別格のシンガー、別格のラッパー、別格のビートボクサー
高橋 AFRAくんはビートボックスの練習って日々してるんですか?
AFRA しますね。スタジオ入ったりします。でも、口をついて出ると言うか1人で思いがけずやってしまうこともある。
高橋 今、若い子もたくさんやってるけど、ビートボックスを日本に持ってきたのは間違いなくAFRAくんですよね。富士ゼロックスのCM、衝撃でしたよね。
BASI 僕はビートボックスが何か知る以前に、キックの音とかスネアの音、レコードの逆回転の音を口から出してるのを初めて観たのがAFRAなんです。出会ったのが90年代なんで。で、AFRAはニューヨークに渡る前に「韻シストに加入させてくれ」って志願してくれたんですよ。僕とかほかのメンバーは全員「いーよー!」って感じやったけど、サッコンだけが「ここに入るよりもアメリカに行ってビートボクサーのパイオニアとしてやっていくほうが絶対将来的にいいと思う」って言うて、最終的にサッコンの考えにみんな賛同したんですよね。
AFRA ニューヨーク行こうと思ってたところに、韻シストとの活動がめっちゃ楽しくなって、ホンマに迷ってて。
BASI 自分らで「心斎橋ツアー」とか言うて、アメ村のクラブを転々としまくってたんよな。
AFRA 一緒にフライヤー作って配ったりして。
BASI AFRAは昔から、どんな環境でマイク握っても全っ部盛り上げてたんですよ。それは忘れへんな。
PUSHIM ライブの話なら、よく自虐で言ってるんやけど、私は歌えば歌うほどモテへん。
高橋 あはは(笑)。いや、もう圧巻すぎるんですよ、PUSHIMさんの歌。普段は親しみやすい関西ノリだけど、いざステージに立ってガッと歌ったときの空気の震える感じ。それは「PUSHIMに近付ける男になれない」みたいな……。
PUSHIM うれしくないな(笑)。何も解決できてない。女性からは「PUSHIMわーかーるー」ってよく言われるけど(笑)。
BASI 女性のシンガーもPUSHIMさんにめちゃくちゃ敬意払ってますもんね。いかついとか怖いとかじゃないですよ? 言動を見てて「女性のリーダーでいてはるな」って思うんですよね。
AFRA この2人は別格のシンガーと別格のラッパーやと思う、ホンマに。
BASI AFRAこそ別格のビートボクサーですよ。
AFRA いやいや……。(照れる)
BASI それ言わすために言うたん?(笑)
思いっきり楽しそうにしてる親がいっぱいになったら、世の中とてもハッピーになる
──では最後に、今年の「夏びらき」に出る皆さんから、当日の意気込みや来場予定の人にメッセージをお願いします。
PUSHIM 私はHOME GROWNと一緒に出る日と、韻シストと出る日があって、それぞれ違う面を見せて2日間とか3日間来るお客さんも楽しませられたらいいなと思います。具体的には、HOME GROWNとやる日はレゲエで。韻シストとは新しい作品もあるので、徹底的にモードを分けてやりたいなと。
AFRA 僕は福岡の1日目と大阪前夜祭にBROKEN SPORT(JAZZY SPORT専属ダンサー集団)と一緒に出るんですけど、ビートボックス×ダンスっていう僕の中でも新しいステージができそうです。ビートを繰り出して、向こうはそれを受けて踊り、僕もそれを見て乗っけていくっていうセッション。人力だけのステージを見せられるのは楽しみですね。
高橋 JOURNAL STANDARDのCMでこの組み合わせでやってて、Instagramに上がったその日に速攻オファーしました!
BASI 僕は、PUSHIMさんと韻シストでやったり、20年やってる韻シストで出たりします。まずPUSHIM×韻シストは、「Don't Stop」を出した頃の感じから、Groovillageのレーベルメイトと言うかソウルメイトになって、距離もどんどん縮まってきたし、曲数が増えたから表現できることも豊富になってる。ユニットとして成熟してきたんで、1つ仕上がった状態をPUSHIMさんとのステージでは見せたいな。それから韻シストは、フェスのためのバンドと言ってもおかしないぐらい、「フェスに出たいがために活動してる」ってみんな豪語してるんで。Shyouなんかは最近ライブのことを「旅行」とか言い出して……。
高橋 あははは!(笑)
BASI それぐらい楽しんでていい状態なんで、韻シスト単独でもいいステージにできるかなと。PUSHIM×韻シストでも、韻シスト単体でも、いろんな面をこの「夏びらき」で出せるんです。全部観てほしいです。
高橋 聞いてたら本番が超楽しみになってきた! 毎年TOSHI-LOWさんがMCでも言ってくれてることなんですけど、親子で来たとき、親が思いっきり楽しそうにしてる姿を子供が見るとすごくいいバイブスが生まれるんですよ。そういう大人がいっぱいになったら世の中とてもハッピーになっていくんじゃないかと思う。だから親子で来て、子供が楽しんでねっていうだけじゃなくて親も本気で楽しんでもらいたい。その姿勢は今年も継続していきたいと思います。あと、来られるお客さんに向けては、そんなに長丁場でもないですし、トークセッションも含めて最初から最後まで観てもらいたいですね。僕は出演アーティストの音楽だけじゃなくて人柄とか生き様みたいなところも見て何かを持って帰ってもらいたいので。きっといろんな発見や得られるものがあると思います。
- 夏びらきMUSIC FESTIVAL 2018
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2018年7月1日(日)
大阪府 服部緑地野外音楽堂 -
出演者 RHYMESTER / Rickie-G / FIRE BALL / SCOOBIE DO / LUCKY TAPES / 吉田山田 / bird / Secret artist / and more
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2018年7月7日(土)
福岡県 天神コア 屋上広場 -
出演者 RHYMESTER / Rickie-G / AFRA×BROKEN SPORT(JAZZY SPORT) / LUCKY TAPES / Michael Kaneko / YOKOYURE / Neighbors Complain / and more
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2018年7月8日(日)
福岡県 天神コア 屋上広場 -
出演者 PUSHIM with HOME GROWN / FIRE BALL with HOME GROWN / HOME GROWN / 奇妙礼太郎 / SCOOBIE DO / 向井太一 / 吉田山田 / TAKUJI / and more
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2018年7月14日(土)
埼玉県 所沢航空記念公園野外ステージ -
出演者 PUSHIM with HOME GROWN / FIRE BALL with HOME GROWN / HOME GROWN / Rickie-G / Michael Kaneko / Shunské G & The Peas / TAKUJI / and more
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2018年7月15日(日)
埼玉県 所沢航空記念公園野外ステージ -
出演者 RHYMESTER / PUSHIM×韻シスト / LUCKY TAPES / 向井太一 / Neighbors Complain / iri / and more
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2018年7月16日(月・祝)
埼玉県 所沢航空記念公園野外ステージ -
出演者 SOIL & "PIMP" SESSIONS / SCOOBIE DO / 韻シスト / 奇妙礼太郎 / Creepy Nuts / bird / and more
- PUSHIM(プシン)
- 大阪出身の女性シンガー。1995年から活動を始め、1999年6月にシングル「BRAND NEW DAY」でメジャーデビューした。当初は時代背景ゆえR&B主体の作風だったが、2001年7月リリースの2ndフルアルバム「COLORS」でレゲエの資質を全面的にアピール。以降“クイーン・オブ・レゲエ”としてダンスホール / レゲエシーンで不動の地位を確立している。ソウルフルかつ表現力豊かな声でレゲエのみならずソウル、ジャズ、ゴスペルまで歌いこなし、ほかのアーティストの作品にもたびたび参加。2014年にはレディースアパレルブランド・Tome2H(トミトエイチ)のプロデュース、2015年には自身のレーベル・Groovillageの設立と、歌手以外にも活動の幅を広げている。2018年2月には韻シストとのコラボミニアルバム「TO THE NEXT」をリリースした。
- 韻シスト(インシスト)
- 1998年5月に結成されたバンド編成による生演奏ヒップホップグループ。大阪を中心にライブ活動を展開し、2001年に1stミニアルバム「ONE DAY」を発表する。その後「SUMMER SONIC」をはじめとするフェスやイベントに出演。2006年10月に自主レーベルから発売したアルバム「FONKY & LOVE」はヒップホップの枠を超え、多くの音楽ファンに支持された。数度のメンバー・チェンジを経て、現在のメンバーはBASI(MC)、サッコン(MC)、TAKU(G)、Shyoudog(B)、TAROW-ONE(Dr)の5人。TAKU、Shyoudog、TAROW-ONEの3人は韻シストBANDとしても2013年にアルバム「Rest of my life」をリリースしている。2016年にはPUSHIMが主宰するレーベル・Groovillageに合流し、同年6月にアルバム「CLASSIX」を発表。2018年2月にはPUSHIMとのコラボミニアルバム「TO THE NEXT」をリリースした。
- AFRA(アフラ)
- 大阪出身のヒューマンビートボクサー。1996年にアメリカ・ニューヨークのセントラルパークで観たThe Rootsのビートボクサー・Rahzelのパフォーマンスに衝撃を受けて独学でビートボックスを始め、高校卒業後ニューヨークへ単身渡米。2003年に日本人初のビートボックスアルバムとなる「Always Fresh Rhythm Attack!!!」をリリースする。2004年に出演したFUJI XEROXのテレビCMがお茶の間で話題を呼び、これが日本にヒューマンビートボックスを広める結果に。2005年に啓、K-MOONと共にヒューマンビートボクサーユニット・AFRA & INCREDIBLE BEATBOX BANDを結成する。2016年7月には約7年ぶりのソロアルバム「OHAYO」を発表した。
- 高橋マシ(タカハシマシ)
- SLD Entertainment Inc.に所属し、東京・代官山LOOP、神奈川・横浜LOOP、神奈川・鎌倉LOOPといったライブハウスのプロデュースを担当。2007年から開催されている野外フェス「夏びらき MUSIC FESTIVAL」を主宰する。またラジオパーソナリティを務めたり、DJとして韻シスト主催のパーティ「Neighbor Food」にレギュラー出演したりといった顔も持つ。