=LOVE、≠MEに続く、指原莉乃がプロデュースを手がける第3のアイドルグループ≒JOY。2022年3月にお披露目された彼女たちは、先輩グループとの合同フェス「イコノイジョイ 2023」、夏に行われた数々のアイドルフェス、舞台「≒JOY☆FAIRY LIVE STAGE『ミルモでポン!』」への出演など、新人グループながら濃密な経験を積み、2023年9月には神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールで「≒JOY 1stコンサート『初めまして、≒JOYです。』」を行った。
大規模な会場での開催となったものの1stコンサートは大成功に終わり、その中でもメンバーにとって念願だったメジャーデビューのサプライズ発表がハイライトに(参照:≒JOYパシフィコ横浜1stコンサートで見せた大きな成長、1月にソニーからメジャーデビュー決定)。1月17日にリリースされたデビューミニアルバム「きっと、絶対、絶対」は、=LOVEと≠MEのCDにカップリング収録された既発曲7曲に、「無謀人」「きっと、青い」という対照的な2つの新曲と「Overture」を加えた作品で、グループのこれまでの歩みを振り返りつつ、この先の飛躍が期待できる内容になっている。
音楽ナタリーでは本作の発売を記念してメンバーを2組に分けてインタビュー。デビュー前の心境や新曲の注目ポイント、2024年の抱負をたっぷりと語ってもらった。なお、江角怜音と山田杏佳は体調不良のため取材不参加となったが、特集後半には2人のコメントも掲載している。
取材・文 / 近藤隼人撮影 / 飛鳥井里奈
インタビュー
今までで一番の達成感を感じた1stコンサート
──まず、9月にパシフィコ横浜 国立大ホールで開催された「≒JOY 1stコンサート『初めまして、≒JOYです。』」について聞かせてください。1stコンサートがいきなり大きな会場で、皆さんにとって初めてのことばかりだったと思います。
逢田珠里依 3階席まである会場でコンサートをするのは初めてで、リハーサルのときから「上のほうにもお客さんがいることを意識してね」とダンスの先生に言われていました。パフォーマンスが遠くまで届くように大きく踊ることをとにかく意識しました。
──山野ホールなどの過去の公演の会場とは、ステージに立つときの心構えやパフォーマンスの見せ方がかなり違ってきますよね。
逢田 本番前に2階席、3階席からの景色をメンバーみんなで見たのですが、ステージが遠くに感じました。やっぱり広い会場なんだなと実感しましたし、3階席の方に孤独感を与えないようにしなければと思いました。
山野愛月 1stコンサートでは客席に行って、お立ち台の上で踊る演出がありました。ファンの皆さんと近い距離で、一緒にコンサートを楽しむことができたと思います。
髙橋舞 やっぱり緊張もしましたし、ユニット曲のコーナーなどメンバー個人ががんばらなければいけない場面もありました。会場内を巡るトロッコの演出も、先輩グループとの合同フェス「イコノイジョイ 2022」や「イコノイジョイ 2023」では経験があったのですが単独の公演でやるのは初めてで、パフォーマンス中に見える景色がいつもと違いました。1stコンサートの開催が決まったときから、パシフィコ横浜 国立大ホールの会場をファンの方で埋められるかどうかが課題で。そんな中、デビュー前にこの規模の会場を無事に埋めることができて、すごく大きな経験になりました。私たちの自信、強みにつながったと思います。
藤沢莉子 パシフィコ横浜 国立大ホールは想像の倍大きくて……「Overture」に合わせてステージに登場する流れも、1stコンサートが初めてでした。「Overture」が流れる中、1人ひとりダンスパフォーマンスを披露しながら登場したのですが、そこでかなり緊張がほどけましたね。「≒JOYのコンサートが始まった!」という実感があって、ステージを楽しむことができました。2階席、3階席で自分のメンバーカラーのペンライトが光っているのが見えたときに、そこに向けて手を振ったら思い切り振り返してくれて、ちゃんと私たちのパフォーマンスが届いているんだと実感できたのがすごくうれしかったです。会場がもっと大きくなっても、ステージから自分のファンの方を見つけたいですね。
逢田 メンバーみんな、今までで一番達成感を感じたライブでした。あのときの≒JOYができることは全部やり切ったかなと思います。
──1stコンサートでお披露目された「Overture」は、デビューミニアルバムの1トラック目に収録されています。ライブでオリジナルの「Overture」が流れると気持ちがアガりますか?
逢田 はい。「Overture」に気持ちを引っ張ってもらっているイメージですね。
藤沢 メンバーみんなで集まって初めて「Overture」を聴いたときは、思わずガッツポーズしちゃいました(笑)。
逢田 =LOVEさんや≠MEさんの「Overture」はかなりポップで明るい印象がありますよね。「みんなで行くよ!」というイメージ。それに対して≒JOYの「Overture」はカッコいい雰囲気で、そういう曲調が好きなメンバーは特に喜んでいました。(江角)怜音のリアクションが大きかったです(笑)。
デビューが発表された瞬間の記憶がない
──≒JOYのデビューが決定したことは、夜公演のアンコールでサプライズ発表されました。特報映像が流れた瞬間、メンバー全員が感涙していましたね。
逢田 あまりそのときの記憶がないんです(笑)。お披露目からの活動を振り返る映像が流れた時点で「まさか……!」とメンバーとお互いに顔を見合わせて、その時点で泣いていたのですが、デビューが発表された瞬間を覚えていなくて。頭が真っ白になるってこういうことなんだなと思いました。
山野 私、そのときステージにいたかな……?
髙橋 いたよ!(笑) そう思うくらい衝撃が大きかったんだね。
藤沢 私は泣きそうで泣かなかった。状況が飲み込めなくて、涙が出なかったんです。「デビュー……?」って。実感が湧かず、不思議な気持ちでした。
──そろそろデビューが発表される頃なんじゃないかと予想したりは?
髙橋 1stコンサートではリーダーの決定など、ほかにもいろいろと発表があって……。
逢田 愛ちゃん(小澤愛実)のリーダー就任発表のとき、指原さんからの「デビューできるようにがんばってね」というメッセージが紹介されて、「デビューはまだ先なんだろうな。がんばろう!」と思ったんですよ。その指原さんのフェイントがあった分、驚きが大きかったです。
髙橋 さらに1stツアー開催の発表もあって、ありがたいという気持ちがキャパオーバーしてしまいました(笑)。
──デビューが決まるまでの期間はいわば下積みの時期だったと思いますが、この約2年間の経験は今の≒JOYにどのように生きていますか?
藤沢 デビュー前にもかかわらず、ここに至るまでにいろいろな経験を積ませていただきました。CDショップに≒JOYのパネルが飾られたり、曲を流していただいたりもして。
逢田 この2年でいろいろな楽曲を通して表現の幅を広げることができたから、自信を持ってデビューできます。ミニアルバムのリード曲「無謀人」のような力強い楽曲は2年前だったら絶対に表現できなかったし、この2年の経験がデビューミニアルバムに全部生きていると思います。
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最初は“カッコいい”に対する恥じらいがあった