ナタリー PowerPush - ねごと
4カ月連続リリース開始!スタートダッシュの新曲を語る
4人で作ってる感じが出てきた
──作詞作曲のクレジットがねごと名義になっているのも、そのぐらい全員が関わって作るようになっているからですか?
沙田 うん。今までは作詞に関しては、「ボーカルを担当している幸子が言いたいことをちゃんと書けてるんだったら、それでいいな」と思ってたけど、かえって幸子自身がもがいてる感じがしたし。それだったら私たちがもっと協力できるんじゃないかな?って思って。そこはほんと、ねごととして、バンドとしての意思表明ですね。私たちの音として表現するにはどうすればいいんだろう?って考えた末のことです。
──かなりディスカッションをしながら進めてるみたいですね。
沙田 もう、だいぶ(笑)。そうですね。
藤咲 歌詞にしても、「テーマに対して少しずれてないかな?」とかね。
沙田 うん。そういうふうに書きたいと思ったものに対して、自分の中から出てきてるものをちゃんと書けてるのかどうか?みたいなところまで、今はみんなで見ることができてるというか。面白いですね。
──作曲のほうは、やはり瑞紀さんが原型を作っているんですよね。
沙田 大体はそうですね。でも「どうしてこういう音にしたいのか」ということは、結構言うようにはなっています。例えば「このベースはこういうふうな聴かせ方をしたいからこうやってほしい」とか。そこはただ単に「アイデアとして盛り込んだから」と伝えるだけじゃなくて、理由を伝えないとやっぱりわからないものがあるから。
藤咲 単に「こういうふうに弾いて」って言われただけだと「じゃあ変えていいのかな?」「もっといいアイデアがあるかもしれない」と思って、そこで変えちゃったら、違う方向に行っちゃうじゃないですか。でも「こういう理由でこのベースラインがあるんだよ」とちゃんと話してもらえれば、その要素がどういうものかわかるし。
沙田 うん。やっぱり1つひとつ……歌もドラムのフレーズも、「こういうふうに思ってるから、こう」ということを話さないとね。そこは音楽だからほんと感触でしかないけど、でもそれにしたい理由はきっと自分の中にあるはずだし、ってすごく思って。
──そうなんですね。そういう作り方をするようになって、わかるようになったことってあります?
沙田 ああ……そこで「私はこういうふうに捉えてたんだな」って、逆に自分の意図に気付くことも多くなりましたね。そのおかげで、曲を良くするためのすり合わせがスムーズにできるようになった気がします。すごく面白いですね。それによって奥深くなるなって思いますね、1つひとつの作業が完成するごとに。
藤咲 楽しいです(笑)。「4人で作ってるな」って感じが、もっと出てきました。フレーズもお互いで言い合うことによって、もっといいものが出てきたりするし。そこは、今まではあんまりしていなかったことなんですよね。
作り込んでも、曲はストップさせたくない
──お互い言葉にしなければ「そんなことを考えてたんだ?」と気づくこともないでしょうからね。アレンジもそうしながら進めていったわけですね。
藤咲 はい。最初の、4月頃にあった原型からブラッシュアップしていくごとに、どんどんテンポが上がっていって、ドラムのフレーズがタイトにタイトになってきて。で、サビも、いろんなコードを考えた末の今の形になっていきました。
沙田 うん。そこは……転がっていきたい、というか。
藤咲 スピード感だよね。
沙田 うん、スピード感みたいなものを出すにはどうすればいいんだ?っていうところで音選びがされていって。今回の作品からプロデューサーの江口亮さんという方と一緒にやってるんですが、いろんな提案をしてくださって、音に関しては新鮮な響きになるように、どんどん練り込んでいった感じですね。佑は、レコーディングの直前にフレーズを変えたりしたんだよね? 結構ガラッと変えてた気がする。
藤咲 そう、ガラッと。元はシンプルだったけど、もっと強気なラインを表せたらいいんじゃないかなと思って。
──なるほど。前のシングルもだったけど、かなり作り込んでますよね。でも突き抜けてる感じのほうが先に伝わってきます。
沙田 ああ、すごくうれしい。そこは止まってたくはないなって。「耳が固まっちゃうようなフレーズとかドラムのパターンは入れたくないよね」って話はしていて。フックになる部分があっても、ある程度聴き流せるぐらいの勢いのほうが強いと思ってます。
CD収録曲
- nameless
- 100
ねごと
蒼山幸子(Vo, Key)、沙田瑞紀(G)、藤咲佑(B)、澤村小夜子(Dr)からなる4人組バンド。高校2年生だった2008年1月に結成し、春に開催された「閃光ライオット2008」に応募。予選を順当に通過し、8月に行われた決勝大会に進出。審査員特別賞を受賞する。同年11月に発売された「閃光ライオット2008」コンピレーションアルバムにも、大会で披露した楽曲「ループ」で参加する。その後勉強に専念するため一時ライブ活動を休止するも、2009年9月に本格活動開始。2010年2月より行っている自主企画「お口ポカーンフェス?!」も毎回好評を博している。2010年9月29日、1stミニアルバム「Hello! "Z"」をKi/oon Recordsよりリリース。2011年3月発表の1stシングル「カロン」はau「LISMO!」のCMソングとしてオンエアされ、幅広い層から注目を集めた。同年7月、初のフルアルバム「ex Negoto」をリリース。2012年11月7日発売のシングル「nameless」から4カ月連続リリースを行い、2013年2月には待望の2ndアルバムを発売予定。