連続リリースの企画は何が来るかお楽しみに

──そしてリリースに伴ってたくさんの企画が進んでますよね。ユニークなビデオクリップや、キーワードを集める企画などいろいろと。

沙田　はい（笑）。やっぱり出すからには……。

藤咲　たくらみたいなっていうか（笑）。3部作なら、それに連なってシングルのタイトルとかにも面白い仕掛けをしたいなと思ったし。ビデオクリップもいろんな方の意見があって、ねごとのチームとして「つながってたら面白いよね」「次はどういう展開になっていくんだろう？みたいにしよう」って。それで「3部で完結するようなストーリー性を持たせたいね」という話になって。

──「nameless」のビデオはRPGみたいな映像で、しかもサスペンス仕立てですよね。

沙田　謎が深まるばかりの1つ目です（笑）。3部作の企画の中でひとつ、最初に殺されたりするサスペンスっぽいコンセプトを聞いて、私も「ん？ どういうことだ？」って思ったんですけど（笑）。それからコンテとかを見せてもらって、「あ、なるほど」と。ゲームをしてても、最終的にどこにたどり着くって、わからないじゃないですか。 そういう楽しさが詰まってるなと思います。私たちがライブをよくやらせてもらった下北沢SHELTERが出てきたりして、面白いなと。この曲から何が生まれるんだろう？って思っていたから、皆さんにもこの後どんなものが生まれるのか楽しみにしてもらいたいですね。

藤咲　「nameless」のビデオも、作っててすごく仕上がりが楽しみでしたね。思ったものと違うものが来ても、楽しみながらやれる。そこで化学反応みたいなのが起こったら、すごく面白いことができるなって。

──そこで自分たちでも意外なものが生まれてきてるわけですね。

沙田　はい。実は昨日、2作目のビデオを撮ってきたんですよ。また面白いことになってますけど（笑）、これも仕上がりがどうなるのかな？って。ほかに、アーティスト写真に花が咲くまでをUstreamで中継してみるのも、大きい花を2ndで咲かせたいと思ってるから実現したことだし。スタッフがちゃんと汲み取ってくれてるから、私たちも面白がってます（笑）。

このアルバムでもう一歩進みたい、近寄りたい

──それからキーワードを探すとか、ジャケットに仕掛けとか、いろいろありますよね？

沙田　はい（笑）。キーワードは聴いてくれてる人に一緒に参加してほしいからですね。ジャケットもシングル3部作で連動しています。

藤咲　ジャケットは、1枚だと「なんだろうなー？」っていうデザインなんですけど、3枚合わせると、最後には何かが浮かんできたりします。

──それもみんな、アイデアをスタッフが投げかけてくるわけですか？

藤咲　大体はそうですね。だから私たちは、そこに応えられるようにがんばるっていうか。新しいものを引き出してもらうのがすごくうれしいし、「あ、やれるんだ！」ということが今は楽しかったりしますね。

沙田　それにやっぱり「曲ありきだな」って思うし。いい曲書いただけ、それに伴っていいアイデアがきっと浮かんでくると思うから、負けてられない！と（笑）。そういう向上心はありますね。

──わかりました。来年2月に予定されている2ndアルバムが、いよいよ楽しみですね。

沙田　はい。今まで聴いてくれてた人たちには絶対聴いてほしいし、その人たちに「あ、やっぱりいいじゃん！」って思ってもらえるような楽しさや新しいアプローチは、しっかり入れたいなと思っています。アルバムに入る曲たちはヘンなやつが多い気もしますけど（笑）。でもそれは聴き流せるぐらいのものでありながら、さっきおっしゃってくれたように、もう1回聴いたら「あ、いろんな要素が入っているんだ」と気付いてもらえるものになってると思っています。

藤咲　1stアルバムは「すごく楽しい」ってところが出ていたと思うんです。でも2ndまでの間には私たちなりの苦悩があって……そこから生まれた歌詞は対・人っていうテーマだったりするんです。そこではいろんなことを投げかけてたり、「こうしたいんだよ」という思いが詰まってると思うんですね。そこを聴いてもらって、もし「そうだな、私も共感できるな」という部分があったら、うれしいなと思います。今までは「どう感じてもらえてもいいや」と思ってたんですけど、今回はもう一歩進みたいな、近寄りたいな、というか。そんなアルバムになってたらいいなと思いますね。