西沢幸奏が2月21日にニューシングル「LOVE MEN HOLIC」をリリースした。
シングルの表題曲は現在放送中のテレビアニメ「ラーメン大好き小泉さん」のエンディングテーマとして制作されたナンバーだ。疾走感のあるポップなバンドサウンドの上に乗る歌詞は西沢自身が手がけたもの。アニメがラーメンを題材とした作品であることから、ラーメンにまつわるワードを駆使し“ラーメン中毒”と“恋愛中毒”をダブルミーニングさせた秀逸な歌詞に仕上がった。
人気ラーメン店・蒙古タンメン中本とコラボしたミュージックビデオも話題を呼んでいる本作は果たしてどう作り上げられたのか。デビュー3周年を迎えたばかりの西沢に話を聞いた。
取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 塚原孝顕
3年間で変わったこと、変わらないこと
──この2月でデビューから丸3年が経ちましたね。
はい。今までの人生の中で一番って言えるくらい濃密な3年だったと思います。その間でたくさん成長できたんじゃないかなって。特に昨年は20歳になった年でもあったし、初のワンマンライブ、初のアルバム、初のツアーを経験することもできたので、すごく得たものが大きかったんですよね。
──さまざまな経験をしたことで、ご自身の中で何か変化はありましたか?
最近はちょっと余裕が生まれたような気がするんです。今まではとにかくがむしゃらにがんばっていた感じだったんですけど、少しずつ自分のことを俯瞰で見れるようになってきたかなって。それが今感じている変化ですね。
──見た目の変化はどうですか? Twitterにデビュー当時と今のアーティスト写真を並べてアップして、ご自身で驚いたりもしていましたが。
見た目の変化はかなりヤバいですよね。変わりすぎちゃってて恥ずかしい。なんかもう「成長の過程丸見えか!」みたいな(笑)。デビュー当時、17歳の私は黒髪でポニーテールだったのですごくピュアな印象ですよね。それが今は髪の毛を編み込んだたり、ちょっとキツめのメイクをしたりしてるので、若干イカつい感じに(笑)。ただ、どっちもそのときの自分の素ではあるので、いろいろ経験をしたり周りの方から影響を受けたりしながら自然と変わっていったところなんだなあって思います。
──逆にこの3年間でずっと変わっていないことはあります?
私は自分のことをけっこう頑固だと思っていて(笑)。それはこの3年間でも変わっていないし、これからもずっと持ち続けようかなとは思っています。一時期はそういう頑固さが嫌になることもあって、もうちょっとほかの人の意見も素直に取り入れられたらいいのにって思ったこともあったんです。でも音楽をやっていくうえでは、自分の信じることをできるだけ曲げたくない気持ちは大事だと思うから、持っていてもいいのかなって。とは言え柔軟さもちょっとは出てきているんですけどね、最近は。
──どのような部分でそう感じます?
前は好きなことだけをやっていたい気持ちが強かったけど、最近は新しいことを始めるのが好きになったんですよ。それは音楽活動の中で、新しい世界をのぞいてみることでいい方向に進むこともあるという経験を何度もしてこれたからだと思いますね。音楽以外に関しても今はそういう気持ちが強いから最近、友達も増えました(笑)。
ノッてるときの自分を信じたい
──新しい人との出会いから吸収することも多いでしょうね。
そうなんですよ! 以前の私は早く大人になりたいと思っていたし、歳上の方と話すほうが自分のためになるような気がしてて。でも同世代の子と新たに仲よくなってみると、みんなそれぞれいろんなことを考えているからすごく刺激にもなるんです。だから最近はよく友達と遊びに行くようにもなりましたね。昨日も(蒙古タンメン)中本に行きましたし。
──じゃあ趣味だとおっしゃっていたゲームもあまりやらなくなりました?
いや! 基本はインドア派なんで、友達と予定が合わなかったら家でRPGばっかりやってます(笑)。黙々とレベル上げをするのがすごく好きなんで。
──ゲームと同様に、例えば歌詞を書く作業なんかもガッと集中してやるほうですか?
そうだと思います。基本的に歌詞は短時間で書き上げたいんですよ。せっかちっていうのもあるんですけど、途中で一旦やめて別のことをするのが嫌なんですよね。手を付けたら完成するまで集中してやり遂げたいんです。それは音楽でも、夜中の掃除でも同じ(笑)。
──作詞作業に煮詰まったときに気分転換したりすることもない?
ないですね。言葉が出てこなくて悩んだとしても、とにかく向き合い続けていたいんです。で、どうしようもなくなったときは、やめます。
──中断じゃなく中止すると。
中止です(笑)。白紙に戻します。中断しながら書き上げても、いい作品にはならないんじゃないかなって私は思っちゃうんですよね。ノッてるときの自分を信じたいと言うか。で、そうやって勢いよく書いたものは、より愛おしくなるんですよ。「私、がんばったなー」って気持ちが湧いてきて、できたものをずーっと眺めちゃう感じ(笑)。私は絵を描くのが好きなんですけど、絵に関しても同じですね。描き上げたらいろんな角度からずーっと眺めてますからね。
──そこまで自分が生み出したものを愛せるのはすごくいいことですね。
そうですね。音楽に関しては特に思いますけど、自分を信じられなかったらダメですもんね。
- 西沢幸奏「LOVE MEN HOLIC」
- 2018年2月21日発売 / FlyingDog
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[CD]
1296円 / VTCL-35270
- 収録曲
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- LOVE MEN HOLIC
- Gray Blaze
- LOVE MEN HOLIC(Instrumental ver.)
- Gray Blaze(Instrumental ver.)
- 西沢幸奏(ニシザワシエナ)
- 1997年2月23日、埼玉県生まれのアーティスト。中学時代に父が使用していたギターを手にしたことをきっかけに音楽にのめり込み、2014年に行われた「第1回フライングドッグオーディション」でグランプリを獲得した。2015年2月にテレビアニメ「艦隊これくしょん -艦これ-」のエンディングテーマ「吹雪」をリリース。17歳でCDデビューを果たし、注目を集める。2017年3月には1stアルバム「Break Your Fate」を発表。4月に東京・赤坂BLITZで初のワンマンライブ「1st LIVE “Break Your Fate”」を開催し、7月より初のツアー「SHIENA NISHIZAWA LIVE TOUR」で全国12カ所へ。12月に東京・下北沢GARDENでファンクラブイベント「Shiena Nishizawa LIVE 2017 supported by“Face to Face”」を行った。2018年2月にアニメ「ラーメン大好き小泉さん」のエンディングテーマ「LOVE MEN HOLIC」をシングルリリース。エネルギッシュなパフォーマンス、そしてロックからバラードまでを歌いこなす高い表現力で多くのリスナーを引き付けている。