ナタリー PowerPush - 日本マドンナ
リスナーを目覚めさせる爆弾「バンドやめろ」
怒って、立ち直って、生きていく
──心を動かされる音楽は少ないですか?
あんな うん。もちろん、カッコいいと思う人もいるけど、「なんでこれが人気あるんだろう?」って思う人も多い。
──対バンとか大変なんじゃない?
あんな イラつくのはいっぱいいる。対バン相手とあまり仲良くなったことがなくて。
さとこ あんまりしゃべらないよね。
まりな あんまり話しかけてももらえないし。
──近寄るなみたいなオーラを出してるからじゃないの?
まりな いや、オープンマインドではあるんですよ?(笑)
あんな でも、それでいいよね。
──曲も怒りから生まれることが多いですか?
あんな 曲ができるのは、ほとんど怒りからですね。怒って、立ち直って、生きていくみたいな。どうやって生きていこう?って思ったときにその山がないとダメだと思っていて。
──どんなことに怒りを感じることが多いですか?
あんな 理不尽なこと、筋が通ってないこと。それは人付き合いでもそうだし。
──学校生活とか。
あんな 学校ではすごい感じてましたね。先生とかクラスメイトに対して。
──虚無感が漂っている曲も少なくない。
あんな うん、虚無感も超ある。
──嘘に対する嫌悪感もすごく強いでしょう?
あんな うん、すごく強い。昔から人とうまく付き合えない感じがあって。嘘で幸せになるものってたくさんあるじゃないですか。それがダメで。なら、嘘でも、つらいことでも、受け止めながら生きていくほうが私はいいなと思うから。
よくわかんねえな
──それと、人間味が欠如したものを許せない感じがあるよね。
あんな そう、ダメですね。だから、村上春樹もダメ。あの人の雰囲気重視みたいな感じがすごく嫌いで。それで「卒業制作」というアルバムで「村上春樹つまらない」という曲を書いたんです。最初は好きだったんだけどね。
まりな 本を持ち歩いてたもんね。村上春樹が好きなんだなあと思っていたら、ある日、ライブのステージで春樹の本を読み始めて。次の瞬間に「つまんねーんだよ!」って破き始めたんですよ。「ああ、嫌いになっちゃたんだ!」と思って(笑)。
あんな 本を読んでるうちにムカついてきちゃって。こいつとは一緒にご飯食べにいけないな、って(笑)。音楽でも雰囲気だけでカッコいいと言われるものが多いじゃないですか。まるで中身がないのに。そういうものを気持ち悪いって思う。
──でも、村上春樹という小説家は、時代の空気とか人間の本質を突く物語を生む代表格でもあると思うんだけど。そう思われていることにも違和感を覚える?
あんな うん。よくわかんねえな、みたいな。気取った文章書きやがって、って思う。「ノルウェイの森」とかも精神病の彼女が出てきて、それを美しい方向に持っていこうとするのがヤで。
──もっとストレートにその人間を見せろ、と?
あんな そう。
日本マドンナ「バンドやめろ」発売記念ツアー
2012年7月5日(木)愛知県 名古屋CLUB ROCK'N'ROLL
OPEN 18:30 / START 19:00
<出演者>
日本マドンナ / THE 抱きしめるズ / ファンシーマルコポーロ(オープニングアクト)
2012年7月6日(金)大阪府 十三FANDANGO
OPEN 18:30 / START 19:00
<出演者>
日本マドンナ / THE 抱きしめるズ
2012年7月19日(木)東京都 新宿red cloth
OPEN 18:30 / START 19:00
※ワンマンライブ
料金:全公演前売2000円 / 当日2500円(各公演ともドリンク代別途要)
日本マドンナ(にっぽんまどんな)
あんな(Vo, B)、まりな(G)、さとこ(Dr)の3人からなるロックバンド。2009年3月に高校生だった3人が出会い、バンドを結成する。直後から精力的なライブ活動を展開し、同年開催のアマチュアアーティストコンテスト「RO69JACK 09/10」で優勝。年末の「COUNTDOWN JAPAN 09/10」に出演を果たした。2010年7月、初の全国流通音源であるミニアルバム「卒業制作」をリリース。2011年1月の2ndミニアルバム「月経前症候群~PMS~」を経て、2012年6月に3rdミニアルバム「バンドやめろ」を発表。反骨精神と初期衝動あふれる歌詞、荒々しいガレージサウンド、エネルギッシュなライブで人気を獲得している。