楽曲解説をやりたい！

──ちなみに「もってけ！セーラーふく」を“弾いてみた”理由は？

特に強い理由があったわけじゃないんですけど、最初は知ってる人が多い曲、アニソンがいいだろうなと思ったんですよね。僕自身アニメが好きっていうのもあるし。「もってけ！セーラーふく」ってギターのアレンジも実験できる曲だし。いつも僕、レコーディング中にフレーズ作りで迷うんですよ。その曲に合うフレーズがたくさん浮かびすぎるというか。で、そのフレーズをニコ動で試してみたいっていう思いもありましたね。今回は完コピ+αみたいな感じでイメージしてやったんですが……って、実際に完コピはできてないんですけど（笑）。

──アップされた動画にはコメントがたくさん付きましたが、ご覧になりましたか？

70万回再生されたというときに見ました。

──ご自分では、HISASHIの名前で動画をアップしたらどんな反応が来ると思いましたか？ コメントには「GLAYっぽいフレーズ」といったものもありましたが。

うーん。何も想像つかなかったですね。自分が弾いてる音を聴いて、GLAYっぽいとも思わなかったし、アレンジでもバンドを意識はしなかったし。あくまでも個人的な趣味として、皆さんと同じような感覚で“弾いてみた”って感じなんです。

──映像はどこで撮影されたんですか？

自宅のスタジオです。でも機材は凝ってなくて、録画も録音もiPhoneなんですよ。アップロードするのに圧縮しなきゃいけないから、最初から容量をコンパクトにしておこうと思って。撮った動画はiMovieで、音声はPro Toolsで編集してっていう形でしたね。1点だけこだわったとすれば、コメントにもあった「ピッキングの音が聞こえる」っていうところ。ここが一番ライブ音源やスタジオレコーディングの音源とは違うでしょうね。ラインで取り込んだ音源と、iPhoneで録った音源をあとでミックスして、ピッキングの音を強調したんです。あえてそこを見せたい、聴かせたいっていうのがあって。

──それによってより“弾いてみた”感が出た気もします。次は何をカバーするのか期待する声も上がってると思いますが。

はい（笑）。アニメソングをカバーしてほしいって声もあるし、ボカロ曲をリクエストされたりもするし。でもね、あんまり頻繁にやっても面白くないと思うので、不定期でやっていきたいなと思ってます。

──では次回作を聴けるのはだいぶ先に？

いや、実は今いろんなところにオファーしてて……。過去2回とはまったく違うアプローチの作品をそのうちアップする予定です。

──それはすごく気になります。ちなみにHISASHIさんは、ときどきニコニコ生放送で突発的にトークを配信してますよね。

そうですね（笑）。すごくゆるい感じで。

──テレビやラジオで話すときの違いはありますか？

ありますね。まずニコ生って、配信しながらリスナーの反応がすぐわかるじゃないですか。そこが本当に面白いなって。だからリスナーに質問して意見を聞いたりもするし。あとやっぱり素が出ますね。それはラジオやインタビューでも一緒ですけど。考えて練り上げた文章より、誰かと話す中でだったり、その場その場で考えて話しているほうが、思ってもみなかった“自分”を発見できるんですよね。

──HISASHIさんがハマってるニコ動のジャンルってありますか？

昔から機材を紹介してる動画はずーっと観ちゃうんですよ。楽器屋さんだったり機材マニアの人が配信してるんだけど、面白くて。自分の仕事絡みもあるんですけどね。新しい機能を発見できたり、使い方を学んだりできるし。

──GLAYの曲を「歌ってみた」「弾いてみた」といった動画を観たりは？

あえて観ないようしてます（笑）。たまに観るんですけど、個人的にはもっと自由にやっていいと思うんですよ。コピーするんじゃなくて、GLAYの曲を思いっきりリアレンジして遊んでみてほしい。

──今後ニコ動やニコ生でやってみたいことはありますか？

楽曲解説を動画付きでやってみたいです。どういう音が入ってこういうミックスになるのかを説明したり、パラデータを公開してみたり。Nine Inch Nailsもこの前、マルチトラックデータを公開してたじゃないですか。GLAYの音の裏側を見せることで、音楽を作ってる人も反応してくれるんじゃないかなと思ってます。

──それこそ先ほどHISASHIさんがおっしゃってた、ファン以外の人にもアプローチする手段だと。

そうですね。普段は見えない、聞こえないところもあえて出してみたいっていう欲があるんですよね。いろんな曲をカバーして、ユーザーの反応も見てみたいし。ニコ動で実験したいことはたくさんあります。

──初心者にオススメしたい、HISASHIさんならではのニコ動の楽しみ方ってありますか？

まずは再生数の多いものを観ていくのが正しいんじゃないかな（笑）。プロ顔負けの映像を作ってる人もいますから、それを観てるだけで面白いですよ。あとは膨大なコンテンツがある中で、自分の趣味に合うものが出てくるまで発掘していってほしいですね。

──GLAYはもちろんですが、今後も“うp主”そして“生主”としてのHISASHIさんの活躍にも期待してます！

はい！ ありがとうございます！