大きな会場でのライブ鑑賞で活躍する双眼鏡。しかし双眼鏡とひと口に言っても種類はさまざまで、どんな双眼鏡を選んでいいのかわからない人も多いはず。そこで音楽ナタリーでは、Nikonから発売されたコンパクトサイズの双眼鏡のうち、コンパクトな外観ながら迫力あるクリアな視界が広がるMONARCH 7シリーズの8x30タイプと8x42タイプ、8倍から24倍までのシームレスなズーム調整が可能なNikon ACULON T11 8-24x25に注目。この3機種の使用感を確かめるべく、大のアイドルファンでアイドルへの楽曲提供も多いヒャダインに、Juice=Juiceが10月29日に行った東京・日本武道館ワンマンライブ「Juice=Juice LIVE 2018 at NIPPON BUDOKAN TRIANGROOOVE」を鑑賞してもらった。
取材・文 / 臼杵成晃 撮影 / 武田真由子
アイドルヲタ全員に勧めたい
──今回はMONARCH 7の8x42と8x30、無段階変倍が可能な3倍ズームのACULON T11 8-24x25を試していただきましたが、とりわけ8x42のMONARCH 7がお気に入りのようでしたね。
ほぼこれで観ちゃいましたね。最初に覗いたときは衝撃的でした。「なんだこのクリアな視界は!」って。めっちゃ明るかったし、細かいところまではっきり見える。初めてコンタクトを付けたとき、初めて水の中を水中メガネで覗いたときの気分を思い出しました。世界が広がる感じ。よどみがないし、目も疲れないし。
──双眼鏡と言うとなんとなく目に負担がかかる印象があったんですけど、確かにMONARCH 7はずっと覗いていても疲れないのが印象的でした。
そうなんですよ。オペラグラスとかは目が疲れる印象があったんだけど、これ(MONARCH 7 8x42)はずっと観てないともったいない気がして。例えばDVDやBlu-rayのサービス映像で1人のメンバーを追ったものなんてありますけど、あれも自分が観たい映像じゃないんだなと。自分が観たいときに観たい場面を観る自由さ。羽根が生えたみたいでしたね。近くで観たければサービス映像を観ればいいと思っていたし、双眼鏡はボヤけて見える印象があったから、だったら肉眼で観たほうがいいと思っていたんです。けど今日は……ビッグバンでしたね。双眼鏡への印象が大きく変わりました。
──オペラグラスの印象で考えると大きく違いましたね。
友達のアイドルヲタ全員に勧めたいです。これは体験してもらえればわかる。歌ってない場面……ハロプロのアイドルはそこが特にすごいんです。自分が歌っていない、映っていない場面でも絶対に気を抜かない。バックで踊っている研修生、今回は新しく結成されたBEYOOOOONDSがバックを務めていましたけど、どんなに隅っこのほうで踊っているときも気を抜かないんです。それがMONARCH 7を使うとしっかりキャッチできるんで。
──そういう場面は大きい会場では肉眼だと伝わらないし、大きなスクリーンが用意されていてもなかなか抜かれないシーンですよね。
ええ。サービス映像のソロショットも、あくまで他人の視点でしかなかったんだなと。あと驚いたのが、デベソ(メインステージから花道でつながるアリーナ中央のサブステージ)にメンバーが移動してきたときも、細かい調整をしなくてもすぐにピントが合うんですよ。
──深度が深いというのもあるんですけど、実は人間の目がある程度自動的に調節しているそうなんですよ。
へえー! 人間の目ってすごいですね。
涙もセクシーもつぶさに確認
──今日のライブで、双眼鏡を使ったからこその発見や印象的な場面、気になったところなどをいくつか挙げてもらえますか?
終盤の「Goal~明日はあっちだよ~」で、「信じていれば叶うって君と青空に願ってここまで来れたのよ」と歌うときに感極まって涙ぐむ段原瑠々さん。あの場面はカメラ抜いてなかったんですよ。僕は「あれ、瑠々ちゃんの様子がおかしいな」と思って、ずっと瑠々ちゃんだけ観てたんです(笑)。そしたら「あらららららら」って。ハロプロ研修生の時代からいろんな努力をしてきて、まさに「ここまで来れたのよ」と実感したんでしょうね。誰に見せるわけでもない涙を、僕に見せたんですよ。
──あはははは(笑)。サブステージまで出てきたときは、スタンド席前方だとMONARCH 7を使うと本当に目の前にいるような感じがするので、たぶんメンバーはまっすぐ前を観てるだけだと思うんですけど、目を合わせられているようで若干照れるぐらいですよね。
僕なんかはただただ「目が合った! ラッキー!」と思いますけど。あと「Fiesta! Fiesta!」で(宮本)佳林ちゃんのソロのときかな? 横のほうで瑠々ちゃんとかなとも(金澤朋子)の絡みがあって。かなともの足を瑠々ちゃんが触るような場面があって、それがすごくセクシーに見えたんです。「こんな振り付けがあったのか」と思いながら、じーっと観ちゃいましたね(笑)。それぞれの表情はもちろん観ました。同じ振り付けでも1番と2番で別の子を観たり、表現の違いを確認しました。あと、これまた瑠々ちゃんで……あーりー(植村あかり)がふざけて瑠々ちゃんを抱きかかえてぐるぐる回している姿が、とても仲睦まじくて。いい光景でしたね。あともう1つ、最後のMCで稲場愛香さんが話しているとき、一番右で金澤朋子さんが泣いてたんですよ。
──稲場さん本人ではなく、金澤さんが。
ええ。つぶさに発見しました。なぜなら僕にはこのMONARCH 7があったから(笑)。この距離(目の前を指す動作)で泣いていた。どんなVRよりもすごい体験ですよ。特別なものを見ているような感じもありましたね。GAMのカバー「メロディーズ」を歌っていた植村あかりさんのきれいな足がアップで……サービス映像にも足のアップは入らないと思いますけど、僕のNikonのサービス映像には映るんです(笑)。普通にライブに来ても観られないアップの視界をずっと楽しめましたよ。「Fiesta! Fiesta!」では目の前に炎が上がって焼けるかと思いました。
──熱が伝わるほど近くに感じましたし、メンバーと炎の距離感もわかって驚きました。
そうそう。「こんなに炎の近くで歌ってるんだ!」って。
ズーム機能付き「ACULON T11」はアリーナ対応
──ズーム機能の付いたACULON T11 8-24x25はいかがでしたか? 武道館の1階スタンドではポテンシャルとして手に余る感じもありましたけど。
こちらはさいたまスーパーアリーナあたりの大きい会場だと大活躍でしょうね。さいたまスーパーアリーナは何も見えないもん。映像鑑賞会ですもん。もちろん今まではそれでよかったんですよ。さいたまスーパーアリーナでのライブは、大きなスクリーンの映像を、ファンの熱気と一体感を味わいながら観るものだったから。ズームが付いてると操作が難しいかなと思っていたんですけど、めっちゃシンプル。片手で操作しながら合わせられるので、操作はすぐに慣れました。ズームのサイズ変更がスライド式なのもいいですね。カチッ、カチッと切り替えるんじゃなく、シームレスに調整できる。これは大バコでもう一度試してみたいなあ。
──武道館の2階席最上段まで上がって確認してみましたけど、それでも近すぎるぐらいだったので、横に長いアリーナ会場だとさらに効果を発揮しそうですね。
ステージに近いアリーナで観るのがライブ鑑賞の上位だと思っていたけど、あえて2階席、3階席でライブを楽しむのもアリなんだなと気付きましたね。これね、悔しいですよ。それを知っててやってた人がいたわけでしょ? なんでわざわざ前方のアリーナじゃなく後ろの指定席を取ってるんだろうと思ってましたけど、肉眼で全体像を把握しながら双眼鏡で推しを観るという公式に許された楽しみを、僕は今まで知らなかった。
──「ライブは近ければ近いほどいい」という概念が覆されたと。
完全に覆されたビッグバンでしたね。
次のページ »
好きをもっと好きにさせるアイテム
- MONARCH 7 8x30
-
希望小売価格
税込 48600円
-
専用ケース・ストラップ付き
フリップダウン式対物レンズキャップ付き
倍率:8倍
実視界:8.3°
見掛け視界:60.3°
質量:435g
眼幅調整範囲:56~72mm
接眼目当て:クリック付きターンスライド方式
- MONARCH 7 8x42
-
希望小売価格
税込 59400円
-
専用ケース・ストラップ付き
倍率:8倍
実視界:8.0°
見掛け視界:58.4°
質量:650g
眼幅調整範囲:56~72mm
接眼目当て:クリック付きターンスライド方式
- Nikon ACULON T11 8-24x25
-
希望小売価格
オープンプライス
-
倍率:8~24倍
実視界(8倍時):4.6°
見掛け視界:35.6°
質量:305g
眼幅調整範囲:56~72mm
接眼目当て:ターンスライド方式
カラーバリエーション:ブルー / ホワイト / ブラック / レッド
- ヒャダイン
- 1980年生まれの音楽クリエイター。本名は前山田健一。3歳でピアノを始め、作詞・作曲・編曲を独学で身につける。京都大学卒業後、2007年に本格的な音楽活動を開始。前山田健一として倖田來未×misono「It's all Love!」、東方神起「Share The World」などのヒット曲を手がける一方、ニコニコ動画などの動画投稿サイトに匿名の「ヒャダイン」名義で作品を発表し大きな話題を集めた。2010年5月には自身のブログにてヒャダイン=前山田健一であることを告白。その後もヒット曲を量産し、2011年4月にシングル「ヒャダインのカカカタ☆カタオモイ-C」でヒャダインとしてメジャーデビューを果たし、2012年11月には初のソロアルバム「20112012」をリリース。以降もハロプロ・オールスターズ、Juice=Juice、SMAP、関ジャニ∞、Kis-My-Ft2、スフィア、超特急、たこやきレインボー、でんぱ組.inc、郷ひろみ、椎名林檎ほか多彩なアーティストの作品を手がけているほか、テレビ朝日系「関ジャム 完全燃SHOW」などさまざまな番組に出演している。
- Juice=Juice(ジュースジュース)
- 2013年2月3日、「Hello! Project誕生15周年記念ライブ2013冬」の福岡公演にてハロプロ研修生内の新ユニットとして結成された女性アイドルグループ。グループ名には「採れたて」「もぎたて」「新鮮」「天然」「100%」で「しぼりたて」というように、いつまでもフレッシュで個性の詰まったグループになってほしいという願いが込められている。同年3月2日の「Hello! Project 春の大感謝祭 ひな祭りフェスティバル 2013」にて1stインディーズシングル「私が言う前に抱きしめなきゃね」を初披露。同年9月にシングル「ロマンスの途中 / 私が言う前に抱きしめなきゃね(MEMORIAL EDIT) / 五月雨美女がさ乱れる(MEMORIAL EDIT)」でメジャーデビューを果たす。同年11月、「第55回輝く!日本レコード大賞」の新人賞を受賞。2015年7月に1stアルバム「First Squeeze!」を発表した。2017年6月にカントリー・ガールズの梁川奈々美とハロプロ研修生の段原瑠々が、2018年6月に元カントリー・ガールズの稲場愛香が加入して8人編成となった。2019年2月にはニューシングル「微炭酸 / ポツリと / Good bye & Good luck!」を発表。3月には梁川が、春に開催予定のツアーをもって宮崎由加がグループを卒業する。