音楽ナタリー Power Push - 小倉唯

二十歳のポジティブメッセージ

自分はポジティブな性格だと最近気付いた

──「ハイタッチ☆メモリー」も「TO BE ALIVE」も非常に前向きな歌詞になっていますが、ひたすら元気で明るい前者に比べて、後者は「苦しいことが待ち受けてるけど、前に進むんだ」みたいな、苦難を想定しているところがありますよね。

小倉唯

あります!って胸を張るのも変なんですけど、そこは私自身も共感するところで、間違いなくこれからも苦しいことっていっぱいあると思うんです。でも、今までも苦しいことがいっぱいあったし、特に高校生のときが一番つらかったんですけど、目の前に立ちはだかる壁を1つひとつ乗り越えてきたっていう自信があるので、この先も負けずに、何があっても一所懸命がんばれるんじゃないかって。

──小倉さん自身もだいぶ前向きですよね。

自分はすごくネガティブだと以前は思ってたんですけど、最近そうじゃなかったんだって気付いたんですよ。私はお仕事でもプライベートでも、何かあるたびにいちいち気にして、「ああ、ここがダメだったな」って反省してばっかりなんですね。でも、それって実は、自分がステップアップするために必要なことなんじゃないかって、あるとき視点が変わったというか。もし自分の成長を考えなかったら、お仕事もやりっぱなしで、その場しのぎでごまかしてたんじゃないかって思うんです。

──「高く飛ぶためには低く屈まなきゃいけない」みたいな話ですね。以前の小倉さんは屈んでる瞬間に注目してたから自分はネガティブだと感じていたけれど、ふとその先に目を向けるとポジティブな結果を生んでいた。

それだ! 後ろを振り向きながらでもちゃんと先に進めてるんだなっていうのを自覚し始めてからは、「私って実はポジティブなんだな」って思えるようになりました。

──先ほど「高校生のときが一番つらかった」とおっしゃいましたが、やっぱりお仕事と学業の両立という点で?

はい。まだ年齢的にも精神的にも幼かったですし。お仕事もして、かつ学生としても抜かりなく……と思ってたので、毎日すごく大変でした。特にお仕事はまだ不慣れで、探り探りやりつつ、それでいて1つひとつのお仕事に対する責任も、今と同じかそれ以上に重く感じていたので。「よくがんばったな」って言ってあげたいですね、あのときの自分に。

──あのときがんばったから今の小倉唯があると。

つらい思いもしてきてるけど、結果的にすごくハッピーなほうにいつもつながってるんですよ。だから過去の自分を信用しているというか、目の前の課題にそのつど自分を捧げていれば、結果はあとから付いてくるって考えられるようになりました。

リリースイベントは「ハイタッチ会」

──今回のシングルは2曲とも「君」という存在がいて、しかも歌詞の物語上、大きなウェイトを占めていますよね。だから小倉さんにとって、他者の存在というのも重要なのかなって。

もちろんです。私はたくさんの人たちに支えられていたからここまでやってこられたわけですし、自分1人では乗り越えられなかった壁もたくさんありましたから。今の自分があるのはファンの皆さんをはじめとする「君」のおかげで、それはこれからもずっと変わらないです。

──ファンへの感謝といえば、この「ハイタッチ☆メモリー」のリリース記念イベントとして、6月に「ハイタッチ会」が予定されてるんですよね?

そうなんですよ。

──やっぱりイベントとライブでは、ファンの方々との距離感も違いますか?

全然違います。もちろんライブでもステージと客席との間でやりとりはあるんですけど、イベントでは1人ひとりの目をちゃんと見られますし、その表情や声色から、皆さんの気持ちが空気を通じて伝わってくるので。「私はこの人たちに支えられてるんだな」って改めて実感できるし、もっとがんばらなきゃなっていう原動力にもつながっています。

──ちなみにプライベートでは、ハイタッチはされるほうですか?

うーん、しないですね。過去にした記憶も、あんまりないかも……。

──ゆいかおりでの相棒である石原夏織さんとも?

しなーい! ちょっと変ですよね、2人だけでハイタッチして盛り上がってたら(笑)。

ニューシングル「ハイタッチ☆︎メモリー」2016年5月18日発売 / KING RECORDS
期間限定盤[CD+DVD] 1944円 / KICM-91667
通常盤[CD] 1296円 / KICM-1668
期間限定盤CD収録曲
  1. ハイタッチ☆メモリー
    [作詞:ワタナベハジメ / 作曲:高尾奏之介 / 編曲:奈良悠樹]
  2. TO BE ALIVE
    [作詞:磯谷佳江 / 作曲:駒形めぐみ(Puresound)/ 編曲:菊谷知樹]
  3. ハイタッチ☆メモリー(off vocal ver.)
  4. TO BE ALIVE(off vocal ver.)
通常盤CD収録曲
  1. ハイタッチ☆メモリー
  2. TO BE ALIVE
  3. ハイタッチ☆メモリー(TV size)
  4. TO BE ALIVE(GAME size)
  5. ハイタッチ☆メモリー(off vocal ver.)
  6. TO BE ALIVE(off vocal ver.)
期間限定盤DVD収録内容
  • 「ハイタッチ☆メモリー」MUSIC VIDEO
  • MAKING
公演情報
小倉唯 1st LIVE TOUR「High-Touch☆Summer」
  • 2016年7月9日(土)千葉県 幕張イベントホール
  • 2016年7月10日(日)千葉県 幕張イベントホール
  • 2016年7月17日(日)愛知県 一宮市民会館
  • 2016年8月6日(土)大阪府 オリックス劇場
  • 2016年8月14日(日)群馬県 桐生市市民文化会館 シルクホール

料金:全席指定 6900円(全公演共通)
※未就学児童入場不可
一般発売:2016年6月18日(土)

小倉唯(オグラユイ)
小倉唯

1995年群馬県生まれの声優、アーティスト。2009年に14歳で声優デビューし、2011年「神様のメモ帳」のアリス役、「ロウきゅーぶ!」の袴田ひなた役で大きな注目を集め、以来、毎シーズン放映のアニメの主要キャラを演じるように。また2010年に石原夏織と結成したユニット・ゆいかおりでメジャーデビューを果たし、2011年には「ロウきゅーぶ!」の出演声優ユニット・RO-KYU-BU!で歌った楽曲の数々がスマッシュヒットを記録するなど、声優業と並行して積極的に音楽活動も展開している。2012年にはシングル「Raise」でソロデビュー。以降アニメ「変態王子と笑わない猫。」のエンディングテーマ「Baby Sweet Berry Love」や、「最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。」のエンディングテーマ「Charming Do!」など、話題のアニメのテーマソングを発表している。2015年3月にはソロデビュー3年目にして初のフルアルバム「Strawberry JAM」をリリースし、7月には神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールで初のワンマンライブを開催した。2016年5月には通算6枚目のシングル「ハイタッチ☆メモリー」をリリース。7~8月には初のワンマンツアー「小倉唯 1st LIVE TOUR『High-Touch☆Summer』」を行う。