≠ME「夏が来たから」インタビュー|新曲は高揚感が加速するサマーチューン

指原莉乃がプロデュースを手がける≠MEが、9thシングル「夏が来たから」をリリースした。

表題曲「夏が来たから」は、夏や恋にまつわる期待感、まばゆさを「夏が夏が夏が来たから」というキャッチーな歌詞で表した“エモラブサマーチューン”。今の季節にぴったりな清涼感、≠MEならではの青春感や儚さが1つの曲の中で見事に交わっている。音楽ナタリーではシングルの発売に合わせて蟹沢萌子、冨田菜々風、本田珠由記の3人にインタビュー。「夏が来たから」の聴きどころや、この曲が初披露された「≠ME 全国ツアー2024『やっと、同じクラス』」神奈川公演の感想などを語ってもらった。

取材・文 / 近藤隼人撮影 / 曽我美芽

気持ちをダンスに乗せるための演技指導

──新曲「夏が来たから」を最初に聴いたときの感想、第一印象を教えてください。

冨田菜々風 ≠MEがこれまでリリースした楽曲には「君はこの夏、恋をする」「クルクルかき氷」という夏曲がありますが、しばらく夏曲をリリースしていなかったので、最初に曲を聴いたときはとてもテンションが上がりました。

蟹沢萌子 発売日が8月28日と知ったときに、今回は思い切り夏のような曲が来るんじゃないかとメンバー間で話していました。なので、曲を聴いた瞬間に高揚感が加速しました。

冨田 本当に夏にぴったりな曲です。

本田珠由記 仮歌を初めて聴いたとき、サビ頭の「夏が」の「な」の音程を低めに歌うところがとても印象的でした。低めの音から盛り上がっていく感じが頭から離れなかったです。

左から蟹沢萌子、冨田菜々風、本田珠由記。

左から蟹沢萌子、冨田菜々風、本田珠由記。

左から蟹沢萌子、冨田菜々風、本田珠由記。

左から蟹沢萌子、冨田菜々風、本田珠由記。

──歌詞の中で特に気に入っているフレーズはありますか?

本田 あります! 1番の「汗かいたコーヒー」というフレーズです。「君はこの夏、恋をする」では「ミルクティー」というフレーズがあったのですが、少しずつ歌詞に出てくる言葉が変化していることに、メンバーと「私たち大人になったね!」と話していました。

蟹沢 これまでリリースしてきた≠MEの青春ソングは、学園生活をイメージさせる歌詞が多かったです。それに対して「夏が来たから」はいろいろな世代の方が主観的に受け取れるようなフレーズが詰まっていると思います。夏の暑さやときめきを感じられるので、聴く人それぞれの“青春”の解釈ができる楽曲です。

冨田 「君の瞳は湿度が高い」など、初めて聞く表現ながらまっすぐ伝わってくるフレーズが多い印象です。また「動け 動け 動け 動け 唇」という歌詞も印象的です。

蟹沢 そこのフレーズは私も印象に残りました! リフレインとして「動け」という言葉を繰り返しているのではなく、本当に心の中で「動け 動け 動け 動け」と自分に対して思っているんだろうなと感じました。

冨田 曲の主人公の気持ちがストレートな言葉で表現されているところに心をつかまれます。全体的に曲のストーリーがはっきりと見えてくる歌詞になっていますし、曲が進むにつれて気持ちが高まっていくのがとても素敵だと思いました。

──学生感は薄まりつつも、単なるさわやかな夏曲で終わるのではなく、切なくエモーショナルな要素が入っているのが≠MEらしいですね。

冨田 まさに≠MEだからこそ届けられる楽曲だと思います。

本田 振付の中にも「ここでエモーショナルな表情をしよう」というタイミングがあります。メンバーみんなの渾身の“エモーショナルな表情”が詰まっているので、そこも見どころです。

冨田 今回、振付を手がけてくださったCRE8BOYさんに気持ちをダンスに乗せるための演技指導をしていただきました。

冨田菜々風

冨田菜々風

蟹沢 3人1組になり、「好き」と伝える人、何を言われても「嫌い」と答える人、その2人がどういうふうに言葉や気持ちを受け取っているかを見る人に分かれたんです。「好き」「嫌い」という言葉の言い合いが続くのですが、「好き」と伝えるメンバーからはその言葉通りの気持ち、「嫌い」と答えるメンバーからは本当は好きなのに「嫌い」と言わなければいけない心情が現れていることや、その中で感情の変化が見えて、どうしたら相手に思いが伝わるかを考えながら、そのときの感情を伝え合いました。ダンスだけでなく感情表現も学ばせていただいて、とても素敵な時間を体験できました。

冨田 その演技指導のあとに、みんなでもう1度「夏が来たから」を踊ったのですが、CRE8BOYさんが絶賛してくださいました。

蟹沢 みんなで成長できましたし、そのうえでミュージックビデオの撮影に臨めてよかったです。

夏休みのようなMV撮影

──MVは高知県土佐清水市で撮影されたそうですね。

冨田 “≠MEの夏休み”というような気持ちで撮影できました。

蟹沢 高知県に着いたときからみんなとてもはしゃいでいました。撮影した場所は海がすごくきれいでした。

蟹沢萌子

蟹沢萌子

冨田 空も本当にきれいに晴れたよね。

本田 「夏が夏が夏が来たから」という歌詞と同じ気持ちを私たち自身が体験することができました。メンバーの自然な姿が見える瞬間も多かったです。

蟹沢 私は(櫻井)ももと自転車に乗るシーンを撮影したのですが、カメラが回っていないときも2人で自転車に乗り移動していました。今回のMVは撮影中と普段とのギャップが少ないといいますか、夏を感じながら楽しんでいる私たちの姿が映像に現れていると思います。

冨田 私は(鈴木)瞳美と(谷崎)早耶と一緒に自転車に乗り撮影をしたのですが、とても長い距離の坂道だったので、だんだんと重くなっていくペダルを漕いでいる瞬間もエモーショナルに感じました。全体的に風を感じるシーンが多く、その風さえも記憶に残っています。また、撮影中にスイカをたくさん食べたことやソフトクリームをおかわりしたことも記憶に残っています。

──「夏が来たから」は7月に横浜アリーナで行われた「≠ME 全国ツアー2024『やっと、同じクラス』」ファイナル公演で初披露されました。MVがスクリーンに公開された直後のパフォーマンスでしたが、そのときの手応えはいかがでしたか?(参照:≠ME横浜アリーナ公演、フライング冨田菜々風や“エモラブサマーチューン”初披露で興奮渦巻く

冨田 新曲を初披露するとき、私はいつも緊張してしまいます。

本田 MVを観ていただいて、ファンの方の期待が高まった中でステージに出るのはやっぱり緊張します。「夏が来たから」は会場後方のサブステージで披露したのですが、360°にお客さんがいらっしゃって、皆さんが笑顔で楽しんでくださっている姿が見えたので私たちも楽しむことができました。

本田珠由記

本田珠由記

冨田 サブステージに登場するとはお客さんは予想していなかったと思うので、ファンの皆さんへのサプライズになったのではと思います。緊張しつつも、ファンの皆さんにどんな反応をしていただけるかという楽しみな気持ちもありました。

蟹沢 お客さんの顔、すごくよく見えたよね。この衣装で皆さんの前に立つのは初めてだったので、とても気合いが入りました。初めてばかりの状況だったので、お客さんにはその瞬間の記憶が鮮明に残っているのではないかと思います。「夏が来たから」を歌っているときはMVを撮影した高知県に戻ったような感覚がありました。