Vol.2 ライブ特集

小谷美紗子の真髄! 空気を震わす存在感をライブで体感

発表したばかりのシングル「YOU」に絶賛の声が続々と届いている。情感あふれる歌の世界はもちろんのこと、玉田豊夢(Dr)、山口寛雄(B)とともに鳴らされるその音の存在感は、まさに"バンド"としての力量を見せ付けるもの。

そして小谷美紗子の本当の凄さを肌で感じることができるのは、やはりライブだ。この春に行われた「ARABAKI ROCK FEST.07」に出演した彼女は、新旧の楽曲を織り交ぜて圧巻のステージを展開してくれた。まずは当日の模様をレポートしよう。

ARABAKI ROCK FEST.07写真

4月29日午後、曇り空の下に現れた小谷美紗子は髪をバッサリと切り、凛々しいショートヘアでの登場。3人が定位置につき、この日のライブは1曲目「Rum & Ginger」からスタートした。スラング山盛りの英語詞を速いビートに乗せて歌うこの曲。疾走感あふれるジャジーなアレンジは、小谷美紗子初体験のオーディエンスの心をグッと持っていくには充分だ。「あれ、小谷美紗子ってこんなファンキーだったっけ?」。

ARABAKI ROCK FEST.07写真

MCでは「他のステージでもいろんなバンドがやってる中、小谷美紗子を観に来てくれてありがとう。80人くらいは来てくれると思ってたんですけど、こんなにたくさんいるとは思わなかった」と話し、観客を笑わせる。本人はいたって本気なのだが、集まった観客の数の前では冗談みたいに聞こえてしまう。

そして最近のライブでは定番となった「still have us」「Who」をはさんで、濃厚なラブソング「オオカミ」が演奏される。ベースと声だけではじまるこの曲に、会場は思わず息を呑み、一気にその世界に引き込まれる(今回発売されたシングル「YOU」のカップリングにもこの日と同じトリオ一発録りバージョンが収録されている)。

そしてラストは、「Out」「YOU」「消えろ」の3曲を畳み掛けるように披露。リリース前のアルバム収録曲を、フェス出演のクライマックスにこれほど堂々と演奏するのは、現在の自分たちの音に自信があるからに他ならない。タイトなビートを叩き出すドラムと、力強くしなやかなベース。そして、そんなリズム隊に気持ちよさそうに、かつガッツリ向き合う小谷のピアノとボーカル。譜面に起こしたらすごいことになるだろう音の粒が、空気を震わせて迫ってくる様はまさに圧巻。

「もっともっといい音楽を全力投球で歌いたい」と宣言するこの日の彼女は、ほんの30分強のステージでその場に居合わせた多くのオーディエンスを味方につけてしまった。

「ARABAKI ROCK FEST.07」

2007年4月29日(日) 宮城県エコキャンプみちのく
Set List

  1. Rum & Ginger
  2. still have us
  3. Who
  4. オオカミ
  5. Out
  6. YOU
  7. 消えろ

ライブの他流試合で着実にファン増加中

小谷美紗子は、音楽ファンのみならず同業者からの評価が高いことでも知られている。多くのロックアーティストが彼女をリスペクトし、彼女自身もさまざまなアーティストたちとライブでの競演を重ねている。

ここ2、3年だけでもeastern youth、LOST IN TIME、向井秀徳、HEATWAVE、100sらと印象的なライブを行い、昨年からはASIAN KUNG-FU GENERATIONのアリーナツアーにも参加。今年2月の「ダイノジロックフェスティバル」ではbloodthirsty butchers、THE BACK HORN、怒髪天、BAZRAら並み居る競合たちを相手に大熱演を見せつけ、さらに3月にはLIQUIDROOM ebisuで曽我部恵一とのツーマンライブも成功させている。小谷美紗子の音楽は、着実にその輪を広げているようだ。

「昔からeastern youthがすごく好きだったんです。言ってることがいっしょで、魂がいっしょだと思ってた。だから例えばeastern youthが大好きなお客さんに、私の音楽は絶対届くって信じてた。それこそ2ndアルバムを出した頃からそう思ってて、絶対届くのにジャンルが違うって言われて同じイベントに出られなかったり、別の棚に置かれたりして。そんなのは絶対間違ってるって言い続けてたんです。あの人たちは絶対に私の音楽を好きなはずだって。そしたらお客さんどころか吉野さん本人からラブコールが来て、いっしょのステージに立つことになって。ほら言っただろうが!ってホントに泣くくらい嬉しかった(笑)。その頃は弾き語りで歌うことが多くて、今のアプローチとは真逆のことをやってたのに、やっぱり吉野さんやeastern youthのお客さんはちゃんと気付いてくれて、受け入れてくれて。ジャンルじゃないところをちゃんと見てくれる。仲間がいるんだって思いました」(小谷美紗子)

実力あるアーティストたちとよい関係を築き、イベント出演を通して着実にライブの動員を増やし続けている彼女。古くからのファンは「やっと気付いたか」という思いだろうし、実は彼女自身も同じ気持ちでいるに違いない。勢いに乗って突き進む彼女のステージを今こそ体験するべきだ。

昼下がりの店内で爆音インストアライブ!?

今回、小谷美紗子は「YOU」のリリースを記念してインストアライブを実施。5月26日(土)の東京を皮切りに大阪、京都、名古屋と、全国4都市を回るインストアツアーが予定されている。ライブの観客となるのは彼女のファンだけでなく、小谷美紗子の名前も知らない、たまたま店にCDを買いに来た人たち。そうした人たちを相手に演奏することについてのプレッシャーはないのだろうか。

「緊張?しないです。めちゃめちゃ楽しみですよ(笑)。もちろんCDを買って観に来てくれた人には『本当にありがとう!』って抱きしめたいくらいの気持ちなんだけど、そうじゃない人、たまたま通りがかった人の前で歌えるっていうのはすごいチャンスですよね。『1枚でも多くCD売ってやる!』って思ってます」(小谷)

インストアライブ写真

そして、インストアライブといえば普通は売り場の片隅でこじんまりと、アコースティックセットで演奏するものだが、小谷美紗子trioは大胆というか常識を知らないというか(笑)、いつも通りのトリオ編成で登場。なんと通常のライブハウスと同じセッティング、同じテンションで、ドラムセットやPAまでわざわざ持ち込み、可能な限りの爆音を鳴らすという。無料インストアライブといえども一切の妥協はナシ! もしあなたが彼女の音楽に少しでも興味を持っているなら、これを見逃す手はないはずだ。

そしてインストア後の7月からは福岡、大阪、名古屋、東京の4ヶ所で待望の全国ツアーも行われる。ライブでの彼女の瞬発力、集中力は凄まじく、その内容には注目が集まるばかり。しかも今回は、ニューアルバムの楽曲はもちろん、過去10年のキャリアの中から厳選した名曲をトリオ編成で披露してくれるらしい。鉄壁のアンサンブルを誇る3人が、過去の名曲をどうよみがえらせるのか。「オオカミ」同様、新たな発見が期待できそうだ。最後に、小谷美紗子本人にツアーに対する意気込みを聞いた。

「倒れるまでやりたいです」(小谷)。

チケットの一般発売日は4会場とも5月27日(日)。以前からのファンはもちろん、今回初めて彼女を知った人も、ぜひこの機会に足を運んでみてほしい。

小谷美紗子のライブは右のスケジュールをチェック!

※インストアライブ特典について

下記対象店舗でニューシングル「YOU」をご購入の方に先着で特典引換券を差し上げます。インストアライブ当日、その券を持ってきた方に、本人から手渡し(!)で特典をプレゼント! 対象店舗は地区により異なりますのでご注意ください。

「インストア特典引換券」配布店舗一覧
東京
TOWER RECORDS 新宿店/渋谷店/池袋店/吉祥寺店/秋葉原店
大阪
TOWER RECORDS 梅田NU茶屋町店/梅田マルビル店/難波店/神戸店
京都
TOWER RECORDS 京都店
名古屋
TOWER RECORDS 名古屋パルコ店/名古屋近鉄パッセ店/熱田店/
岡崎店/東浦店/千種店

初回限定生産シングル「YOU」

■2007年5月16日発売 ■735円

アルバムからの先行シングルは激しく切ない恋の歌。性急なビートと情感あふれるピアノに乗せて、唯一無二の歌声が"あなた"の心に突き刺さる。カップリングにはここでしか聴けないレアトラック、1999年発表の名曲「オオカミ」のトリオ新録バージョン(一発録り)を収録。

Amazonで購入 @TOWER.JPで購入 HMVで購入 TSUTAYA onlineで購入 iTunes Storeで購入

最強ピアノトリオの到達点「Out」

■2007年6月13日発売 ■2205円

先行シングル「YOU」に続きピアノトリオで制作された、セルフプロデュース3作目のニューアルバム。濃密な歌の世界と、力強く軽やかな極上のアンサンブルが全7曲にわたって展開される。初回プレス分のみ豪華ブックレット/応募ハガキのW特典封入。

Amazonで購入 @TOWER.JPで購入 HMVで購入 TSUTAYA onlineで購入

Streaming - ライブ映像

2007年3月18日 LIQUIDROOM ebisuでのライブから、「消えろ」「Out」「YOU」の3曲をダイジェスト配信。ニューアルバム「Out」に収録される新曲を、リリースに先駆けてライブ映像で公開するという初の試みです。3分間の貴重な映像をじっくりとご覧ください。

ストリーミング映像再生

Schedule - ライブスケジュール

インストアライブ
東京

日時

2007年5月26日(土) 14:00縲鰀

会場

TOWER RECORDS新宿店7F

大阪

日時

2007年5月27日(日) 15:00縲鰀

会場

TOWER RECORDS梅田NU茶屋町店6F

京都

日時

2007年6月9日(土) 16:00縲鰀

会場

TOWER RECORDS京都店

名古屋

日時

2007年6月10日(日) 15:00縲鰀

会場

TOWER RECORDS名古屋パルコ店

Trio TOUR "Out"
福岡

日程

2007年7月1日(日)

時間

開場16:00/開演17:00

会場

福岡DRUM Be-1

料金

前売¥4,500/当日¥5,000 (ドリンク別)

チケット

チケットぴあ 0570(02)9966
(Pコード:256-521)

ローソンチケット 0570(084)008
(Lコード:84508)

問い合わせ先

BEA 092(71)4221
http://www.bea-net.com

大阪

日程

2007年7月4日(水)

時間

開場18:30/開演19:30

会場

心斎橋CLUB QUATTRO

料金

前売¥4,500/当日¥5,000 (ドリンク別)

チケット

チケットぴあ 0570(02)9966
(Pコード:256-465)

ローソンチケット 0570(084)005
(Lコード:54386)

イープラス http://eplus.jp/

名古屋

日程

2007年7月6日(金)

時間

開場18:30/開演19:30

会場

名古屋CLUB QUATTRO

料金

前売¥4,500/当日¥5,000 (ドリンク別)

チケット

チケットぴあ 0570(02)9966
(Pコード:256-530)

ローソンチケット 0570(084)004
(Lコード:48613)

イープラス http://eplus.jp/

問い合わせ先

グランドライン 052(935)7558

東京

日程

2007年7月7日(土)

時間

開場17:00/開演18:00

会場

LIQUIDROOM ebisu

料金

前売¥4,500/当日¥5,000 (ドリンク別)

チケット

チケットぴあ 0570(02)9966
(Pコード:256-673)

ローソンチケット 0570(084)003
(Lコード:35408)

イープラス http://eplus.jp/

問い合わせ先

ソーゴー東京 03(3405)9999
http://www.sogopr.co.jp/

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2007

日程

2007年8月3日(金)

会場

国営ひたち海浜公園

※詳細はオフィシャルサイトをご確認ください
http://www.rock-net.jp/fes/07/

interview and text by TAKUYA