なんにも知らない素人だったから受けようと思えた

──そして「AKB48の公式ライバル」乃木坂46としての活動が始まるわけですが。

最初はライバルの意味をよくわかってなかったし、オーディションのときも「AKB48さんと戦うことがどういうことなのか」がぼんやりしていて。きっとほかのメンバーもみんな、なんにも知らない素人だったからオーディションを受けようと思えたのかな。もし最初から理解できてたら、オーディションのときにもっと力みすぎてただろうし、初めから受けてなかったかもしれないし（笑）。

──なるほど（笑）。ほかのメンバーの皆さんとは、すぐに仲良くなりましたか？

うちもそうだったけど、最初はみんなお互いを警戒してたと思うんです。だけどそのうちに「あたしキモいから」とか「私、全然カワイくないから、マジで」とか言い始めて。よく考えてくださいよ、あんなカワイイ子たちが自分のことをカワイくないとかキモいとか言うんですよ!? うち、初めてあんなにカワイイ子たちを見たのに（笑）。

──あははは（笑）。

最終審査が終わったあとの会見で、うちはまっつん（松村沙友理）とまいやん（白石麻衣）に挟まれてたんですけど、両脇はめっちゃ美人さんなんですよ。それなのに、みんな自分のことをカワイイと思ってないって言う。みんな、何か内に抱えているものがあるというか、自分に自信がない子たちばかりが集まったから、すぐに打ち解けられたのかな。

──似たもの同士だったからこそ、仲良くなれたと。

今ではお互いに気を遣わなくても安心していられる、大家族みたいな存在。急にお姉ちゃんがいっぱいできた感じでうれしいし、東京に出てきて本当によかったなって思ってます。ここに来なかったら一生味わえなかったことがいっぺんに体験できてるし、得たものがたくさんあるし。

「センターはうちでいいのかな？」の自問自答を繰り返してる

──生駒さんは乃木坂46のセンターに立つ機会も多いですが、そこについては自分でどう思ってますか？

「うち、本当にここでいいのかな？」っていつも不安で。「ぐるぐるカーテン」のときは隣のポジションがいくちゃん（生田絵梨花）だったから「生田と生駒って似てるから、間違えたんじゃない？」って思ったけど、やっぱり自分がセンターで。その謎な状態が今も続いてる感じです。

──センターであることの自信や自覚は？

それは時間が経つにつれて、ちょっとずつ付いてきたというか。でも、「自分のどこがいいんだろう？」って考え始めると、ずーっとそればかり考えてしまう。毎日その繰り返しです。多分ずっと続くんだと思います。

──ほかのメンバーとはセンターポジションについて話すことはあるんですか？

選抜だとか七福神だとか、そういったことについてはあまり話さないかな。でも、ときどき「センターはうちでいいのかな？」って悩んでると、「生駒ちゃんじゃなきゃできないんだから、いいんじゃない？」って声をかけてくれるんです。だから、あんまり深く考えないというか、気にしすぎないようにしてるかな。

初ソロ曲は「責任重大だ、恥ずかしいとか言ってる場合じゃない！」

──生駒さんは今回のシングルで、ソロ曲（「水玉模様」）にも初挑戦しましたね。

（苦笑いしながら）恥ずかしいです。初めて「今度はソロ曲を歌うよ」って言われたとき、「？」って思ってその場から逃げちゃったし（笑）。お姉さん4人組（橋本、松村、白石、高山一実）のユニットは、「みんなカワイイし、これはいいでしょ！ 大賛成！」って思ったけど……。

──そんなに嫌だったんですか？

嫌っていうか、最初はどうしていいかわからなくて。でも「ここで生駒ちゃんのソロや4人のユニットが成功すれば、次はほかのメンバーにもチャンスが回ってくるかもしれないよ」って言われて、そこで初めて自分の役割がわかった気がして、納得できたんです。「これは責任重大だ、恥ずかしいとか言ってる場合じゃない！」って気持ちを切り替えてがんばりました……とは言っても、やっぱり恥ずかしいんですけどね（笑）。

──選抜メンバー16人で歌ってるときは16分の1だから恥ずかしさも和らぐだろうけど、ソロだとずっと自分ひとりに注目が集まるわけですし。

キャーッ、恥ずかしい（笑）。うちは歌がへたっぴだし滑舌も悪いし、正直どうなるか不安だったんですけど、「水玉模様」は聴いた人に気持ちが伝わるように一生懸命歌いました。

秋田に行って歌ってるところを親友に観てもらいたい

──では最後に、生駒さんの今後の目標を聞かせてください。

秋田でコンサートがしたい！

──ああ、なるほど。

だって、ほかのメンバーは都心とか北海道とか福岡とか、比較的出身地に近いところで握手会をやれてるのに、秋田では今のところ一度もやれてないんです。この前も、埼玉でイベントをやったときに、さゆにゃん（井上小百合）の地元のお友達が来てくれて。お友達はさゆにゃんの姿を見て感動してたんです。

──乃木坂46でがんばってる姿を見せたいっていう気持ちがあるんですね。

そうですね。秋田では「乃木坂って、どこ？」（テレビ東京系で放送中のレギュラー番組）も放送されてないし。実は前に一度だけ、親友が飛行機に乗って東京の握手会に来てくれたんですよ。でも、秋田からだとすごく時間もお金もかかるから、今度はうちが秋田に行ってみんなに歌ってるところを観てもらいたいなって。あとは、秋田のテレビ番組にも出てみたい。前に渡部秀さんが出てたから、うちもいつかあんなふうに、秋田の皆さんに知ってもらえるようになりたいな。そして、最終的には全国のテレビに出て、誰もが乃木坂46を知ってるくらい有名になりたいです。