音楽ナタリー PowerPush - ニコナタ(音楽)小林幸子×武田晃1等陸佐(陸上自衛隊中央音楽隊隊長)対談

すべては音楽のために

航空中央音楽隊指揮者・五味渕敦2等空尉メールインタビュー

小林、陸上自衛隊中央音楽隊と並んで「超音楽祭2015」出演陣の中でも大きな注目の的となっている航空中央音楽隊。その名の通り、航空自衛隊所属の吹奏楽団なのだが、対談中の武田一等陸佐が指摘するように、果たしてどういう楽団なのかご存じない読者も多いことだろう。そこでここでは航空中央音楽隊で指揮者・五味渕敦2等空尉のメールインタビューを実施。来たるべき「超音楽祭」に備えて、その横顔と当日の演目についてチェックしてみてほしい。

小説のモデルにもなった国民と自衛隊の架け橋

──航空中央音楽隊の成り立ちと活動について教えてください。

航空中央音楽隊指揮者・五味渕敦演奏幹部 2等空尉

航空中央音楽隊は1961年「航空音楽隊」として東京都立川市で発足し、1982年「航空中央音楽隊」となり防衛大臣直轄の音楽隊として、防衛省の式典及び各地での演奏会など年間約100回の演奏活動を行っています。これまで東京オリンピックや今上天皇即位の礼など、数多くの国家行事及び国際イベントに参加しています。

そして1992年に世界の優秀な軍楽隊に贈られる「ジョージS.ハワード大佐顕彰優秀軍楽隊賞」をアジアで初めて受賞し、1995年には静岡県浜松市で行われた世界吹奏楽大会(WASBE)に出演しました。1999年には自衛隊音楽隊として初めて、カナダ・ハリファックス市で開催された世界の軍楽隊の祭典「第20回ノバスコシア国際タットゥー」に参加するとともに、アメリカ合衆国ワシントンD.C.においてアメリカ空軍軍楽隊との共演、また2006年には大韓民国で開催された「2006ウォンジュ国際タットゥー」にも参加し好評を博しました。

国内においては、定期演奏会、ファミリーコンサートをはじめ各種演奏会を行うとともに、幅広いジャンルのCD制作にも意欲的に取り組んでいます。また福田和代さんの小説「碧空のカノン」(光文社出版)のモデルにもなりました。

吹奏楽のあらゆる可能性を追求し、さまざまな分野の演奏に挑戦するとともに、航空自衛隊ならではの機動力を生かし、国民と自衛隊の架け橋として活動しています。

「超音楽祭」ではアニソン&ゲームミュージックを

──今年、航空中央音楽隊が「超音楽祭」に出演することになったのはなぜなんでしょう?

前回の「ニコニコ超会議2014」には、陸上自衛隊が最新戦闘ヘリ・AH-64Dアパッチ・ロングボウの展示及びパイロット同士の対談、並びに中央音楽隊の演奏で、また海上自衛隊が「護衛艦しまかぜ」の体験コーナーで参加していました。そして今回の「ニコニコ超会議2015」には、航空自衛隊からも地対空誘導弾ペトリオットシステム発射機を展示することが予定されており、航空中央音楽隊も広報活動として演奏で参加することとなりました。

──五味渕さんはニコニコ動画にどのような印象をお持ちですか?

動画にコメントできるという点で、視聴者と発信者の距離が近く、相互にコミュニケーションをとりながら参加者皆で盛り上げているサイトだと思います。

──そしてそのニコニコ動画ユーザーの前でプレイする今年の「超音楽祭」はどのようなステージになりそうですか?

吹奏楽用にアレンジされたテレビアニメ及びゲームで使われている主題歌、挿入曲などを航空中央音楽隊独自のサウンドでお楽しみください。

ニコニコ超会議2015

ニコニコ超会議2015

開催期間

2015年4月25日(土)、4月26日(日)

会場

幕張メッセ国際展示場1~11ホール、イベントホール

超音楽祭2015
4月25日(土)出演者

アイドルマスター / 藍井エイル / アップアップガールズ(仮)/ 妖~AYAKASHI~ / 仮面ライアー217 / GARNiDELiA / ℃-ute / Gero / 超特急 / バーレスクTOKYO / 藤巻亮太(レミオロメン)/ まじ娘 / 松岡充 / みうめ / むすめん。 / ROOT FIVE / REVALCY / 古坂大魔王

4月26日(日)出演者

アルスマグナ / __(アンダーバー)/ OxT(オーイシマサヨシxTom-H@ck)/ kain / 黒崎真音 / 航空中央音楽隊 / 小林幸子 / ZAQ / Juice=Juice / SUPER☆GiRLS / でんぱ組.inc / 9nine / 松下 / RAB(リアルアキバボーイズ)/ 陸上自衛隊中央音楽隊 / 古坂大魔王

小林幸子(コバヤシサチコ)

小林幸子

1953年生まれの女性ボーカリスト。1963年、9歳で作曲家古賀政男に師事し、1964年シングル「ウソツキ鴎」でデビュー。同曲が20万枚の大ヒットを記録する。1979年1月リリースの「おもいで酒」が200万枚を超えるセールスを記録し、同年末「NHK紅白歌合戦」に初出場を果たす。以来「もしかして」「雪椿」「越後絶唱」などヒット曲の数々を引っさげ、現在までに同番組に33回出演し、1980年代末頃からはステージ演出にも注力。NHKホールのステージをフル活用した舞台装置と衣装が年末の風物詩のひとつと目されるようになる。他方、コメディやバラエティ番組、テレビドラマなどにも出演。また「ポケットモンスター」シリーズ初の劇場用作品「ミュウツーの逆襲」の主題歌を歌ったほか「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル」では主題歌を担当すると同時に声優として登場するなど、その多岐にわたる活動を通じて幅広い年齢層の人気を獲得する。さらに2012年、ニコニコ生放送「小林幸子降臨!『茨の木』夢は捨てずに生放送」「ニコニコ大忘年会2012 in nicofarre」に登場。2013年には歌ってみた動画「ぼくとわたしとニコニコ動画を夏感満載で歌ってみた」を投稿するなどニコニコ動画を積極的に活用。ネットユーザーの多大な人気を集めている。そして2014年4月には千葉・幕張メッセでの「ニコニコ超会議2014」内の音楽系ステージイベント「ニコニコ超パーティーIII」に出演し、2015年4月の同所での「超音楽祭2015」にも登場する。


2015年5月29日更新