代々木公園でみんなで歌った

──あんなさんは、ずっとバンドを組みたいと思っていたんですか？

あんな　いや、別にバンドを組みたいとは思ってなくて。まりなのギターが好きで、彼女と絶対に一緒にやりたいなと思ったほうが先ですね。もともと性格的にバンドは性に合わないと思っていたんですけど、彼女となら一緒にやりたいなと思って。まりなは曲も書いていたんですよ。その曲も大好きで。「学校燃えろ」とか。

さとこ　「妊娠疑惑」とかね（笑）。

──日本マドンナにも通じるタイトルだね（笑）。

あんな　そこは彼女から影響を受けてますね。で「ドラムどうする？」って話になって、まりながさとこを誘ってくれて。

さとこ　私は、まりなから「一緒にやらない？」ってメールが来たときに「マジですか！？」って感じでした。私もまりなのやっていたバンドがすごく好きだったから、誘われてうれしかった。そこで、あんなとはじめて会って。

──すぐに意気投合した？

さとこ　うん。いきなり路上で歌ったよね。

あんな　代々木公園でみんなで歌ったんだよね。まりなの曲を歌ったり、私の曲を歌ったり。

まりな　そのときあんなが日本マドンナでやる曲を持ってきて、聴かせてくれたんだよ。

あんな　あ、そうか。

さとこ　そう。「畜生」とか。

まりな　後日スタジオで合わせて、オケを録ってそのままdisk unionに持っていって。

──すげえ勢いだな。

あんな　うん。みんなすごい勢いで「やろう！ やろう！」ってなってた。とにかくライブがしたくて。「ライブやらせてください！」っていろんなライブハウスに音源を渡しにいって。

芯のない人はクズ

──まりなさんは前のバンドでは曲を書いていたということだけど、日本マドンナではあんなさんに任せようと思ったんだ？

まりな　あんなにはかなわないと思って、曲を作るのやめました。

──どんなところにかなわないと思ったの？

まりな　見てのとおり存在感もすごくて、歌い方も独特で。最初に「畜生」を聴いたときにとにかくすごいなあと思って。私がやっていたバンドはあんまり歌を重んじてなくて、お客さんを楽しませればいいみたいなバンドだったんですけど、あんなの曲は歌がすごく強くて。ショックを受けましたね。それ以来曲を作れなくなって。

──悔しくもあった？

まりな　最初はすごく悔しくて。でも、絶対にかなわないと思ったから。

あんな　どうしよう、恥ずかしい。がんばるよー！

──この3人でどういう音を鳴らしたいと思ったんですか？

まりな　そんなの考えてないですよ。やりたいようにやってたら、周りがパンクロックとか言い出したんですけど。

あんな　そうそう。

──じゃあ、これまでどういう音楽を聴いてきたんですか？

あんな　いちばん好きなのは、中島みゆき。最近は井上陽水とか。ヒロトとマーシー、戸川純、スターリンはみんな好きで。あと、エレファントカシマシも大好きです。

──みんな自分の音楽を貫いてる人たちですね。

あんな　そう、芯のある人が好き。芯がなくて、ただ音を鳴らすだけの音楽は好きじゃない。そこに関して3人とも趣味が合うんです。

──自分たちもそういうバンドでありたいと。

あんな　そう。芯を大事にしたい。芯のない人は、ダメ。クズ。