NMB48「これが愛なのか?」インタビュー|新シングルセンターは未来を感じられる18歳コンビ (2/2)

シンクロ率が高いNMB48のパフォーマンス

──ここからは29thシングルの表題曲「これが愛なのか?」について伺います。皆さんが思うこの楽曲の注目ポイントや聴きどころ、MVで気に入っている箇所などを教えてください。

芳賀 一番観ていただきたいのは、MVのサビ前のところです。ここはセンター様々です! 希依音さんが顔をとてもカッコよくキメていらっしゃるんですよ。心咲さんもすごくかっこいい!

川上 そやな。キレッキレやな!(笑)

塩月 なんでちょっと笑ってるんですか! 絶対イジってますよね? 私たちは至って真剣にやっているのに!

坂田 そうですよ!

塩月 冗談っぽく聞こえてしまうかもしれないんですけど、サビ前の部分はすごく気合いを入れてやっています。何度も撮っていただきましたし、私としてはぜひ注目していただきたいポイントです。

坂田 私が注目してほしいのは、最後のサビの「好きだ」が10回続くところです。衝撃的というか、初めて聴くとたぶん困惑するんじゃないかな。私も初めて聴いたとき、自分の携帯がバグったのかなと思いました(笑)。しかもこの「好きだ」の1つずつにそれぞれ別の振付があるんです。初披露のときはファンの方もびっくりしたと思うんですけど、2回目の披露ではこの「好きだ」の部分で歓声が上がってうれしかったです。「10個も違う振りが詰まっているのに、NMB48はダンスがそろってんねんぞ!」というのも見ていただきたいポイントです。

塩月 パフォーマンスで言うと、私はこの曲のポジション構成も好きです。特にDメロではダブルセンターの周りを先輩であるちっひーさん、花梨さん、(上西)怜さんの3人がくるくる回る動きがあって。ここは先輩方に支えてもらっている安心感があるというか、すごい人たちが出てきたぞ、みたいな……。

川上 イジろうとしてるやろ?

塩月 いやいや!(笑) あの場面は本当に一瞬で空気が変わるなと思います。この曲は全体を通してポジションの移動が多く、ダブルセンターの2人だけが目立つのではなくみんながカッコよく見える構成になっていて。振付師さんからも「シンクロ率が高いNMB48のパフォーマンスを見せたい」と言っていただきました。「大阪から世界へ」というテーマのもと、ひとつにまとまって走り始めた今のNMB48に重なるパフォーマンスだと思います。

塩月希依音

塩月希依音

川上 歌詞も面白いですし、歌詞を理解したうえで振りを見るとより楽しめると思います。「神にどう祈ろうと」の部分では私が神様、こじりん(小嶋)と怜ちゃんが天使になっていたり、歌詞とリンクした振りになっていたりする部分も多いので注目していただきたいです。

現実とはまた違った世界線のテトラ楽曲

──シングルの劇場盤(テトラver.)には、テトラの楽曲「青春テトラポット」「おとめのアイス」も収録されます。テトラは、NMB48の安部若菜さんの小説が原作の連続ドラマ「アイドル失格」に登場した4人組アイドルユニットで、川上さん、上西さん、泉綾乃さん、山本望叶さんがメンバーを演じました。

川上 テトラの曲が収録されると聞いたときは驚きました。それだけ求めてくださっている方が多いのかなと思ってうれしかったです。私が演じた萌ちゃんはぶりぶりしたアイドルというキャラクターなので、川上千尋とはまた違うアイドルとして歌っています。この2曲はわかぽん(安部)が歌詞を書いていて、特に「おとめのアイス」は独特! アイドルをアイスに例えている内容なんですけど、サビの「ぽたぽたぽたぽたぽたぽた」というフレーズは本当に衝撃でした。多才なわかぽんだからこそ書ける歌詞だなと思いましたね。

塩月 テトラとしてパフォーマンスしている4人を見ると、現実とはまた違った世界線を見ているようで面白いです。ドラマが最終回を迎えたときは「テトラもここで終わってしまうのか」と寂しい気持ちになりました。だからこそ、今回テトラの楽曲がCD化され、さらにテトラとしてのリリースイベントの開催も決定して、私もうれしいです。わかぽんの頭の中から生まれたものがこうしてどんどん形になっていくのはすごいと思いますし、「NMB48には小説や歌詞を書く子もいるんだよ。ドラマではメンバーが演技をしているんだよ」というアピールにもなるので、テトラの存在はNMB48にとって大きいなと感じます。

川上 「ちっひーより萌ちゃんのほうが好き」と言ってくるファンの方もいるんですよ(笑)。でもそれだけ皆さんの印象に残ったのかなって。できるなら今後もテトラとして歌ってみたい気持ちもあります。“わてら”(石田優美、小嶋花梨、平山真衣、和田海佑によるNMB48非公式ユニット)とも対決したいです(笑)。

川上千尋

川上千尋

大阪から世界へ──今のNMB48ならできる

──5月14日にはNMB48の新公演「天使のユートピア」が始まりました。NMB48にとって「ここにだって天使はいる」以来10年半ぶりとなるオリジナル公演です。皆さんは初日公演に出演されましたが、ステージに立ってみての感想を教えてください。

塩月 今までの公演は先輩方から受け継ぐという形だったけれど、今私たちの世代で新しいものを始められることになり、初日メンバーにも選んでいただいたので、誇りとこだわりを持ってやり続けていきたいです。「ここにだって天使はいる」公演は10年半経っても色あせていないしファンからもメンバーからも愛されているので、この「天使のユートピア」も何十年も輝き続ける公演にしたいです。「この公演最強やな!」と言っていただけるようにがんばります!

芳賀 私は加入して間もないのにオリジナル新公演の初日メンバーに選んでいただき、すごくうれしかったです。この公演は出演メンバーそれぞれにスポットが当たって輝ける場所がありますし、「ここにだって天使はいる」公演とリンクしている部分もあって。最近NMB48を好きになってくださった方も、昔から応援してくださっている方も楽しめると思います。

芳賀礼

芳賀礼

坂田 始まったばかりのオリジナル公演なので、まだ正解がないんですよ。なので、「ここからみんなで作り上げていくぞ」という気持ちです。どんな方向に進んでいってもいいと思っているし、私たちらしい色をどんどん加えていきたいです。

川上 10年半前、チームNの「ここにだって天使はいる」公演が始まった当時を知っている身としては念願の新公演のステージです。初日メンバーに選んでいただけてうれしかったですし、公演を作り上げる過程も刺激的でしたね。「この曲でもっと前(のポジション)に行きたかった」という悔しさもありつつ、そんな感覚を味わうのもひさしぶりだったので「私、アイドルしてるなあ!」って。シングル表題曲の選抜メンバーによる公演なので、今後シングルが出るたびに出演メンバーも変わっていきます。選抜に入れていない子にとって「この公演に出たい」という思いはモチベーションになると思うし、私たち選抜メンバーはこの場所を守らなきゃいけない。NMB48の中でより切磋琢磨できる環境ができあがったなと思っています。

──では最後に、NMB48の今後について伺います。NMB48は現在「大阪から世界へ」をスローガンに掲げていますが、実現に向けてどのような活動をしたいと考えていますか?

塩月 世界を目指すために、まずはNMB48が大阪や関西の地元の方たちに愛されるグループにならなきゃいけないと思っています。そのためには地に足をつけて、大阪でできることをしっかりとやっていきたい。地元に根強く愛されるアイドルになったうえで世界を目指していきたいと思っています。

川上 確かに。「大阪から世界へ」というテーマはとても大きいけれど、そこへ向かう過程として例えばショッピングモールとか身近な場所で、無料でNMB48のパフォーマンスを観ていただく場も必要かなと思うし、各地のフェスにも足を運びたい。大阪・関西万博の力も借りながらどんどんアピールしていきたいです。

芳賀 昔のNMB48と比べられることも多いけれど、今のNMB48だからこその魅力やアピールポイントもたくさんあるはずなので、公演やSNSなどを通してどんどん世界へ発信していきたいです。そして、いつかは世界ツアーができるくらいのグループになりたいです。

坂田 「大阪から世界へ」という目標を聞いて、「何を言ってるんだ、そんな簡単にできることじゃないぞ」と思われた方もいるかもしれません。でも私は、今のNMB48ならできるんじゃないかなと思っています。若手メンバーはもちろん、10年以上活動しているちっひーさんでさえまだまだ強い向上心を持っていて、メンバーみんな夢に向かって全力で活動しています。時間はかかるかもしれないけれど、いつか世界的なアイドルグループになれると私は信じています!

坂田心咲

坂田心咲

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プロフィール

NMB48(エヌエムビーフォーティエイト)

AKB48の全国進出第2弾として、大阪・難波に誕生したアイドルグループ。AKB48、SKE48同様“会いにいけるアイドル”をコンセプトに、2010年10月に活動をスタートさせた。2010年10月9日に行われたAKB48のコンサートで第1期生を初お披露目。2011年1月より劇場公演「誰かのために」を行い、7月にシングル「絶滅黒髪少女」でCDデビューした。2013年11月にNMB48にとって初のオリジナル公演となるチームN「ここにだって天使はいる」が初演され、12月には「NHK紅白歌合戦」に単独初出場。2018年11月にキャプテンであり中心メンバーの山本彩が卒業し、以降は小嶋花梨がキャプテンを務めている。2023年10月に渋谷凪咲の卒業記念シングル「渚サイコー!」をリリース。2024年5月に塩月希依音と坂田心咲がダブルセンターを務める29thシングル「これが愛なのか?」を発表した。また同月に10年半ぶりとなるNMB48劇場オリジナル新公演「天使のユートピア」がスタートした。