ネクライトーキー|ライブが楽しみ!遊び心あふれるアルバムでメジャーデビュー

ぽんぽこ節のなんたるかを問う

──今作からは現時点で「ぽんぽこ節」のMVが公開されています。ほかの楽曲のMVは?

藤田 2本目は「夢みるドブネズミ」、3本目は「北上のススメ」です。

──「ぽんぽこ節」は信楽焼のチョイ悪タヌキが随所に出てくる感じがシュールで面白かったです。

朝日 そうなんですよね。あのタヌキ、顔を見るとけっこう怖いです。

藤田 歯がギザギザに尖ってるし。

中村 「ぽんぽこ節」のMVではキーボードの前に手乗りサイズの信楽焼を置いているんですけど、照明の関係で全然見えなくて。誰かに見つけてほしいなって思ってます(笑)。

──スマホではなくてパソコンやテレビで観たらわかるかもしれませんね。

中村 観たらなんかボコボコした形がちょっと見えるかもしれない。

朝日 しかも意図的に画質を荒くしてるのもあるから、見つけるのは大変かも。

──ちなみに「ぽんぽこ節の『なんたるか』教えたろかニンゲンドモ」という歌詞が気になったのですが、その「ぽんぽこ節」がなんたるかは改めて説明いただけるものでしょうか?

朝日 「ぽんぽこ節」は「ぽんぽこ節」であるとしか……。

もっさ YouTubeのコメントに「とりあえずぽんぽこ節が5拍子なことだけはわかった」って書いてあった(笑)。

朝日 細かい話をすると、あの曲自体が「ぽんぽこ節」。あの曲は何をやってもいいみたいな曲で、急に5拍子になったりピアノだけになったり、何をやってもいいのが「ぽんぽこ節」。つまりすべてが「ぽんぽこ節」。この世のすべてが「ぽんぽこ節」。

もっさ そう、つまり「ぽんぽこ節」は地球。

カズマ 地球なの? 宇宙じゃないの?

朝日 宇宙でもあり、銀河でもある。つまりなんでもありの曲ということです。鍵盤もちょっと宇宙っぽい音になってるしね。

──アルバムタイトルはあとから付けたものだそうですが、“動物”というコンセプトはもともとあったんですか?

藤田 気付いたら集まってたんです、動物の曲が(笑)。

朝日 こんな内容になるならもっと動物要素を増やせばよかったかも(笑)。

カズマ しかも登場する動物が人気のかわいい動物ではなくて、動物園の日陰のほうに追いやられてる系の動物しか出てこないんで。

朝日 タヌキ、虫……初っ端がドブネズミだからね。

中村 ドブネズミは動物園にいるの?

朝日 天王寺動物園の夜行性コーナーにいたよ。コウモリとかそういう系がまとめてられてるところに。

異色だらけだと「王道が異色になる」

──「涙を拭いて」は再録バージョンになりますけど、この曲をあえて「ZOO!!」に入れた理由は?

朝日 やっぱりいい曲だから入れたいなっていう気持ちです。変化球が多いアルバムの中で「涙を拭いて」はすごくシンプルなので。歌詞も相当シンプルな印象がある。

もっさ 素直やし、このアルバムの中に「涙を拭いて」が入ると“本気感”を感じるんです。

──本気感、ですか。

もっさ ほかの曲も本気なんですけど、めちゃくちゃいい曲だし……なんと表現したらいいか。

朝日 言わんとすることはわかる。変化球が続く中で王道というか、「ストレートな曲ですね」と言われそうなこの曲がアルバムの中ではけっこう異色。本来なら異色が異色であるべきなのに、王道が異色になった感じがありますね。

もっさ曲は朝日ノータッチ「すっごい放置されてた」

──もっささんの作った「夏の暮れに」も収録されます。

もっさ 作った曲を持っていきました。

中村 もっさのデモは2曲ぐらいあって、この曲が採用されたんだよね。

──もっささんの作曲スタイルは弾き語りから?

もっさ(Vo, G)

もっさ 弾き語りのときもあるし、打ち込むときもあります。「夏の暮れに」はメンバーにアレンジをめちゃくちゃしてもらったんですけど、大枠は変わってないです。みんなに頼ってできた曲なんですけど、逆に朝日さんはなんも言ってくれなかった。「ONE!」に入っている「ゆうな」は朝日さんがアレンジしてくれたんですよ。今回はその逆でまったくなくて、朝日さんは遠くからニヤニヤしながらこっちが「え、どうしたらいいんかな」となってるのを見ていて……。

朝日 でもギタリストとしてはちゃんと参加したよ。

藤田 ギタリストに徹してたな。

──バンマス的な感じではなかったという。

もっさ そう! なんかすっごい放置されました。

カズマ 朝日が作る曲は朝日のジャッジで方向性が定まっていくんですけど、もっさが作ってきた曲に関してはわりと裁量がメンバーそれぞれに振られてて。どの方向にも転べる状況だったから、選択肢の広さで苦労した部分もありました。

朝日(G)

朝日 そうそう。これはメンバーにとっても試練だと思って、「なんも言わんとこ!」って(笑)。

中村 ジャッジをするという点でもっさは悩んでたから、「どう?」ってこっちからジャッジを求めたときに「もっとこうがいい」とか「それ!」っていうのがなかなかはっきり出なくて。

カズマ 「あれもいいね、でもこれもいいな」で全然決まらないという(笑)。

──「MEMORIES」の制作時、もっささんがディレクターさんと言い合いになったみたいな話がありましたけど。

もっさ えー! そんなことありましたっけ?

カズマ 歌録りのときにあったじゃん。今回も(笑)。

もっさ ああ(笑)。

朝日 歌に関してはいつもちゃんと意見が出てくるんですよ、もっさは。でもやっぱり編曲となるとね。

もっさ アレンジってめっちゃ難しいな、とこの曲を通して感じました。

朝日 でも完成したとき楽しくない?

もっさ もちろん楽しいよ。めちゃくちゃこの曲を作りたかったから、完成して本当によかったと思っています。