ナタリー PowerPush - ねごと
ブレイクしても平常心! 4人のナチュラルさの秘密を探る
大きいステージでも緊張は変わらない
──音源をリリースしてからの活動の中で自分たちについて思ったことや気づいたことって何かあります? 例えば対バンする相手を見て「プロの世界だなあ」とか「みんな、すごいなあ」とか感じることもあると思うんですが。
沙田 ……「どこ行っても変わらないな」とは思いましたけど。
──え、変わらない?
沙田 うん、私たち自身が。大きいステージでも緊張は変わらないんですよ。いつでも、なんのテンションの変化もない(笑)。「ああ、おっきいねー!」とかはあるんですけど、別にそれだからといって「あーどうしよう」とか、そういう焦りはないし。ほんとに直前になってやっと緊張する、みたいな。これはどのライブハウスでもそうなんですけど、どこまでも全然緊張感がないので(笑)、それが変わらないのはすごいと思いました。
──でもイベントや対バンになると、自分たちよりもキャリアが長い人や名が知られてるバンドと一緒に出ますよね。そこでプレッシャーとか「やりづらいなあ」とかは、ないんですか。
蒼山 でも結局、自分たちは自分たちでしかないから、そこで比べても……(笑)。いや、尊敬とかはもちろんあるんですけど、でも自分たちがその日に出ることはもう決まってるわけで、そこでキャリアだったり音楽の違いを比べてもしょうがないな、というか。結局ここにいるお客さんの前で演奏する、ここでねごとはライブをする、それだけでしかないから。たぶんみんな、そういう感覚をもともと持ってるので、そんなに卑屈になることもないし、変わんないなと思います。
──ほんとですか? 緊張はしないんですか。
藤咲 緊張……最初に大きいステージでやれるってなったときは、心臓がバクバクって感じだったんですけど。最近はどこに行ってもその場所を楽しむって感じですね。自分なりのライブの直前のリラックス方法がわかるようになったので、どこでも同じテンションでいられます。ステージに立ったら「どのバンドさんよりカッコいいぞ」って思ってやるんですけど、ステージ降りたら、思いっきりほかのバンドさんを楽しみますね。好きなバンドさんと対バンさせてもらうことが多いので。
小夜子のMCでみんなが緊張する(笑)
──そうなんですね。ちなみにリラックス方法はどんなものですか。
藤咲 うーんと、好きなバンドさんの音楽を聴きながら口ずさむとか(笑)。
蒼山 出る前は、みんなで10回ジャンプしてますね。SEが流れて、そんときに、はい、いーち! にー!
沙田 さん!って(笑)。「10回ジャンプするとスタートダッシュがうまくいく」っていうのをTVでたまたま見て、それで「やろうよー!」って言って。それは結構、いい習慣になってます(笑)。
──それを毎回やってるんですね(笑)。小夜子さんは緊張はしないです?
澤村 うーん……私は前日に緊張するタイプなんで、本番ではそんなにしないです。でもたぶん私のMCで、逆にみんながすごく緊張してると思う(笑)。「今日は何しゃべるのかな」って。
──(笑)。それは緊張というか、ヒヤヒヤでは?
澤村 そうですね(笑)。ほんとにご迷惑をおかけしてると思います。
蒼山 「ど、どうやってこれをつなげようか?」っていうのは、やっぱりいつもありますけどね(笑)。
──でも頼もしいですね。「新人だからうまくいかなくてもいいや」みたいな言い訳がバンドにないのは、いいことだと思います。
沙田 その「新人だから」とか「男だから」「女だから」とかいうのが、あんまりないと思う。たぶん、そんなに考えてないよね?
蒼山 そうですね。それが自然なことだから。
──わかりました。3月には対バンツアーもありますが、並行して新曲の制作も進めてるんですね。
蒼山 はい。「カロン」を作ってから、ほんと自分たちの幅がすごく広がったなという気がしてて……。個々でもレベルアップしてる感じがするし。でも個々で進んでっても、それがちゃんとひとつになるのがねごとっていうか。そういう意味では曲作りがスムーズに行くようになってて、いろんな曲ができてますね。
沙田 今の自分たちは音楽性の幅を知らないと思います、たぶん(笑)。もう作りたい曲はたくさんあるし、作った曲もたくさん出したいし……。すごく楽しみですよ! 「いつこれを出そう?」「またできちゃった!」みたいな曲があるんです(笑)。
ねごと
蒼山幸子(Vo, Key)、沙田瑞紀(G, Cho)、藤咲佑(B, Cho)、澤村小夜子(Dr, Cho)からなる4人組バンド。高校2年生だった2008年1月に結成し、春に開催された「閃光ライオット2008」に応募。予選を順当に通過し、8月に行われた決勝大会に進出。審査員特別賞を受賞する。同年11月に発売された「閃光ライオット2008」コンピレーションアルバムにも、大会で披露した楽曲「ループ」で参加する。その後勉強に専念するため一時ライブ活動を休止するも、2009年9月に本格活動開始。2010年2月より行っている自主企画「お口ポカーンフェス?!」も毎回好評を博している。2010年9月29日、1stミニアルバム「Hello! "Z"」をKi/oon Recordsよりリリース。2011年3月リリースの1stシングル「カロン」はau「LISMO!」のCMソングに決定し、幅広い層から注目を集めている。