初ライブ映像は恥ずかしくて観れない
──ここからは結成10周年について聞かせてください。まずは「Nothing's Carved In Stone 10 YEARS HISTORY」とタイトルが付けられた映像企画の第1弾として、2009年2月27日に行われた東京・UNITでの初ライブの映像が公開されました。
生形 あれはヤバいですね(笑)。
村松 あの映像に関してだけは、責任を放棄させてください(笑)。
生形 (笑)。初ライブの映像は全体で35分くらいなんだけど、1曲目の途中で観るのを止めて、どの曲を公開するかスタッフに任せることにしたんですよ。とてもじゃないけど、恥ずかしくて観れないので。
村松 初めてバンドを組んでライブをやったときと同じだからね。
生形 そういうことだよね。しかもそれをYouTubeにアップするっていう。それもメンバーのアイデアなんですけどね。ファンの人たちが喜んでくれれば、それでいいです(笑)。
──最初のライブのことは覚えてますか?
村松 覚えてますよ。すごく若かったし、500人のお客さんの前でライブをやった経験なんてほとんどなかったから、めちゃくちゃ緊張してました。しかもこのメンバーでしょ? 僕なんか超ド新人ですから、世間から見たら。
──生形さん、日向さん、大喜多さんは、すでに名前を知られた存在でしたからね。当時は村松さんだけが知られてなかったから、オーディエンスは「どんなボーカリストなんだろう?」という興味もあったと思います。
村松 しかも1stアルバム「PARALLEL LIVES」が出る前で、まだ2曲くらいしか発表してなくて。そんな状態だったから、いっぱいいっぱいだったんですよ。「どれだけやれるのか?」って言うだけで、周囲やメンバーを気にしている余裕はまったくなかったです。でも、ほかのメンバーも緊張しているのはわかったんですよ。ものすごく頼りになるメンバーだったんですけど、「いつも通りではないな」と思って。
生形 うん。
村松 こういう経験を繰り返してバンドは強くなっていくということもわかっていたし、それがいよいよ始まるんだということは感じてたかな。4人で同じステージに立つことの意味がわかったと言うか。
生形 ナッシングスとして活動してきた10年の中で、一番緊張したのが最初のライブだったかもしれない。ライブ中のことはあまり記憶になくて。ライブの前後のことは覚えてるんですけどね。始まる前はひたすら緊張していて、終わったあとは「よかった」と思って。
村松 俺もそう思った。
生形 「いいライブをやれた」と感じたんですよね。もちろん、今と比べるとバンドのグルーヴは全然違うし、若いなって思うけど。
村松 歌も荒いからね。自分ではデイヴ・グロールみたいな感じで歌ってたつもりなんだけど、観たら全然違ってた(笑)。
生形 はははは(笑)。
村松 でも、いいライブだったと思います。バンドの完成度も今とは比べ物にならないけど、メンバー同士の化学反応も感じたし。自分で思っている以上のポテンシャルを出せたんじゃないかな。
「このバンドは階段を1つ1つ上がっているんだ」
──バンドを結成したときは、どんなビジョンを掲げていたんですか?
生形 メンバーがそろった時点で「カッコいいバンドができた」と思ってたんですよ。もちろん不安もあったけど、期待のほうが大きかった。
村松 僕は「このバンドで何ができるだろう?」という感じでしたね。いっぱいいっぱいでしたけど、それは隠してました。メンバーは歳上の先輩ばかりだけど、ずっとタメ口で、態度も大きくて(笑)。ナッシングスに入ることはすごく勇気が必要だったけど、それも表には出さないようにしてましたね。「実力でこのバンドに入った」という感じに振る舞っていたと言うか。今振り返ってみると、ほかのメンバーもそれぞれ勇気が必要だったと思うんですよ。このバンドを始める理由がそれぞれにあっただろうし、それが強いエネルギーにつながっていたんだと思います。
──それまでのキャリアを生かすのではなくて、ゼロから新しいバンドを組んだわけですからね。
生形 うん、そこは意識していたかな。最初からやろうっていう。最初のライブのときも、チケットの応募数でいくとZepp Tokyoとかでも全然やれたんですよ。でも最初は小さいところから始めたくて。まあ実際のところUNITは全然小さくないんですけどね。
村松 Zeppだったら、俺がムリだったかも(笑)。
──ライブ会場の大きさを含めて、バンドとしての階段を1段1段上がっていきたい、と。
生形 それが大事だと思ってました。一気に駆け上がりすぎて、ダメになっていくバンドも見てましたからね。そういう話をメンバーとしたことはないけど、みんなもわかってたんじゃないかな。
村松 3年目くらいからわかってきましたね、俺は。「このバンドは階段を1つ1つ上がっているんだ」っていう。至らないところもたくさんあったと思うし、今の自分がどれだけやれているのかもわからないけど、メンバーと一緒に上らせてもらってるという感覚はありましたね。
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「10周年だからベスト」にならないスタンス
- Nothing's Carved In Stone
「Mirror Ocean」 - 2018年2月14日発売
GROWING UP Inc. / Dynamord Label -
[CD] 2700円
GUDY-2021 -
[アナログ+CD] 3456円
GUDY-5003
- CD・アナログ収録曲
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- Mythology
- Mirror Ocean
- Directions We Know
- Winter Starts
- シナプスの砂浜
- Flowers
- Go Out
- Stories
- Damage
- 青の雫
- Nothing's Carved In Stone
「Live on November 15th 2017 at TOYOSU PIT」 - 2018年3月14日発売
GROWING UP Inc. / Dynamord Label -
[Blu-ray] 5184円
GUDY-3006 -
[DVD] 4212円
GUDY-3005
- Blu-ray / DVD収録内容
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- Spirit Inspiration
- Like a Shooting Star
- The Poison Bloom
- Rendaman
- Brotherhood
- (as if it's)A Warning
- Words That Bind Us
- Assassin
- Red Light
- Chain reaction
- Milestone
- Shimmer Song
- In Future
- Sing
- Out of Control
- Isolation
- November 15th
- Sands of Time
- YOUTH City
-
- Adventures
- Like a Shooting Star
MUSIC VIDEO
- Nothing's Carved In Stone「Tour 2018」
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- 2018年3月8日(木)千葉県 千葉LOOK
- 2018年3月10日(土)茨城県 mito LIGHT HOUSE
- 2018年3月14日(水)東京都 WWW X
- 2018年3月16日(金)宮城県 Rensa
- 2018年3月20日(火)福岡県 DRUM LOGOS
- 2018年3月21日(水・祝)佐賀県 SAGA GEILS
- 2018年3月28日(水)岐阜県 CLUB ROOTS
- 2018年3月30日(金)岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
- 2018年3月31日(土)愛媛県 WStudioRED
- 2018年4月6日(金)群馬県 高崎clubFLEEZ
- 2018年4月8日(日)富山県 MAIRO
- 2018年4月11日(水)青森県 青森Quarter
- 2018年4月13日(金)北海道 札幌PENNY LANE24
- 2018年4月15日(日)北海道 函館club COCOA
- 2018年5月15日(火)愛知県 DIAMOND HALL
- 2018年5月18日(金)大阪府 なんばHatch
- 2018年5月22日(火)東京都 新木場STUDIO COAST
- Nothing's Carved In Stone
10th Anniversary Live at BUDOKAN -
- 2018年10月7日(日)東京都 日本武道館
- Nothing's Carved In Stone(ナッシングズカーブドインストーン)
- 2008年に生形真一(G)が在籍するELLEGARDENの活動休止を機に、日向秀和(B)、大喜多崇規(Dr)、村松拓(Vo, G)と結成。2009年2月に初ライブを行い、5月に1stフルアルバム「PARALLEL LIVES」をリリースした。同年夏には「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「SUMMER SONIC」などの大型ロックフェスに出演。毎年オリジナルアルバムを1枚リリースするなどコンスタントに作品を発表。2018年2月に9枚目となるアルバム「Mirror Ocean」を発表。10月7日に東京・日本武道館で結成10周年ライブ「Nothing's Carved In Stone 10th Anniversary Live at BUDOKAN」を行う。