ナタリー PowerPush - 乃木坂46
桜井・橋本・若月が振り返る2012年夏
回を重ねるごとに選抜発表が嫌いになった
──続いて4thシングルの選抜メンバー発表について訊きたいと思います。
桜井 4回目ということもあって多少冷静になれるようになった。名前を呼ばれる呼ばれないは関係なしに。選抜に入れてうれしいという感情はもちろんあるけど、それより先に「次はどうしよう?」って今後のことを考えるようになったかな。
橋本 ああ、私は逆だな。回を重ねるごとに不安になってる。1、2回目はなんのプレッシャーも感じなかったし、落ちたら落ちたでまたがんばればいいと思ってたし、選ばれたらその分がんばろうって思った。でも3回目以降「選抜から落ちたらどうしよう」って考えるようになって。
若月 環境が変わることが怖い?
橋本 そう。環境が変わったら自分はどうなっちゃうんだろう、その場でうまくやっていけるのかなっていう不安がどんどん出てきて、正直怖い。だから回を重ねるごとにあの選抜発表が嫌いになってきた。佑美はどう思う?
若月 私は選抜もアンダーも、どっちも経験して知ってるから。アンダーの子たちと話してると、やっぱり先のことを不安に思ってる子もたくさんいて。だから私は選抜発表の前は、常に選抜から落ちたときのことも考えるようにしてる。
橋本 選抜メンバーに名前を呼ばれたときに、一言コメントを言うでしょ。あのコメントも言うのが難しくて。すごくうれしいんだけど、アンダーの子たちを前に手放しに喜べないって気持ちもあって。
桜井 そうだね。あのコメントは回を重ねるごとにキツくなってる。
若月 今回一番びっくりしたのが(中田)花奈が選抜を外れたことで。花奈はダンスもうまいし、握手会の評判もいいし、ブログも毎日更新してるし。そういうのを見てたから、なんで花奈が落ちちゃったんだろうって思ってたんだけど、花奈本人はスタッフさんから「自分がなぜアンダーになったのか」「秋元(康)先生がこういう意思で花奈をアンダーにした」っていう話を聞いて、「自分が今アンダーとして何をすべきかをちゃんと考えるようになった」って言ってるんです。本人が納得するようなちゃんとした考えを持って秋元先生は選抜メンバーを決めてるんだなってことに、初めて気付けたんです。
こんな展開はさすがに思い付かなかった
──今回の選抜発表でもうひとつ驚かされたのが、秋元真夏さんの突然の復帰。しかもいきなり選抜メンバー入りしたことで、ファンのみならずメンバーもすごく驚いたと思います。
桜井 びっくりしました。なんとなく近いうちに復帰するだろうなって予想してたけど、まさかこんな展開はさすがに思い付かなかったなあ。
若月 ああいう発表の仕方で、真夏のことを悪く言う人もいるけど、別に真夏が悪いわけじゃないしね。真夏は真夏で苦しんだし、今も悩んでるから。
桜井 ただ、もし自分がスタッフの1人だとして乃木坂のことを考えたら、真夏の知名度を上げるためにはこういう手段が一番いいのかなって思うし。
若月 真夏は初期に学業のため活動休止したから、この夏に乃木坂のファンになった人は知らないわけじゃん。そう考えると、その人たちにも真夏のことを伝えなきゃいけないし、乃木坂的にも選抜発表でサプライズがありましたと話題を作る必要があると思うし。あとはメンバーにも、どんどん上を目指していかないといけないんだよっていう刺激にもなったと思う。
真夏はああ見えてすごくメンタルが強い子
──皆さん、秋元さんの件は意外と前向きに捉えてるんですね?
若月 いえ、でも正直な話、あのときは悔しいなと思ってしまって。そういった感情を抑えられない自分にいら立っていたんです。自分の中の半分は「仕方ないことだ、こういう考えもあるんだ」って理解できてるのに、残りの半分はどうしても感情的になっちゃって。まず目の前にいたアンダーの子たちの顔を見て苦しくなったし、隣にいたさゆにゃん(井上小百合)が七福神、八福神入りを目指してたことを知ってたから、それでまた感情的になって泣いてしまって……私すぐ他人に感情移入しちゃうから……。
桜井 でも今回の件ってどれも正解なんじゃないかな。悔しいって思うのも当たり前のことだし、真夏のことを考えたら快く受け入れてあげないといけないっていうのも正しいし。ただメンバー全員が泣いちゃうと真夏が入りづらくなっちゃうし、かと言ってみんなが快く受け入れちゃうと、特にアンダーの子たちからしたら「私たちはこんなに悔しいのに、なんでそんなに笑ってられるの?」と思ってしまうかもしれない。だから私みたいに笑顔で受け入れてあげる人と同時に、佑美みたいに泣く子もいていいと思うの。そうしてあげないと、メンバーみんなの立場がなくなっちゃうから。泣いてくれるメンバーがいたからこそ救われたメンバーもいたし、これでよかったと思うよ。
橋本 私は選抜でも前のほうのポジションに立たせてもらっていることもあって、前のほうにいる人間が強くなきゃ誰も希望を持てないだろうと思ってまして。私がべそをかいてるようだと、自分より後ろの位置の子たちやアンダーの子たちは「お前が泣いてるんだったら私たちどうすればいいんだよ?」って感じるでしょうし。そういう意味では、私みたいなポジションの人間が真夏を迎え入れてあげないと、真夏は誰を頼ればいいのかわからなくなっちゃうから。そういうことを、真夏の名前が呼ばれた瞬間の様子を観て思ったんです。でも玲香が言うように、いろんな子がいろんな役割を担ってたし、あれはあれでよかったんじゃないかなって思ってます。結果的に今、みんな真夏と打ち解けてるし。まあ打ち解けるまでは私、玲香と話して……ね?
桜井 話したね。
橋本 いろいろ話したけど、取り越し苦労だったみたいなところもあったし。
桜井 うん。
橋本 真夏のために私たちがどうにかしたほうがいいのかなと考えたんですけど。
桜井 必要なかったよね。
橋本 真夏は何も言わずとも自分から溶け込んでいったんで、「ああ、心配ないな」って思ったし。真夏も、ああ見えてすごくメンタルが強い子なんです。だからきっとこの子は乃木坂でやっていけるだろうし、多分心配ないだろうと今は思ってます。
- ニューシングル「制服のマネキン」/ 2012年12月19日発売 / Sony Music Records
- Type-A [CD+DVD] / 1600円 / SRCL-8201~2
- Type-B [CD+DVD] / 1600円 / SRCL-8203~4
- Type-C [CD+DVD] / 1600円 / SRCL-8205~6
- 通常盤 [CD] / 1000円 / SRCL-8207
- アニメ盤 [CD] / 1300円 / SRCL-8208
Type-A CD収録曲
- 制服のマネキン
- 指望遠鏡
- やさしさなら間に合ってる
- 制服のマネキン(off vocal ver.)
- 指望遠鏡(off vocal ver.)
- やさしさなら間に合ってる(off vocal ver.)
Type-B CD収録曲
- 制服のマネキン
- 指望遠鏡
- ここじゃないどこか
- 制服のマネキン(off vocal ver.)
- 指望遠鏡(off vocal ver.)
- ここじゃないどこか(off vocal ver.)
Type-C CD収録曲
- 制服のマネキン
- 指望遠鏡
- 春のメロディー
- 制服のマネキン(off vocal ver.)
- 指望遠鏡(off vocal ver.)
- 春のメロディー(off vocal ver.)
通常盤 CD収録曲
- 制服のマネキン
- 指望遠鏡
- 渋谷ブルース
- 制服のマネキン(off vocal ver.)
- 指望遠鏡(off vocal ver.)
- 渋谷ブルース(off vocal ver.)
アニメ盤 CD収録曲
- 制服のマネキン
- 指望遠鏡
- 指望遠鏡~アニメ版~
- 制服のマネキン(off vocal ver.)
- 指望遠鏡(off vocal ver.)
乃木坂46 (のぎざかふぉーてぃしっくす)
2011年8月に「AKB48の公式ライバル」として誕生したアイドルグループ。グループ名の「乃木坂」は最終オーディション会場の「SME乃木坂ビル」、「46」は「AKB48より人数が少なくても負けないという意気込み」に由来する。総合プロデュースはAKB48同様、秋元康が担当。全国規模のオーディションにより、3万8934人の応募の中からスターティングメンバーとして33人が選出された。2012年2月にシングル「ぐるぐるカーテン」で待望のメジャーデビュー。オリコンウィークリーチャートで初登場2位を記録し、20万枚を超えるセールスを記録した。同年5月には2ndシングル「おいでシャンプー」、8月には3rdシングル「走れ!Bicycle」を発売し、ともにオリコンウィークリーチャート1位を獲得。12月に待望の4thシングル「制服のマネキン」をリリースする。
2012年12月18日更新