なのですが、実はこの曲、私としてはかなり初期に作った曲なんです。「明日もし君が壊れても」（1998年作家デビュー作）と一緒に提出した曲。すごく懐かしい（笑）。タイトル通り、聴いている人が笑顔になれるような、明るくストレートな歌い方を心がけました。岡本（仁志）さんのノリのいい軽快なアレンジも後押ししてくれ、楽しくスムーズにレコーディングできた曲です。

04. Time after time ～花舞う街で～（倉木麻衣）
作詞：倉木麻衣 / 編曲：古井弘人

倉木麻衣さんに提供した曲なんですが、この曲は依頼があって作ったわけではなく、急にフっと浮かんでツルっと出来た曲だったと思います。メロディー、アレンジ共に、まさに平安の都なイメージ。麗らかな感じをだす為、緩やかな波を描くように歌いました。古井（弘人）さんの出だしのピアノの演出などすごく気に入っています。

05. 静かなるメロディー（竹井詩織里）
作詞：AZUKI 七 / 編曲：大楠雄蔵

ここはオシャレなカフェ……と想像し、銀盤の前でお茶を飲みながら作った曲です（笑）。竹井詩織里さんのオリジナルは4拍子ですが、実は、元々のデモは3拍子だったんです。3拍子バージョンもぜひ聴いていただきたいなと、大楠（雄蔵）さんに大野デモのイメージでアレンジをしていただいて、元々あった大サビも復活させてみました。切ない趣のあるオリジナルと軽快でリズミカルなカバー、ぜひ聴き比べてみてください。

06. かけがえのないもの（ZARD）
作詞：坂井泉水 / 編曲：西村広文

ZARDさんに提供した曲で、カバーするにあたり、ピアノ一本でとピアニスト西村（広文）さんにお願いしました。一本にすることで生まれる独特な空気、緊張感から、よりダイレクトに歌詞・メロディーを伝えられたらと……。音数が少ない分、プレッシャーはありましたが、届きますようにと願いをこめて、レコーディングしました。アルバムの第一幕を締めくくる曲です。

07. beginning dream（菅崎茜）
作詞：菅崎茜 / 編曲：城大輔

当時10代前半の菅崎茜さんに提供した曲です。あの若さでよく歌いこなせたなと、カバーしてみて改めて思いました（笑）。ミステリアスなファンタジーの世界にリスナーを一人残らずひきずりこむつもりで、城（大輔）さんと色々なアイデアを盛り込むうちに、219という膨大なトラック数になってしまいました……（笑）。その分、聴き応えのある仕上がりになったかと。この曲から第二幕がスタート。冒険大野さんをお楽しみください。

08. 君去りし誘惑（上木彩矢）
作詞：上木彩矢 / 編曲：鶴澤夢人

上木彩矢さんの哀愁あるロックなオリジナルに対し、浮遊感のあるポップなサウンドにしました。このメロディーに私のフワッとした声を重ね合わせると、自然とそういうサウンドが浮かんだので。新たにラフアレンジを作ったものを鶴澤（夢人）さんにお渡しし、こういう雰囲気からイメージを広げてアレンジしてくださいとお願いしました。音からすっきりとした爽快な風を感じていただければと思います。

09. 1000万回のキス（倉木麻衣）
作詞：倉木麻衣 / 編曲：鶴澤夢人

初めてレコーディングを終えたオリジナルを聴かせていただいた時、倉木さんの表現豊かな透き通るヴォーカルとアレンジに、こんなに切ないメロディーだったんだ！と、新たに発見＆感動を覚えた曲です。今回のカバーはクラブサウンド、これは大野デモに近い、若干男前バージョン。アレンジがあがってきた時、鶴澤さんの仮歌が入っていたのですが、声の雰囲気がこのアレンジにピッタリだったので、コーラスもお願いしました。

10. Forever You ～永遠に君と～（愛内里菜）
作詞：愛内里菜 / 編曲：徳永暁人

愛内里菜さんのドラマチックな展開も、今回のバージョンも、どちらも徳永（暁人）さんアレンジなんです。徳永さんっていったいどこまで作れちゃうんだ!?と、あがってきたアレンジを聴いてワクワクしました。私も色んなことをやってみたくなっちゃって、遊び心を沢山盛り込みつつ、レコーディングしました。いやー、音楽ってほんと楽しいっす！と改めて思えた曲です。

11. 君の涙にこんなに恋してる（なついろ）
作詞：奥野夏夕 / 編曲：安部智樹

なついろさんに提供した曲です。初めは大野デモを再現する形で進めていましたが、この曲をボサノバ風にしたら面白いかも？と、安部（智樹）さんに一から作り直してもらったという……安部さんに感謝！ 波に揺られているような、気だるい大人な歌い方がしっくりくるアレンジ。急遽、生でいれてもらったパーカッションが良い味を出してくれています。

12. don’t stop music（the★tambourines）
作詞：松永安未 / 編曲：大浦史記

the★tambourinesさんに提供した曲です。ポップ全開で、聴いた誰もが楽しくなれるサウンド作りを目指しました。一番の聴きどころは大サビ部分。アレンジ中も、ここで空飛びましょう！とか、大浦（史記）さんとアイデアを出し合い、度重なるやり取りで、とても面白い作品に仕上がったと思います。

13. 夏を待つセイル（帆）のように（ZARD）
作詞：坂井泉水 / 編曲：大賀好修

ZARDさんに提供した曲です。大賀（好修）さんからアレンジがあがってきた時、アコギの音が凄く胸に響いて、あぁ、これは大賀さんならではの音だなと思いました。そこに寄り添うように歌入れをしました。納得いくヴォーカルにたどり着くまでの道のりが一番長かった曲なので、その分思い入れも強く、ラストを飾る曲としてこの曲を選びました。