ギターが4本で鍵盤が1台なので、最初は「え、何するの!?」って
──それぞれシンガーソングライターとして活動していた5人が、どうして1つのユニットとして活動することになったんですか?
後河内 私とどりーちゃんのように、活動の中で偶然5人がつながった感じなんですけど、気付いたらみんな仲よくなってプライベートでも遊ぶ関係になっていたので、今思えば必然的に吸い寄せられたのかなとは思いますね。
伊藤 実際、この5人でユニットを組むっていうのは、みんながお世話になっていた方の提案だったんですけど、お話をいただいた瞬間、「わ、楽しそう!」って思えたしね。
どりー ただ、ギターが4本で鍵盤が1台っていう見たことのない形態だったので、最初は「え、何するの!?」みたいな感覚もありました。「4人でギターをジャカジャカやったら、タイミングがズレて大変なことになるやん!」みたいな。
CHISA 実際、最初は大変なことになってたしね。全然合わなくて(笑)。
どりー そうそう。でも、その中で「じゃ、次はこうやってみようか」みたいな試行錯誤をして、それがだんだん形になっていくのがすごく面白くなっていったところもあって。
──結成が2017年9月で、その半年後には東名阪でワンマンツアーをやられたんですよね?
伊藤 そうですね。そのときはカバー曲や、ソロの持ち曲をそれぞれがメドレーでやったりしてました。
後河内 1回1回のライブで見えた反省点に対してみんなで話し合いをして、次のライブをしっかり改善していくっていうことを積み重ねてきた感じですね。今でも過去のライブ映像を見直して、振り返ることはよくあるし。
──そうやって活動していく中で、名古屋ギター女子部として大事にすることが明確になっていった感じですか?
こんどう はい。私たちは全員が自分の感情を曲に落とし込むシンガーソングライターでもあるので、この5人で活動するにあたっても曲に対しての気持ちを大事にしていきたいなって思ったんです。女の子5人組という部分ではちょっとアイドル的な見方をされることもあるんですけど、でも私たちは泥臭いくらいの魂を込めて音楽を伝えていくんだっていう気持ちが強いんですよね。オリジナル曲はもちろん、カバー曲に関してもそういう気持ちで向き合っています。
──アコースティックサウンドが軸になっているので、歌がしっかり伝わってくるのが1つの大きな特徴になっていますよね。それに加えて、5人による多彩なコーラスワークも印象的でした。
CHISA 結成当初は全然コーラスを入れていなかったんですよ。単純に5人で歌い分けているだけで。でも活動を重ねていく中でどんどんコーラスが増えていったんです。5人全員がちゃんと歌えるからこそできることだと思うので、そこはこれからも生かしていきたいところではありますね。
名古屋ギター女子部を体験してもらうには、カバーをするのが一番の近道
──結成から2年後の2018年9月にはYouTube上に公式チャンネルを開設して、カバー動画を精力的にアップするようになりましたね。現在、チャンネル登録者数は約13万人、70本を超える動画がアップされています(参照:名古屋ギター女子部 | YouTube)。
後河内 結成当初はある種、部活っぽいイメージでやっていたところがあったんですよ。それぞれのソロ活動があくまでメインで、ギター女子部はサブというか。でも、活動を続けていく中で「この5人でメジャーデビューしたい!」っていう気持ちになっていったんですよね。
CHISA もっとたくさんの人たちに私たちの歌を聴いてほしいと思うようになったんです。そこでギター女子部とソロ活動への気持ちの比重が逆転したというか。
こんどう うん。で、もっと活動を活発化させた方がいいねっていうことで、YouTubeへの動画投稿を始めることにしたんです。この5人ならもっともっと面白いことができるはずだっていう確信もあったし。
──YouTubeにアップする動画に対しては何かこだわりはありますか?
CHISA こだわりはけっこうあります。画的なことで言うと、まずは曲に合った衣装と背景をみんなでじっくり考えるようにはしていますね。
こんどう みんなでGoogleマップ上を散歩しながら、「ここがいいんじゃない?」みたいなことを毎回しています。
──5人が横並びになっているところを引きの画で撮っているのも特徴ですよね。余計な演出がないシンプルな動画だからこそ、5人の演奏と歌のよさがしっかり伝わってくるなと。
どりー ありがとうございます! ギター女子部は5人がバッと横1列に並んだときのインパクトがけっこうあると思うんですよ。「なんじゃこりゃ!?」ってなる見た目だと思うので、それをしっかり見てもらえる画角にすることはけっこうこだわってますね。
CHISA その上で、おっしゃっていただいたようにシンプルな画だからこそ全員の声がしっかり聴こえてくるっていう。特に5人の声が合わさるとすごくいいって反応をいただくことも多いので、サビは全員で歌うことも意識していますね。
後河内 YouTubeだとコメントでいろんなことを教えてもらえるからすごくいいんですよ。
CHISA そうだね。コメントで指摘されたことを、次の動画で取り入れたりすることもけっこうありますし。
──では、ギター女子部としてさまざまな曲をカバーし続けることにはどんな意味があるんでしょう?
CHISA ジャンルにとらわれずいろんな曲をカバーすることで、音楽的な対応力も鍛えられると思うし、自分たち自身もすごく楽しいんですよね。
どりー あとは、皆さんが知っている有名な曲をカバーすることで、私たち5人にしかできない表現をしっかり感じ取ってもらうことができると思うんですよ。私たちにしかできない、まったく新しいギターアレンジ、コーラスワークを体験してもらうには、カバーをするのが一番の近道かなって。今回リリースするアルバムタイトルの意味でもあるんですけど、J-POPを私たちなりにリメイクして表現していく、“Re:POP(リポップ)”できることが私たちの1つの強みだと思うんですよね。