夏びらき MUSIC FESTIVAL 2018|AFRA 、PUSHIM、BASI(韻シスト)、高橋マシ座談会「夏びらきフェスが長く愛され続ける理由」

心がけているのは「レジェンド6:若手4」

──ブッキングに関して何かこだわりはありますか?

左からAFRA 、PUSHIM、高橋マシ、BASI(韻シスト)。

高橋 「夏びらき」に出てるアーティストは全組、マネージャーを介してじゃなくて本人と僕がお話しできるようにしています。ちゃんと1回本人とお話しするっていうことを大切にしているんです。ラインナップに関しては「『夏びらき』に出てもらいたい」というより、僕の日常の中でのつながりを集結させる1日に必然的になってきてますね。

BASI マシさんは、代官山LOOPでツーマンライブをして以来お世話になってて、ネバフ(「Neighborhood」。韻シスト主催の定期イベント)のレギュラーDJですし、「夏びらき」だけの付き合いじゃないんですよね。

AFRA 僕も一緒に新宿でイベントやったり、こないだもDJで一緒に大阪に行ったりしました。

高橋 イベンターとしての日頃のつながりの集大成というのがまず1つ。でも心がけてるのは、PUSHIMさんにせよ韻シストにせよ、RHYMESTER、SOIL、TOSHI-LOWさんにせよ、みんな20年選手の大先輩なんですよ。その皆さんはほぼ毎年、特別なスケジュールがない限り出てくれていて。一方で若手のアーティストと言うか、今言った皆さんに影響を受けて現在進行系でがんばってるアーティストのみんなも絶対にラインナップに入れていきたいと思ってて。なんとなくですけど、1日あたりレジェンド6:若手4くらいになるよう心がけてます。

PUSHIM へえー。

高橋 ラインナップをよく見るとわかると思います。今年で言うと、7月15日はRHYMESTERとかPUSHIM×韻シストっていうベテランがいて、iriちゃん、LUCKY TAPES、Neighbors Complainみたいな若手がいる。そういうバランスは大阪も福岡も考えてますね。

──開催12年目ということで、長く愛されている理由はどういうところだと思いますか?

PUSHIM やっぱりマシさんの力、ネットワークじゃないですか。私と韻シストも去年からGroovillage(PUSHIM主宰レーベル。韻シストも所属)のフェスをLIQUIDROOMでやってるけど、フェスをやるのは楽しい半面大変なこともいろいろありますよね。それを12年続けるってすごいなと思うし、そこにマシさんの顔がなかったら難しいかもしれないですね。

高橋マシ

高橋 ありがとうございます。僕のやり方は、とにかく直接お客さんに感想を聞く。それは「夏びらき」に限らずすべてのイベントで心がけていることです。

BASI マシさん、めっちゃウロウロしてますもんね。合点いったなあ。あれ意味あるんですね。掃除とかの美化意識もきっと根底はそこだと思うんですよね。マシさんに賛同したスタッフさんがいて、そこにお客さんやアーティストがつながってるような気がするんで。

PUSHIM マシさんは「夏びらき」のマスコットキャラクター、ゆるキャラ(笑)。

高橋 12年やってるとお客さんの顔も覚えてきます。これ毎年思い出すんだけど、友達同士だった男女が「夏びらき」に来たのをきっかけに付き合って、結婚して、ついには子供連れて「夏びらき」に来たんですよ。しかもそういう話は1組だけじゃない。っていうの見ると、やっててよかったなあと思いますね。

AFRA 「夏びらき」で縁結び。ひらいて結ぼう(笑)。

BASI 来年からそのキャッチコピーにしたらええんちゃいます!?(笑)

AFRAとPUSHIMの高校時代から続く縁

高橋 皆さんの付き合いはめちゃくちゃ古いですよね?

BASI 僕らとPUSHIMさんは存在だけ知ってた期間が長くて、コラボし出したのが3年前。

PUSHIM まだ3年しか経ってへんって不思議やなあ。すっごい濃いから。

高橋 AFRAくんとPUSHIMさんは?

PUSHIM お互いデビューしてから出会ったんやけど、共通点がめっちゃ多くて。実は高校一緒なんですよ。

高橋 マジすか!?

PUSHIM 私が5歳上なんでかぶってないけど。同じ高校やと噂は聞いてたものの会う機会がなかなかなくて、新大阪駅のホームで初めて会ったね(笑)。

AFRA

AFRA 僕も「PUSHIMさんは先輩やで」って話は聞いてて、どっかで会えたら学校のこと話したいわと思ってたんです。で、ある日、新大阪駅で「あ、PUSHIMさん! 工芸高校ですよね!?」「そうやんなー!!」って言いながら駆け足ですれ違って(笑)。

一同 あははは!(笑)

PUSHIM で、お互いの子供が同い年で、同じ幼稚園に行って、今同じ小学校にいる(笑)。

AFRA 地元の駅も隣同士やし。なんか縁があるんですよね。

BASI 2人が行ってたのって美術系の高校やったんですよね? でも2人共、あんまり絵がうまいことを前面に出さないでしょ。で、たまにTシャツとかでサラッとごっついの描くじゃないですか。あれめっちゃカッコええですよ! その出し方とかタイム感とかも似てるんすよ!

PUSHIM

PUSHIM なんで怒ってんの(笑)。いやいや、そんなん言うたら韻シストはもちろんだけど、BASIのソロのアートプロダクトもヤバイよ。曲からミュージックビデオからジャケから。なんであんなカッコええの!

──PUSHIMさんまで怒らないでください(笑)。

AFRA なんか韻シストとBASIソロのスイッチがあるよね。アーティストとしてアウトプットが2つあるって、どうやって共存させてんのかなって思うよ。しかも両方ラップなのに世界観をちゃんと分けてて。かぶらへんのがすごいなって。

BASI あー、AFRAにそんなん言われたらうれしい。近いところで活動してるだけに。それ、「絵うまいのカッコええ」って言ったから褒めてくれたんちゃうよな?

PUSHIM ホンマに思ってるよ!(笑) もっと具体的に言ったら「TO THE NEXT」のミュージックビデオ観ても、あんなに毛皮似合う人なかなかいないと思ったし。そういう自分の見せ方とかラップの仕方、全部ちゃんとプロデュースできててすごいなって。

AFRA それ、自分のこと褒めさせるために言うたん?

BASI 堂々巡りや!(笑)

夏びらきMUSIC FESTIVAL 2018
夏びらき MUSIC FESTIVAL 2018

2018年7月1日(日)
大阪府 服部緑地野外音楽堂

出演者 RHYMESTER / Rickie-G / FIRE BALL / SCOOBIE DO / LUCKY TAPES / 吉田山田 / bird / Secret artist / and more

2018年7月7日(土)
福岡県 天神コア 屋上広場

出演者 RHYMESTER / Rickie-G / AFRA×BROKEN SPORT(JAZZY SPORT) / LUCKY TAPES / Michael Kaneko / YOKOYURE / Neighbors Complain / and more

2018年7月8日(日)
福岡県 天神コア 屋上広場

出演者 PUSHIM with HOME GROWN / FIRE BALL with HOME GROWN / HOME GROWN / 奇妙礼太郎 / SCOOBIE DO / 向井太一 / 吉田山田 / TAKUJI / and more

2018年7月14日(土)
埼玉県 所沢航空記念公園野外ステージ

出演者 PUSHIM with HOME GROWN / FIRE BALL with HOME GROWN / HOME GROWN / Rickie-G / Michael Kaneko / Shunské G & The Peas / TAKUJI / and more

2018年7月15日(日)
埼玉県 所沢航空記念公園野外ステージ

出演者 RHYMESTER / PUSHIM×韻シスト / LUCKY TAPES / 向井太一 / Neighbors Complain / iri / and more

2018年7月16日(月・祝)
埼玉県 所沢航空記念公園野外ステージ

出演者 SOIL & "PIMP" SESSIONS / SCOOBIE DO / 韻シスト / 奇妙礼太郎 / Creepy Nuts / bird / and more

PUSHIM(プシン)
PUSHIM
大阪出身の女性シンガー。1995年から活動を始め、1999年6月にシングル「BRAND NEW DAY」でメジャーデビューした。当初は時代背景ゆえR&B主体の作風だったが、2001年7月リリースの2ndフルアルバム「COLORS」でレゲエの資質を全面的にアピール。以降“クイーン・オブ・レゲエ”としてダンスホール / レゲエシーンで不動の地位を確立している。ソウルフルかつ表現力豊かな声でレゲエのみならずソウル、ジャズ、ゴスペルまで歌いこなし、ほかのアーティストの作品にもたびたび参加。2014年にはレディースアパレルブランド・Tome2H(トミトエイチ)のプロデュース、2015年には自身のレーベル・Groovillageの設立と、歌手以外にも活動の幅を広げている。2018年2月には韻シストとのコラボミニアルバム「TO THE NEXT」をリリースした。
韻シスト(インシスト)
韻シスト
1998年5月に結成されたバンド編成による生演奏ヒップホップグループ。大阪を中心にライブ活動を展開し、2001年に1stミニアルバム「ONE DAY」を発表する。その後「SUMMER SONIC」をはじめとするフェスやイベントに出演。2006年10月に自主レーベルから発売したアルバム「FONKY & LOVE」はヒップホップの枠を超え、多くの音楽ファンに支持された。数度のメンバー・チェンジを経て、現在のメンバーはBASI(MC)、サッコン(MC)、TAKU(G)、Shyoudog(B)、TAROW-ONE(Dr)の5人。TAKU、Shyoudog、TAROW-ONEの3人は韻シストBANDとしても2013年にアルバム「Rest of my life」をリリースしている。2016年にはPUSHIMが主宰するレーベル・Groovillageに合流し、同年6月にアルバム「CLASSIX」を発表。2018年2月にはPUSHIMとのコラボミニアルバム「TO THE NEXT」をリリースした。
AFRA(アフラ)
AFRA
大阪出身のヒューマンビートボクサー。1996年にアメリカ・ニューヨークのセントラルパークで観たThe Rootsのビートボクサー・Rahzelのパフォーマンスに衝撃を受けて独学でビートボックスを始め、高校卒業後ニューヨークへ単身渡米。2003年に日本人初のビートボックスアルバムとなる「Always Fresh Rhythm Attack!!!」をリリースする。2004年に出演したFUJI XEROXのテレビCMがお茶の間で話題を呼び、これが日本にヒューマンビートボックスを広める結果に。2005年に啓、K-MOONと共にヒューマンビートボクサーユニット・AFRA & INCREDIBLE BEATBOX BANDを結成する。2016年7月には約7年ぶりのソロアルバム「OHAYO」を発表した。
高橋マシ(タカハシマシ)
高橋マシ
SLD Entertainment Inc.に所属し、東京・代官山LOOP、神奈川・横浜LOOP、神奈川・鎌倉LOOPといったライブハウスのプロデュースを担当。2007年から開催されている野外フェス「夏びらき MUSIC FESTIVAL」を主宰する。またラジオパーソナリティを務めたり、DJとして韻シスト主催のパーティ「Neighbor Food」にレギュラー出演したりといった顔も持つ。