NMB48が通算29枚目のシングル「これが愛なのか?」をリリースした。
前作「渚サイコー!」でグループのエースであった渋谷凪咲を送り出したNMB48は、新世代メンバーが着実に台頭し、今作では塩月希依音と坂田心咲の18歳コンビがダブルセンターを務めている。音楽ナタリーでは表題曲のセンターに初めて抜擢された塩月と坂田、ドラマ「アイドル失格」劇中内ユニット・テトラのメンバーでもある川上千尋、今作で初選抜入りを果たした芳賀礼の4人にインタビュー。センター2人の魅力、“愛”に対する戸惑いを歌った「これが愛なのか?」や10年半ぶりの新劇場公演「天使のユートピア」の注目ポイントについて語ってもらった。
2025年の大阪・関西万博開催に合わせて「大阪から世界へ」という新たな活動テーマを掲げているNMB48。彼女たちの“今”を、この記事を通してぜひ知ってほしい。
取材・文 / 左藤豊撮影 / 塚原孝顕
この勢いのまま行ったるで!
──29thシングル「これが愛なのか?」では塩月さんと坂田さんがダブルセンターを務めています。2人ともシングル表題曲でセンターに立つのは初めてですが、心境はいかがでしょうか?
塩月希依音 率直にうれしいです。私は2、3年前からセンターになりたいとずっと口にしてきました。だからこそ、ファンの皆さんにいい報告ができたのがとてもうれしくて。しかも、ファンの方も私と同じくらい高いテンションで喜んでくださったんです。こんなに愛情を持って応援してくださっていたんだと改めて感じられて、今は幸せにあふれています。
坂田心咲 私も、どういう感情かと聞かれたら「うれしい!」ですね。私は今までセンターになりたいと口にしたことはありません。でも「いつかはシングルのセンターになりたい」という思いがずっと心の中にあったので、今回選んでもらえてうれしかったです。しかも隣には心強い希依音さんがいて、後ろには頼りになる先輩方もいるので、いい意味で肩の力を抜いて、自分らしくグループを引っ張っていける存在になりたいです。
──ダブルセンターとして2人でステージに立つことについては、どう感じていますか?
塩月 ダブルセンターだからパワーも2倍だなって感じています。この勢いのまま行ったるで!と思っています。
坂田 私は「なんとしてでも希依音さんに食らい付いていくぞ」という気持ちですね。ダブルセンターをやる以上、1人がいいパフォーマンスをしていてももう1人がダメだったら意味がないと思うので。希依音さんのダイナミックなパフォーマンスを勉強させてもらいながら、どうすれば希依音さんに劣らないパフォーマンスができるかを常に考えています。
──同じダブルセンターとして負けられないという対抗心でしょうか?
坂田 今はまだ「食らい付くぞ」ですね。でもいずれは「負けないぞ」という気持ちに変えたいです。
センターに立つべくして立った2人
──川上さんはNMB48に加入して現在12年目で、芳賀さんは2年目。それぞれの立場から今回のダブルセンターの2人をどう見ていますか?
川上千尋 NMB48でダブルセンターと言えば、勢いのある若手メンバーが務めるイメージです。そして、この2人は去年から期待されていましたし勢いもあったので、センターに立つべくして立った2人だと思いますね。ファンの皆さんも「ようやく来たか!」と感じているんじゃないかな。未来を感じられるダブルセンターなので、私も2人のそばに立てるのがうれしいし、今後が楽しみです! あと、2人は歌声が似ていて相性のよさも感じています。
芳賀礼 私が加入した当初からお二人はNMB48を引っ張ってくださっていて、カッコいいなとずっと思っていました。同時に、私はお二人と同い年でもあるので、いつも刺激をもらっています。お二人がグループを背負う姿を見ていると、「私はなんでこんなところでくよくよしてるんやろう? よし、自分もがんばろう!」って思えます。
──塩月さんと坂田さんは昨年5月のライブ「NMB48 LIVE 2023 ~轟けミックス!~」において、「だってだってだって」のダブルセンターを務め、「これからは私たちが先頭に立って引っ張っていけるような存在になります。私たちに任せてください」と宣言していました。あれからちょうど1年で有言実行した形になります。
坂田 あの言葉を言ったときは、めちゃくちゃ怖かったです。「私たちに任せて」と言ったものの、具体的に何をしたらいいかわかっていなかったので「ヤバい。言ってしまった。どうしよう」と。でもあの宣言以降、希依音さんとシンメ(シンメトリー)の位置に立たせてもらうことが増えましたし、今回2人でセンターに選んでいただけたのはうれしかったです。もちろんこれからもっと大きく成長していきたいと思っています。
塩月 私もあのとき、まだ自分は力不足だと思っていたので、100%胸を張って「任せてください」とは言えていませんでした。でも今回選んでいただいた以上、これからは胸を張って堂々としようと思いました。そして今後は私たちが残したもので評価されるようになりたいです。ミュージックビデオの再生回数が伸びたり、TikTokのオススメにすぐ出てくるようになったり、街中で曲が流れたり……「これが愛なのか?」がそんな曲になったらいいなと思います。
──先ほど川上さんから「相性のよさを感じる」という言葉がありましたが、お二人自身はどう感じていますか?
塩月 確かに似ている部分は多いなと感じています。声もそうですし、真面目なところや負けず嫌いなところも似ているから相性がいいなって。
坂田 私も同じです。ただ、プライベートでは真逆なんですよ。私はインドア派で、希依音さんはアウトドア派。あと「旅をするなら1人で行く? グループで行く?」みたいな質問をいろいろ受けたことがあるんですけど、答えが全部逆でした(笑)。でも性格が違うからこそ一緒にいて面白さを感じますね。
初選抜、れいぽんは天然で不思議ちゃん
──芳賀さんは今回のシングルで初の表題曲選抜入りを果たしました。その心境を聞かせてください。
芳賀 すごくうれしいです! 選抜は憧れだったし、入りたい気持ちは前からありました。ただ、選抜に入れるほどの実力が自分にはないと思っていたので、ずっと口にできなくて。選抜入りが発表されてからも不安だったんですけど、ファンの方や家族がすごく喜んでくれましたし、選抜としてのお仕事の機会が増えていくにつれて少しずつ自信がついてきました。今は選抜としての活動が楽しみです! たくさんのメンバーの中から選抜メンバーとして選んでいただいた以上、より一層自分への厳しさを持って活動に取り組んでいます。
──芳賀さんは9期生として2022年12月に加入しました。芳賀さんのことをまだ詳しく知らないファンもいると思うので、改めて自己紹介をお願いできますか?
芳賀 自分で言うのは恥ずかしいんですけど、「カッコいい」よりも「かわいい」を持っているタイプだと思っています。バレーボールをずっとやっていたので運動が得意です。そして餃子が大好きです!
塩月 れいぽん(芳賀)って本当に変な子なんです。すぐ変顔をするし、顎を出して花梨さん(NMB48キャプテンの小嶋花梨)のモノマネをしたり(笑)。めっちゃ愛嬌がありつつ、天然で不思議ちゃんでもありますね。
川上 れいぽんは自分を出すのが上手なので、見ていて面白いです。そして肝が据わっています。私は加入2年目のとき、先輩に話しかけられませんでした。でも、れいぽんは物怖じせず、先輩にイジられに来るんですよ。
芳賀 いやいや、ちっひーさん(川上)からイジってくるんです!(笑)
坂田 加入1年半で自分のキャラが確立されているのがすごい。ファンの皆さんの前ではTHE王道アイドルの釣り師“あざとれいぽん”ですし、メンバー間ではイジったりイジられたり(笑)。このキャラを武器にして突き進んでいってほしいです。
芳賀 ありがとうございます。皆さんから褒めていただいて、ニヤニヤが止まりません!
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シンクロ率が高いNMB48のパフォーマンス