音楽ナタリー PowerPush - NICO Touches the Walls

初アコースティック盤発売記念! メンバー全曲解説

04. 天地ガエシ

光村 そもそもデモがカントリーバラードみたいな雰囲気だったんですよ。オリジナルに比べてテンポも落としてるんで、デモと近い感じがありますね。歌詞やメロディの切なさが際立つ感じにアレンジできたかなと。

坂倉心悟(B)

坂倉 これは「牧場感」をテーマにアレンジしたんですよね。のどかなイメージというか。あとこの曲のレコーディング中、BPMが1違うだけで曲の雰囲気が変わることを発見して。最初はテンポを落としたバージョンでいいグルーヴが生まれなくて、かなり苦労したんです。対馬くんのアドバイスで、1回思いっきり遅いテンポで弾いてから、今のテンポに戻して。試行錯誤の末にこの形に収まりました。

対馬 ライブではモッシュが起こるタイプの曲なんですけど、いいメロディと歌詞が魅力の“いい曲”でもあるんですよね。その部分もメンバーみんな好きだったし、それを押し出したアレンジにできたかなと。

古村 エレキで弾くときとは雰囲気とか後味が全然違うんですよね。アコースティックアレンジにすることで楽しい感じも出たし、コーラスによって奥行きも出たと思います。ただ俺的にはそのコーラスが大変で……。

光村 アコースティックバージョンのコーラスはフルくんと対馬が2人でやってるんで、ライブのときは要チェックですね。フルくんは絶対梅干し食ってるような顔してますから(笑)。

05. 夢1号

光村 これは原曲に比べてかなりテンポを上げました。もともとこんなに速いテンポで歌うことを想定してなかったので、いろいろ模索して。ちょっとスウィングする歌い方がこの曲に合うだろうなと思って、このアレンジに着地したんですけど。気分はピアノに肩肘ついてマイクから少し離れて歌ってる感じ。ジャズシンガーのイメージですね。片手にはブランデーとか。

坂倉 いつかそのスタイルで歌ってもらいましょうか(笑)。

対馬 これはただテンポを上げるんじゃなくて、風通しのいいアレンジを意識しました。それとこういうタイプの曲のアレンジをこれまでやってこなかったから、リズムに丁寧に抑揚を付けました。そこは難しいながらもやるのが楽しくて。また新しい「夢1号」が生まれたと思います。

坂倉 試行錯誤の末、結果かなりオシャレになって。俺的にはリズムが7拍子と8拍子を行き来してるのがポイントです。

対馬 まあ、一番大変だったのはみっちゃんの歌とフルのコーラスだろうね。

古村 俺、どんな顔して歌ってた?

光村 青汁を飲んだあとみたいな顔だった。

対馬 すごい大変そうなのに、終わると「ヤバイ、もう1回」つって何度も歌ってた(笑)。

06. ホログラム

光村 オリジナルからかなり雰囲気が変化した1曲ですね。自分で言うのもあれですけどなかなかいいメロディなんですよね。ライブではクライマックスの火付け役みたいな1曲なんで、メロディよりはバンドのグルーヴだったり、勢いのあるサウンドに耳が持っていかれがちなんです。でも今回はメロディをちゃんと聴かせる形にしたかったんで、そこを際立たせるようにテンポを落としてアレンジしていきました。今回のアコースティックバージョンでは曲のアザーサイドが出せたかなと。

対馬 僕もみっちゃんと一緒ですね。オリジナルとのギャップに一番びっくりするんじゃないかなと。俺ね、この曲のコーラスを歌ってるときになんかエロくなるんですよ。

古村大介(G)

光村坂倉古村 うははははは(笑)。

対馬 なんか目をつぶっちゃうんですよ。

古村 俺は対馬のコーラスを聴いてると、対馬が誰かを口説いてる場面が浮かびますね。“口説き顔”というか。

坂倉 (笑)。僕、録り終わったあとにアルバムの中で一番いいなあって思ったんです。オリジナルにはない儚さが出てて、隙間がすごい似合う曲になったなと。ちなみにこの曲では僕ベースじゃなくてタンバリン叩いてるんですけど、それがすごいいい仕上がりで。

光村 じゃあ、坂倉これからタンバリン専任!(笑)

坂倉 違う違う! このアレンジ限定!

07. 芽

光村 この曲も原曲からだいぶテンポを遅くしましたね。裏話をすると「夢1号」のBPMが速くなったのは、「ホログラム」と「芽」のダウンテンポなアレンジがあったからなんです。録り始める前に曲順を決めてたんで、アルバム全体のバランスを考えながら相対的にアレンジを作っていったんです。アコースティックバージョンは、楽器がより“歌ってる”アレンジになりましたね。ドラムもベースもギターもすごい歌ってて、聴いてて気持ちいいなあと。特に間奏で坂倉が弾いてるベースと、僕の歌声がユニゾンしてる部分がレコーディングしてるときにグッときましたね。ゆったりしたテンポだからだと思いますけど、楽曲のスケール感がより大きくなってる。

坂倉 この曲はフレットレスベースを使ってるんですよ。指をスライドさせたときに音の立ち上がりが早いんで滑らかな音になるし、すごくベースが歌ってくれる。フレットレスを初めてレコーディングで弾くことになったんで、相当練習しましたけど。

対馬 個人的にはこの曲はすごい難しかったですね。こんなにスローテンポで、隙間の空いた曲を叩いたことがなかったんで。そもそも俺がバラードを叩くのが苦手ってのがあるんですけど……。バラード曲のリズムって一番芸術点を求められるんですよ。だから音作りに時間をかけて、なんとか納得できるリズムを叩きました。

古村 この曲はアルペジオを弾いててすごい気持ちいいですね。ギターだけ聴いてても気持ちいいと思います。

ニューアルバム「Howdy!! We are ACO Touches the Walls」2015年2月4日発売 / Ki/oon Music
初回限定盤 [CD+DVD] 3960円 / KSCL-2543~4 / Amazon.co.jp
通常盤 [CD] 2880円 / KSCL-2545 / Amazon.co.jp
アナログ盤 / 3960円 / KSJL-6179~80 / Amazon.co.jp
ハイレゾ版も配信中! / mora
CD収録曲
  1. 口笛吹いて、こんにちは
  2. 手をたたけ
  3. THE BUNGY
  4. 天地ガエシ
  5. 夢1号
  6. ホログラム
  7. Diver
  8. Broken Youth
  9. ニワカ雨ニモ負ケズ
  10. バイシクル
初回限定盤DVD収録内容
  • 口笛吹いて、こんにちは(アコタッチ)
  • バイシクル(アコタッチ)
  • 手をたたけ アコースティック
  • Lonesome ghost アコースティック
  • THE BUNGY アコースティック
  • Mr.ECHO (Acoustic ver.)
  • April (Acoustic ver.)
  • 夢1号 (Acoustic ver.)
  • ニワカ雨ニモ負ケズ Acoustic ver.
  • Diver Acoustic ver.
  • Broken Youth Acoustic ver.
ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ フェスト'15
  • 2015年2月24日(火)愛知県 DIAMOND HALL
    <出演者>
    NICO Touches the Walls / ストレイテナー
  • 2015年2月25日(水)大阪府 なんばHatch
    <出演者>
    NICO Touches the Walls / UNISON SQUARE GARDEN
  • 2015年3月5日(木)東京都 新木場STUDIO COAST
    <出演者>
    NICO Touches the Walls / [Alexandros]
NICO Touches the Walls TOUR 2015
  • 2015年5月21日(木)東京都 豊洲PIT
  • 2015年5月22日(金)静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
  • 2015年5月24日(日)福岡県 福岡市民会館
  • 2015年5月28日(木)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
  • 2015年5月30日(土)宮城県 Rensa
  • 2015年5月31日(日)青森県 青森Quarter
  • 2015年6月4日(木)高知県 X-pt.
  • 2015年6月6日(土)宮崎県 MIYAZAKI WEATHERKING
  • 2015年6月13日(土)大阪府 オリックス劇場
  • 2015年6月14日(日)大阪府 オリックス劇場
  • 2015年6月20日(土)富山県 MAIRO
  • 2015年6月21日(日)新潟県 新潟LOTS
  • 2015年6月27日(土)北海道 サッポロファクトリーホール
  • 2015年7月4日(土)愛知県 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
  • 2015年7月10日(金)兵庫県 神戸VARIT.
  • 2015年7月11日(土)広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
  • 2015年7月19日(日)東京都 東京国際フォーラム ホールA
NICO Touches the Walls(ニコタッチズザウォールズ)

NICO Touches the Walls

2004年4月に光村龍哉(Vo, G)、古村大介(G)、坂倉心悟(B)の3人で結成。同年7月に対馬祥太郎(Dr)が加入し、2005年から渋谷と千葉・柏を中心にライブ活動をスタートさせる。2007年11月にミニアルバム「How are you?」でメジャーデビューを果たし、2008年9月に1stフルアルバム「Who are you?」をリリース。2010年3月には初の日本武道館ワンマンライブを開催した。以降もコンスタントに作品を発表し、2013年2月に初のベストアルバム「ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ベスト」をリリースした。2014年8月には2度目となる日本武道館単独公演を大成功を収めた。2015年1月に過去2回の日本武道館単独公演の模様を映像化した作品をリリース。2月に新たな試みとなるアコースティックアルバム「Howdy!! We are ACO Touches the Walls」を発表した。