桜井玲香が考える若月佑美

──桜井さんにとって若月さんはどういう存在ですか？

桜井　……大事な存在です。なんだろう……若月がいると安心します。安心するし、やっぱり好きだなっていつも思いますね。

──お互いを“相方”って呼び合うくらいですからね。

桜井　メンバーとはまた違うっていうか。メンバーでもなく友達でもなく、かといって家族でもなく、またちょっと別の存在ですね。

──ほかのメンバーとも違う存在？

桜井　メンバーという意識よりも、もっと近い存在になっちゃいましたね。

──そのぶん、なんでも話せてしまう？

桜井　そうですね。それは大きい。

──いつ頃からそういう距離感が縮まってなんでも話せるようになったんですか？

桜井　もとから距離感は近かったんですけど、3rdシングル「走れ！Bicycle」で若月が選抜に入って、一緒にいる時間が増えることによって徐々に仲よくなっていった感じかな。そこから4thシングル「制服のマネキン」の頃にぐっと距離が縮まって……今回のシングルでまたちょっと関係性が変わってきたかな。単純に一緒にいる時間が増えたっていうのが大きいんですけど、より密度が濃くなりましたね。

──若月さんが選抜入りしたことで、グループのことやメンバーのことを相談しやすくなった？

桜井　そうですね。私もずいぶんメンバーのことを気にかけられるようになったんですけど、若月は地方出身組とすごく仲がいいので、そういった子たちと私よりも深く話せたりして。今何に悩んでいるかを教えてもらったりして、だいぶ助かってます。

──若月さんしかり、そういうほかのメンバーからの協力があって、今の“桜井キャプテン”ができあがったのかもしれないですね。

桜井　それはありますね。メンバーそれぞれ仕切るのが得意な子とか相談に乗るのが得意な子とかいるので、そこで役割分担ができてるのも大きいと思います。

──ほかのメンバーは「自分はこれができるから、じゃあやろう」「私はこれが得意だから、率先してやろう」と自ら考えて行動してる。それは決して桜井さんを見て頼りないと思ってるわけじゃなくて、パズルのピースを埋めていくような感じなんじゃないですかね。きっとそれが“乃木坂46らしさ”なんだと思いますよ。

桜井　そうか……“乃木坂46らしさ”かあ。本当にメンバーが支えになってくれてるから、今の私があるわけで。そうやって補い合ってできたものなんでしょうね。

──今作で若月さんが初めて八福神入りしましたが、彼女が入ったことで一番大きな変化ってなんでしたか？

桜井　こういう取材で歌詞の説明をするとき、若月は活躍してくれるんです。若月の歌詞の解釈は独特で、私が考えつかないような発想ばかりでいつも驚かされるし、「こういう解釈もあるんだ」って納得させられることが多くて。若月のそういう一面を出せることは、きっと彼女にとってもプラスになると思うし、乃木坂にとってもプラスになると思うんです。

──なるほど。若月さんとの関係は、この先もずっと変わらず続いていくと思いますか？

桜井　変わらず続いていくといいですね（笑）。うん、ずっと変わらない気はするけどな。

若月佑美が考える桜井玲香

──若月さんにとって桜井さんはどういう存在でしょう？

若月　なんですかねえ……たぶん、乃木坂においての何かというよりも、人生においての大きなパートナーなのかな。乃木坂の中で“相方”って言ってるけど、メンバーとも友達とも違っていて。家族よりも遠い存在のはずなのに、家族よりも近い面もあるんです。家族には言えないけど玲香には言えることもあるし、そう考えると不思議な存在ですね（笑）。

──なるほど。

若月　周りから見て、友達って言えば友達なのかもしれないけど、そういう言葉で片づけられる存在ではないというか。

──今回初めて八福神に入りましたけど、自分の中で何か変化はありましたか？

若月　八福神はずっと憧れていた場所でもあり、目指していた場所でもあり、すごく恐れていた場所でもあり。そこにたどり着けたってことでうれしいんですけど、だからといってそれに満足しているわけではなくて、もっと上を目指したいっていう次の目標も見えてきました。八福神の常連メンバーにも近付きたいと思うし、先はまだまだだなって。そういう意味では自分の中で変化はあったと思います。

──八福神入りしたことで、桜井さんのそばにいる機会が増えたと思います。それによって、今まで以上に彼女を助けていこうと思うようになった？

若月　なりましたね。アンダーと選抜、選抜の中でも八福神とバック8では見てる世界に少しずつ違いがあると思うんです。今までアンダーのときも選抜でバック8のときも玲香を助けようとは思ってたけど、玲香を助けるには玲香と同じ目線で、何を見て何を考えてるかが知りたくて。だからこれからはもっと玲香のことを助けられるんじゃないかと思ってます。

──確かに、同じ場所に立たないとわからないことってあるでしょうし。

若月　そうですね。それと、キャプテンって人の悩みを聞くことはあっても、自分の悩みってあまり他人には言わないのかなって。だからこそ私は聞いてあげたいと思うし、聞くからには玲香の仕事のことを知らないと立ち入れないので、そこは以前とは変わったところかもしれないですね。

──じゃあ最後に。桜井さんとの関係は、この先もずっと変わらず続いていくと思いますか？

若月　……変わらないでほしいな。うん、変わらないと思います。