≠ME|アイドル界の王道を全速前進!メジャー1stシングルで描く夏の恋模様

指原莉乃がプロデュースを手がける=LOVEの姉妹グループとして2019年に誕生し、今年4月にキングレコードよりメジャーデビューを果たした≠ME。先輩の=LOVEに引けを取らない勢いで人気を拡大させている彼女たちのメジャー1stシングル「君はこの夏、恋をする」がリリースされた。

メジャーデビューミニアルバム「超特急 ≠ME行き」からわずか3カ月という短いスパンで発表された「君はこの夏、恋をする」。タイトル曲は夏の恋模様をさわやかかつ叙情的に描いた、≠MEらしい王道のアイドルソングに仕上がっている。音楽ナタリーでは前回のインタビュー同様(参照:≠MEインタビュー、念願のメジャーデビューミニアルバム「超特急 ≠ME行き」は未来への期待感に満ちた作品に)、メンバー12人を代表してセンターの冨田菜々風、リーダーの蟹沢萌子、メディアでの活躍が目立つ尾木波菜、谷崎早耶に話を聞き、6月に行われた1stコンサートの感想、新曲やそのミュージックビデオの注目ポイント、9月にスタートする1stライブツアーへの意気込みなどを語ってもらった。

取材・文 / 近藤隼人 撮影 / 堀内彩香

1stコンサートは夢のような時間だった

──まずは6月1、2日の2日間にわたって東京・中野サンプラザホールで行われた1stコンサートの話から聞かせてください(参照:≠ME念願の1stコンサートで踏み出した夢への第一歩「常に最大瞬間風速でアイドル界の頂点まで」)。≠MEは昨年春に関東ツアーを行う予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催を中止。そのため、この中野サンプラザホール公演が初の有観客単独コンサートになりました。

蟹沢萌子 このような状況の中で中野サンプラザという大きな会場で、たくさんのお客さんに観ていただけるコンサートを開催できたことがホントにうれしくて。本番を迎える前からこれからの≠MEを作っていく大事な2日間になるんじゃないかと思っていたので、ファンの皆さんと一緒に素敵な時間を過ごすことができて幸せでした。≠MEのライブは皆さんと作る青春だと思ってるんですよ。これからも色褪せない、時が経つほど輝きを増すような2日間になったと思います。今思い返しても夢だったんじゃないかと思うくらいキラキラした時間で、すべての方への感謝の気持ちでいっぱいです。

左から尾木波菜、冨田菜々風。

尾木波菜 この1年間、何回か無観客でライブをやらせていただきましたが、お客さんのいない会場ってなんだか寂しく感じるんです。楽しさはあるし、画面の向こうにファンの皆さんがいてくださる安心感もあるんですけど、1stコンサートのときはそれとは全然違うありがたさを感じたんです。皆さんが同じ空間にいるだけで明るい空気になって不安が飛んでいって、気持ちがすごく高ぶって。やっぱりファンの方の存在はすごく大切で、それに応えられる存在になりたいという気持ちに改めて気付かされました。

冨田菜々風 私は1stコンサートが始まるまで、ちょっと怖かったというか……もちろんファンの皆さんに会えるうれしさもあったんですけど、会えない期間が長かった分、私たちのことを見てくれている人は本当にいるんだろうかという不安な気持ちもあったんです。だから、コンサートが始まって皆さんがペンライトを振っている景色が目の前に見えたときは、「ホントにみんな存在するんだ!」みたいなホッとした気持ちとうれしさがありました(笑)。ファンの方がいるとなんでもがんばれるんだなと、1stコンサートを通して気付けたんですよ。初めて挑戦するような激しい振り付けが多くて、筋肉痛になったり、「大丈夫かな……」と心配になったりすることもありましたが、皆さんのおかげで「私はまだがんばれる!」と思うことができました。

谷崎早耶 1stコンサートでは≠MEの王道のアイドルソングを歌ったり、ダンスパフォーマンスを披露したり、=LOVEさんの曲をカバーさせていただいたりと、≠MEのいろいろな一面を見ていただけたと思うので、より好きになってもらえていたら幸せです。あと、私は2日目の最後のMCで「あきらめなければ夢は叶うと≠MEが証明したいです」と言ったんですけど、私たちは東京ドームでコンサートをすることを目標にしていて。現実的に考えると今よりも何十倍、何百倍の人たちに≠MEのことを知ってもらわないと立てない場所だし、私たちはできると信じていても「無理でしょ」と思ってる方もいるかもしれません。でも絶対に叶えるんだという気持ちで一歩一歩進んでいくので、ファンの皆さんには見守っていただけたら、一緒に走って行っていただけたらいいなと思っています。

──グループとして得たものが多いコンサートだったようですが、パフォーマンス的な手応えはいかがでしたか? メンバー的に満足のいくものを見せられたのかどうか。

左から蟹沢萌子、谷崎早耶。

蟹沢 今の私たちにできる精一杯のものは見せられたんじゃないかと思っています。念願のコンサートだったので、12人全員気合いが入っていて。≠MEにとってファンの方たちの存在はとても大きくて大切だということを2年半の間も強く感じていて、ようやくその気持ちを思い切り届けられる場所がこの2日間のコンサートだったんです。すべてのパフォーマンスを200%くらいでお届けできたし、さらに成長していけるなと実感することができました。

──文句なしの大成功だったんですね。とは言え、本番を迎えるまでは冨田さんが話していたような不安な気持ちが、ほかのメンバーにもあったんじゃないですか?

尾木 そうですね。先ほど早耶ちゃん(谷崎)が言った通り初挑戦のダンスパートをはじめいろんなことをやらせていただきましたし、何より初の単独コンサートということでプレッシャーがありました。用意していただいた環境に自分の技術が追いついていなかったり……私はダンスが苦手なんですけど、練習で苦戦するたびにつらさよりも悔しさを感じていました。でも、周りのメンバーに支えられて乗り越えることができて、これからもっと上達したいという向上心が結果的に芽生えました。

指原Pの言葉に思わず涙が

──コンサートのあと、プロデューサーの指原さんからは感想の言葉などをもらいましたか?

谷崎 初日のリハーサルやライブのあとにダンスやパフォーマンスの面で指摘をいただいて。次の日にそれを意識してステージに臨んだら、「すごくよくなってたよ」と褒めていただけたので、とてもうれしかったです。

──やっぱり指原さんのそういう言葉は力になります?

左から谷崎早耶、尾木波菜、冨田菜々風、蟹沢萌子。

谷崎 はい。褒めてもくださるし、的確なアドバイスもいただけるのですごくためになります。

蟹沢 昨年末に開催させていただいた公演が私たちの中で反省点が多かったので、1stコンサートでは指原さんからいただく言葉にドキドキしていたんですよ。でも、初日が終わったあとの楽屋で「素晴らしかったよ」と言っていただけて。緊張の糸が一気にほぐれて思わず涙が出てしまいました。指原さんは私たちのことをホントによく見てくださっているからこそ、その言葉がホントにうれしかったんです。

──以前、指原さんにインタビューしたとき、「=LOVEよりも≠MEのメンバーのほうがガツガツ連絡を送ってくる。若いから私に対してあまり怖さを感じてないんだと思う」と話していたのですが、普段から頻繁に連絡しているんですか?

冨田 えー、でもめちゃくちゃドキドキしながら連絡してますよ! 「これで大丈夫かな?」ってメンバーに相談したり。

蟹沢 この間、河口夏音ちゃんが「髪を切りたい」という内容のLINEを送るのにものすごくドキドキしてました(笑)。自分も同じで、文章を5回くらい書き直したり、送信ボタンを押せないまま半日くらい経ってしまったりすることがあります。

尾木 私は1日放置しちゃったことがあります(笑)。ライブのときに差し入れをくださって、「ありがとうございました」というLINEを送ろうとしたんですけど、「夜遅いからご迷惑かもしれない……」と思っているうちに次の日になっちゃって(笑)。

谷崎早耶
尾木波菜

特に成長したと思うメンバーは

──前回のインタビューでは4人それぞれの成長したところを言い合ってもらいましたが、今回はこの場にいないほかのメンバーの変化について教えてください。「このメンバーのここが変わった」という話があればぜひ。

尾木 私が変わったと思うのは川中子奈月心ちゃんですね。新曲の「君はこの夏、恋をする」のミュージックビデオの話になるんですけど、2番の「勇気出して 声かけたんだ」という歌詞のところですごくかわいいシーンがあるんですよ。奈月心って最初の頃はメンバーにも自分から声をかけられないタイプで、最年少だからか、かなり遠慮していた部分があったんです。でも、最近は急に後ろからメンバーに飛びついてくることもあって。きっとそっちが素の奈月心で、甘えてきてくれたり、勉強を教えてほしいと言ってきたりするのがすごくかわいいし、素を出せる環境になったこともうれしいです。そして、そんな奈月心がかわいく「勇気出して 声かけたんだ」と歌ってるのが好きです。

冨田 私は菅波美玲ちゃんが最初の頃のレッスンでいつも泣いていた印象があって。ダンスの経験が初めてだったので、壁にぶつかってる姿を何度も見てきたんですけど、ここ最近ダンスのスキルや見せ方がどんどん成長してきたんです。「ここをこう動かしたらこう見えるんだ」みたいな感覚がつかめてきたみたいで、最初に驚いたのは「P.I.C.」(2020年11月発表の=LOVEのシングル「青春“サブリミナル”」のカップリング曲)のときでした。CRE8BOYさんが振り付けを手がけてくださったんですけど、振り入れのときに菅波美玲ちゃんを見て「何その見せ方、すごいよ!」と驚いてたんですよ。私も「すごい変わった!」「これからすごいことになるぞ」と感激しました。

──殻を破った瞬間だったんですかね。

冨田 大人っぽく、色っぽい見せ方がうまくて、とても刺激を受けました。

谷崎 私は同じように永田詩央里ちゃんに成長を感じています。しおりん(永田)も菅波美玲ちゃんと同じでダンスもアイドル活動も未経験の状態で≠MEのメンバーになったんですけど、今ではそうとは思えないくらいダンスが上手で。指原さんも1stコンサートの初日が終わったあとに、しおりんのダンスがすごいとツイートしていました。ダンスだけでなく、最初の頃は緊張が出がちだった表情もどんどん柔らかくなって、カッコいい顔や笑顔とか、いろんなしおりんを見れるようになりました。

蟹沢 私は落合希来里ちゃんに対して成長したというか、改めてすごいなと思いました。1stコンサートのダンスパートですごく重要な役割を担当していたんですよ。なんというか、ボスみたいな感じで登場して(笑)。希来里は≠MEに入る前からダンスをやっていて、上手なことはみんな知っていたんですけど、あの小さい体で迫力のあるパフォーマンスを見せているし、≠MEの王道アイドルソングでは“ザ・アイドル”な表現もできるし、いろんな面を持っていることを今回のコンサートで再認識しました。練習のときも希来里が「ここをもうちょっと合わせよう」とか言ってくれることが多くて、とても助けられています。もともとすごかったスキルをさらに磨き上げてるんだな、自分もがんばらなきゃと思いますね。


2021年7月14日更新