ナタリー PowerPush - New Acoustic Camp 2011
開催直前キーマンインタビュー
Permanents 田中和将&高野勲インタビュー
だだっぴろい部屋にポツンと2人でうずくまって
──そもそも去年はどんな理由で出演オファーがあったんですか?
田中和将(Vo, G) 知らないんですよ。事務所経由なんじゃないかなと思うんですけど。BRAHMANとかTOSHI-LOWさんとは面識もなかったし、同じロックをやっているとはいえ住んでる世界が違うようなところにいるバンドなんで、不思議といえば不思議なんですけど。でも最近このパーマ(ネンツ)みたいなことをやり出したんで、バンドでは行けないようなところにも顔を出せるようになってきたのは、良かったのかな。
──あっさりしてますね(笑)。去年、出演してみていかがでしたか。
高野勲(Key, Lapsteel) 楽しかった記憶しかないですね。
田中 お客さんの多くはキャンプをしてるみたいで、そういう雰囲気の中でライブをやることはなかなかないですからね。雰囲気はめちゃめちゃ良かったですね。
──2人はさすがにキャンプはしていない?
田中 一応、楽屋代わりにコテージを貸してくれたんです。2バンドに1軒。でも去年は僕らの出演時間が遅かったんで、ほかのみんなは帰っちゃって。
高野 だだっぴろい部屋にポツンと2人でうずくまってましたねえ(笑)。
田中 酔っ払ってコテージに帰ってきたら一応、布団が置いてあって。寝ようと思って布団に潜り込んだんですけど、あまりの寒さに持ってきた服を全部着て寝ました(笑)。ちょっと山をなめてましたね。
シンプルなものというのはすごく心に響く
──それでもあまりあるほど楽しかったと。さてPermanents自体のことを少々伺いたいんですが、このユニットには元々、活動する上でのビジョンはあったんですか?
田中 いや(笑)、なかったです。最初は弾き語りをやろうと思ってただけで。割と自分の修行にもなりますし、真面目な話、「歌」みたいなもんと向き合い直せる機会になるので。それで1人でやったりもしたんですけど、「勲さんとやったら面白いんじゃないかな?」と思ってユニットのかたちで始めたんです。でも、最初やってたのはカバー曲ばっかりでしたからね。別にビジョンがあったわけではないんです。
──"修行"をやりたくなったきっかけがあったんですか。
田中 特別大きなきっかけがあったわけではないんですけど、バンドを長いこと続けてきて、前よりも歌としっかり向き合えるようになってきたと思うんですね。で、そんなときに何度も聴いたことのあるニール・ヤングの弾き語りアルバムとかを聴いて、「シンプルなものというのはすごく心に響くんだな」と再認識する感じがあって。バンドで聴かせたいものって、アレンジや音質込みの歌心だと思うんですけど、弾き語りのような裸の歌も、これはこれで大事だなと。それで一度やってみたいなと思ったんですね。
──PermanentsではそれまでGRAPEVINEでは行ってないような、初見のお客さんがたくさんいるようなイベントでのライブも多いですね。
高野 それが楽しいですね、アウェイが。
田中 バインとはお客さんの層が全然違うと思うんで、むしろ楽しいですね。
高野 お客さんがポカーンとしてる感じがいい。それは引きこまれてるのかなという感じに見えるので。ま、むしろ観てもらわなくてもいいというか、飲みながら喋りながらっていうところでやるっていうのがいいですね。物見遊山のように、「弾き語りでいったいどんなことやってるんだろう?」って観に来る感じをやめてもらえれば(笑)。
田中 難しいとこですけどね、バランスが。お客さんはやっぱり構えて観に来ると思うんですけど。日本だと、割とライブが終わってからドリンクカウンターに行く方が多いじゃないですか? そうじゃなくて、こっちとしては飲みながらゆったり聴いてくれていいんです。それは今後、バンドでもそういうふうな雰囲気になればいいと思うし。まあ今までもそういう主張はしてきたつもりなんですけどね、無言で(笑)。
幻想的な立ち位置で挑みたい
──ちなみに、去年の映像を観たんですけど、やはりPermanentsはいい意味で浮いてましたよ。
高野 あー、そうですか? 失礼しました(笑)。
田中 やっぱりね、GRAPEVINEの曲をやってるっていうのがね。
──でもきっと、スパイシーな存在なんですよ、このイベントにおけるPermanentsというのは。
田中 うん、まあそういう存在でありたいとは思いますね。飲みながら聴いてよ、と言いながらも、「キャンプファイアで楽しくやろうぜ!」みたいな馴れ合いは実は好きなわけではないので(笑)。去年やらせてもらったステージは、Candle JUNEさんがろうそくをいっぱい立てた、ものすごい幻想的な場所だったので、そういう意味では(笑)僕らは合ってたんじゃないかなと我ながら思うんですけど。今回もちょっとこう、サイケデリックというか、幻想的な立ち位置で挑めればいいかなと思いますね。
Permanents(ぱーまねんつ)
GRAPEVINEの田中和将(Vo, G)と高野勲(Key, Lapsteel)によるユニット。2010年よりライブを中心にした活動を開始する。
New Acoustic Camp 2011 公演情報
- 2011年10月15日(土)
山梨県 道志の森キャンプ場
OPEN 8:00 / START 11:00 -
- 出演者
- [Stage Yonder]
- HINATABOCCO / Predawn / COMEBACK MY DAUGHTERS(acoustic set)/ Salyu / 畠山美由紀 / SPECIAL OTHERS(acoustic set)
- [Stage Here]
- 門田匡陽 / TICA / hozzy(藍坊主)/ Permanents / SION with Bun Matsuda
- 2011年10月16日(日)
山梨県 道志の森キャンプ場
END 15:00 -
- 出演者
- [Stage Yonder]
- THE DEKITS / 怒髪天(acoustic set)/ OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND
- [Stage Here]
- 齊藤ジョニー&Shoestrings / キヨサク(MONGOL800 / The NO PROBLEM's)/ 曽我部恵一