大原櫻子がニューシングル「マイ フェイバリット ジュエル」をリリースした。
表題曲の作詞、作曲、プロデュースは、以前から大原がファンであることを公言し、音楽番組などを通して交流があったという秦基博が手がけた。ソロデビュー3周年を目前に、さまざまなアーティストとのコラボレーションに挑戦したいという大原自身の願いが初めて形となった記念すべき1曲となっている。
10月には全7公演のZeppツアーをスタートさせる大原櫻子。今回のインタビューでは、秦基博と共に作り上げた本作の制作エピソードを中心に話を聞いた。
取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 藤田二朗
- 大原櫻子「マイ フェイバリット ジュエル」
- 2017年8月9日発売 / Victor Entertainment
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初回限定盤A [CD+DVD]
1620円 / VIZL-1225 -
初回限定盤B [CD+DVD]
1620円 / VIZL-1226 -
通常盤
[CD]
1296円 / VICL-37312
- CD収録曲
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- マイ フェイバリット ジュエル
- Jet Set Music!
- ALIVE
- 初回限定盤A DVD収録内容
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- マイ フェイバリット ジュエルMusic Video
- 初回限定盤B DVD収録内容
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- 「CONCERT TOUR 2016 ~CARVIVAL~」番外編
初主演舞台「Little Voice」で得たもの
──少しさかのぼって、まずは5、6月に上演された初主演舞台「Little Voice(リトル・ヴォイス)」の感想から伺えればなと。
あの経験は人生のターニングポイントになったなと、今、上演が終わって改めて感じているところです。演技の面はもちろん、音楽がたっぷり入ったお芝居だったので、歌においてもたくさん勉強になったことがあったんです。表現の引き出しも増えましたし、舞台をやる前よりは確実に成長できたんじゃないかなと思いますね。
──その経験は、シンガー・大原櫻子としての活動にもフィードバックできそうですか?
そうですね。舞台で往年の曲を歌うにあたっては今までの自分にはない発声の仕方を求められることも多くて。それは自分にとって大きな挑戦だったし、結果として自分なりに習得できた気はしているんです。もちろんそれをそのままポップスに当てはめることは難しいかもしれないですけど、でもきっとポップスを歌うにあたっても何かしらの影響はあるんじゃないかなと思いますね。
──「Little Voice(リトル・ヴォイス)」が終わったあと、ご自身名義の曲のレコーディングってやりました?
はい。東京公演(5月15~28日)が終わったあと、地方公演が始まるまでの間に今回の「マイ フェイバリット ジュエル」のレコーディングをやったんですよ。ひさびさの歌入れだったので、「大原櫻子としてはどうやって歌ってたっけな?」と思っちゃいましたね(笑)。自分の声をヘッドフォンを通して聴くのもひさしぶりだったから、いい意味での違和感もあったりして。
──しばらくリトル・ヴォイスという役柄として歌っていたから。
そうそう。だから「自分らしい声とか歌い方ってどうだったっけ?」とちょっと思ってしまったという。まあ、それも歌い始めればすぐに感覚は戻ってくるんですけどね。あ、そうだ! そのときにディレクターの方に「歌声が変わったね」と言っていただけたんですよ。自分ではその変化がわからなかったんですけど、「低音の響きがすごくよくなったね」って。
──もうすでに変化が表れていると。
出ているみたいですねえ(笑)。今後もどんどん「Little Voice(リトル・ヴォイス)」での経験がいろんな形で生かされていくんだろうなと思うと楽しみですね。
ああ、すごく気持ちよく歌える曲だな
──そんな歌声の変化が感じられるという新曲「マイ フェイバリット ジュエル」は、秦基博さんが作詞、作曲、プロデュースを手がけられたナンバーです。アーティストとのコラボは初めての経験になりますね。
はい。私はちょっと前からほかのアーティストさんと一緒に曲を作ってみたいと思うようになっていたんですけど、そんなときにちょうど秦基博さんからの楽曲提供のお話を聞きました。秦さんとは以前から音楽番組で共演させていただく機会がすごく多かったし、「FNS歌謡祭2014」では私の大好きな「ひまわりの約束」を一緒に歌わせていただいたこともあって。もともとは私が一方的にファンだったんですけど、そういったご縁がたくさんあったんですよね。
──その縁が楽曲提供の話にまでつながったわけですね。
はい。秦さんはお忙しい方なので、1年くらい前からじっくり温めてきて今に至る感じです。最初は作曲だけお願いするというお話だったんですけど、去年の年末くらいにメロをいただき、そこに「ラララ」で仮歌を乗せてみた段階で歌詞もお願いしたくなっちゃったんですよ(笑)。私は秦さんの書く歌詞が大好きなので。そうしたら「書きます」というお返事をいただき、プロデュースまで引き受けてもらいました。歌入れの現場にまで来ていただけたので、ホントにうれしかったし、ありがたいなあって思いましたね。
──最初にメロディをもらったときはどんな印象を受けましたか?
すごく秦さんらしいメロディだなと思いました。歌詞が乗るとまた雰囲気が違ってくるんですけど、「ラララ」で歌ったときはもう秦さんの曲にしか思えなくて。「これを私が歌うとどうなるんだろう?」って、自分の曲になる想像がつかないくらいでしたね(笑)。
──今までの大原さんの楽曲、特にシングル曲にはなかった雰囲気ですよね。
そうなんですよ! 今までのシングル曲はけっこう爽快なタイプが多かったので、ここまであまりテンションを上げずにと言うか、ナチュラルに歌えるタイプは初めてだなと私も思いました。仮歌の段階で、「ああ、すごく気持ちよく歌える曲だな」と思っていましたね。
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