NOMELON NOLEMON「感覚派」特集|メンバーインタビュー&MV出演俳優・未菜ソロインタビュー (4/4)

18歳から23歳の自分に

──MV撮影は九州のどこで行われたんですか?

長崎県の平戸市という港町ですね。撮影は9月下旬にあって、監督と初めてお会いしてから1カ月以上はMVについて話し合う時間がありましたし、スタジオに入って演技指導を何回もしていただけたので、しっかり準備をしたうえで撮影に臨むことができました。でも当日は日没の関係で、かなりタイトなスケジュールだったんです。朝の4時にメイクが始まって、日の出までにスタンバイするみたいな。でもスタッフの皆さんがものすごくテキパキと動いていらっしゃったので、現場の空気がピリつくこともなくてスムーズでした。撮影チームは福岡の方でみんな優しかったです。

──福岡出身の未菜さんとしてはやりやすそうですね。

そうなんですよ。仕事の現場で自分にとって馴染みのある博多弁が飛び交っていたのでうれしかったです(笑)。自分にとって恵まれた環境で、初めての経験をさせていただけたなと思います。

──MVで未菜さんは2パターンの衣装を着用されていますね。MVにはどんなコンセプトがあるんですか?

青と赤の衣装があって、衣装が青い主人公の年齢は18歳、赤いほうは23歳という設定です。青のときはまだ自分のやりたいことがわからなくて、音楽を聴いたり、本を読んだり、写真を撮ったりいろんなことをしていて。結局その主人公は23歳になったときにカメラの道に進んでいて、ひさしぶりに長崎に帰ってきて地元を懐かしむという設定なんです。MVでは23歳になった主人公が、ちょっとガサツなところがある18歳の自分と対峙します。

──そこまでしっかりした主人公像があるんですね。

自分なりに解釈して、監督と膨らませていきました。この主人公は“ミクちゃん”という名前に決めて、その子になりきって演技をしました。

──線香花火越しに切なげな雰囲気を見せるシーンなど、初めての演技とは思えない雰囲気が出ていました。

花火のシーンは最後に撮りました。日の出からずっと撮影していて、全力疾走するシーンもあったのでけっこうヘトヘトでした(笑)。

未菜

未菜

──注目してほしいシーンはありますか?

18歳の頃にしまった箱を23歳のミクちゃんが開くラストシーンです。18歳の頃に箱に入れたインスタントカメラが入っているんですが、そのカメラには「あきらめたくない」と書いてあって、それは18歳の自分が書いたものなんです。現場では私の表情を撮影するカットと、私が手に持ったインスタントカメラに書かれた文字を捉えたカットで2回撮影して1つのシーンになっているんですが、その撮影中にびっくりしたことがあるんです。

──なんて書いてあったんですか?

「女優としての第一歩、がんばって!」「未菜なら絶対に大丈夫!」っていう、監督とスタッフさんからのメッセージだったんです。うれしくて泣きそうになっちゃったんですけど、グッとこらえて演技を続けました。でもそのおかげで、びっくりしている表情ができたので、ぜひ私のガチのリアクションを見てほしいです!

歌手として、俳優としてのこれから

──未菜としての夢や、今後の予定は?

今のところライブの予定がいろいろ決まっています。俳優についてはオーディションをいろいろ受ける準備をしています。あとは引き続き演技のワークショップに通って学んでいきます。私、小さい頃から学園ドラマが好きなんです。「プロポーズ大作戦」とか「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」とか。「高校生ってこんなに楽しいのかな」ってワクワクさせてくれた作品がたくさんあるので、学園ドラマに出て、ワクワクを表現する側になるのが今の夢です。

──シンガーとしてのお話になりますが、オリジナル曲がすでにあるんですよね?

はい。突然少年のせんちゃん(大武茜一郎)に提供していただいた曲があります。せんちゃんは、BiS時代に“ロンちゃんせんちゃんモンちゃん”という3人で弾き語りライブで共演しまして。突然少年のライブにも遊びに行かせていただいたことがあるんです。彼が「曲を書きたい」と言ってくれていたので、私のオリジナル曲として「youth is yours」を提供してもらいました。私も福岡に帰っているタイミングで作詞作曲をやってみたんですけど、全然うまくできなかったんです。で、最初から1人でやるのは難しいから、まずは提供曲になりましたけど、今後は誰かと一緒に作ったりしながら自分でも作曲できるようになれたらなって。デモを聴いたときにボロボロ泣いちゃいまして、共感する部分ばかりの曲です。

──イベント出演もいろいろと発表されていますね。

11月5日には大阪の大阪城野外音楽堂で開催される大柴広己さん主催のマイク一本の弾き語りフェス「SSW22」に出演します。以前大柴さんの「さよならミッドナイト」という曲を弾き語りでカバーしたことがあるんですけど、その大柴さんから直接誘っていただいて。大阪野音のメインステージなんて恐縮ですけど、期待していただいている部分も大きいと思うので、やるしかないですし、せっかくの機会なので成功させたいです。

──最後にファンにメッセージをお願いします。

ファンのこと、いつも考えてます。私をアイドルとして好きになってくれた方が、これからの私の活動を応援するのは難しいことだと思うんです。これまではアイドルだから好きでいてくれたというか。いきなり「俳優やります、弾き語りします」なんて言われてもついていけないんじゃないかなって。でもついてきてくれた人はやはり大事にしたいですし、その人たちがいつか自慢できるぐらい大きな存在になりたいので、応援よろしくお願いします。

NOMELON NOLEMON、未菜。

NOMELON NOLEMON、未菜。

プロフィール

NOMELON NOLEMON(ノーメロンノーレモン)

ボカロPとして活動するツミキと、ぷらそにかの一員であるボーカリスト・みきまりあによるユニット。2021年8月に結成された。2022年1月に1stアルバム「POP」をリリース。2022年9月には1st EP「感覚派」を配信リリースし、大阪・BIGCAT、東京・WWW Xにて1stライブ「シャッターチャンス」を開催した。

衣装提供
ツミキ(シャツ:Rolling Cradle、Tシャツ:Rolling Cradle、Pants:iot)
みきまりあ(フーディ:OKAMEHYOTTOKO、スカート:NON TOKYO、靴:NON TOKYO)

未菜(ミナ)

福岡県出身。2019年から2022年7月まで第3期BiSのオリジナルメンバー・チャントモンキーとして活動。8月より女優、シンガーソングライターとして再スタートを切った。シンガーとしてはこれまでに「New Acoustic Camp 2022」や、ヒダカトオル(THE STARBEMS)とのツーマンライブ「Blue Weekend」に出演。女優としてはNOMELON NOLEMONの楽曲「線香金魚」のミュージックビデオに出演した。

2022年11月1日更新