音楽ナタリー Power Push - nano.RIPE

長い旅路を経て真のツアーバンドへ

「47都道府県ご当地タキオン」

──47都道府県ツアーはすでに後半戦に突入していますが、皆さんがツアーで楽しみにしていることって何かありますか?

青山 実は僕、ツアーで回っている47都道府県のグルメレポートするっていう企画をやってて。すでに30カ所以上ツアーで回ってるから、グルメレポートも同じ数やってます。

きみコ そう。おいしいもの食べまくってるんですよ。

青山 各地でお客さんに「何がおいしいですか?」って聞いて、オススメしてもらったものを食べに行くんです。それで写真を撮って公開するっていう、最高ですねこの企画。

──ちなみに一番おいしかったグルメはなんですか?

青山 悩ましいなあ……。宮崎のチキン南蛮かな。あれは最高においしかった。とにかく鶏がすごくおいしくて。でも勧めてもらったところはどこもおいしくて、たまにライブよりグルメがメインなんじゃないかって思っちゃうくらいです(笑)。

──各地のグルメに出会えるのもツアーならではのだいご味ですよね。

アベ 僕は各地の城を見に行ってるんですよ。歴史は苦手なんですけど、人が作ったデカいものを見るのが好きで。今のところ熊本城が一番すごかったですね。

青山 熊本城は石垣がカッコいいんですよね。

アベ 歴史をちゃんと勉強してればよかったって思いました。勉強しようかな。

きみコ ジュンはどっか行ったりしてる?

ライブツアー「5th anniversary program Vol.2 nano.RIPE TOUR 2015『47.186』」の様子。

ササキ 僕はどこかに行ったりしてるわけじゃないけど、ご当地といえば、ライブ中のコール&レスポンスで毎回違うことをやるようにしていて。「タキオン」って曲中にやるので「47都道府県ご当地タキオン」って呼んでるんですけど。

きみコ 名古屋なら「シャチホコ」とか、岡山なら「桃太郎」とか。その言葉と振付を考えるのがジュンの仕事なんです。

青山 ぼくらのライブの名物と化してますね。

ササキ 毎回考えるのがすごい大変なんですよ。みんなにダメ出しされるし。

きみコ 「今日のはちょっとパンチがなかったね」とか言うから(笑)。

──47都道府県すべて違うコール&レスポンスを考えるのは確かに大変そうですよね。

ササキ そうなんです。ライブのギリギリに思い付くときもあるし、甲府公演のときは、前の曲のときに決めて。

──ちなみにそのときはどんな言葉に?

ササキ 甲府だから名物の「ほうとう」にしようかと思ってたんですけど、それじゃあ普通すぎるかなと思って「ハフッハフッ」にしたんですよ。ほら、ほうとうって熱いじゃないですか。そうしたらメンバーにすごいダメ出しされて。

きみコ 言いにくいし「フーフー」じゃないの?って(笑)。

ササキ たまに褒められることもあるんですけどね。「今日のは最高だったよ」って(笑)。

次はZeppツアーを

──前回のインタビューで今後の目標を聞いたとき「47都道府県ツアーを回る中で、次にやりたいことも見えてくる」とおっしゃっていました。まだツアーの途中ですが、次にやりたいことのビジョンは見えてきていますか?

青山 やっぱり僕は海外ツアーがやりたいかな。47都道府県でやれば、ある意味日本は制覇したことになるから。次は海外を回りたい。

アベ 実際中国でのイベントに出させてもらったりしてるから、夢が叶う日もそう遠くないかもしれないよね。

──アベさんはどうですか?

アベ 今回のツアーの合間にアコースティック編成でファンクラブイベントをやってたんですけど、それが個人的にけっこう気に入っていて。ライブハウスでたくさんのお客さんと盛り上がるのもいいんですけど、アコースティックライブとかお客さんと近い距離でやるライブも面白いんですよね。ライブの規模を大きくしていきたい気持ちを持ちつつ、お客さんと近い距離でライブをやることも続けていきたいなって思っています。

ササキ 僕はまた同じ場所でライブがしたいんです。47都道府県を回ってるわけだけど、これで終わりにしちゃいたくないんですよね。先になっちゃうかもしれないけど、「ただいま」って言って戻ってくることって意味があるなと思って。一気に全部を回れないかもしれないけど、少しずつまた各地でライブをしたいですね。

きみコ 今まで「nano.RIPEはツアーバンドだ」って偉そうに言ってきたんですけど、実際には各地の主要都市中心に回っていて。今回本当に全国を回ってやっと胸を張って「ツアーバンドだ」って言えると思うんです。ライブをする中で「5年前から好きで今日初めてライブ観に来ました」って言ってくれる子とかがすごく多くて。やっぱりきめ細かく回らないと出会えない人がいるってことを実感したし、これからもツアーバンドで居続けるためにはジュンが言ったようにみんなにぼくらから会いに行かないとなって思いました。それとはまた別の目標として、あたしはZeppツアーをやりたいなと思っています。

ササキアベ青山 おお!

きみコ みんなにきめ細かく会いに行きたいっていう気持ちももちろんあるけど、もっと大きいところでやりたい気持ちもあるんです。だから次はZeppツアーができるようにnano.RIPEも歩き続けなきゃいけないなって思ってます。

ライブ情報

5th Anniversary Program Vol.2 nano.RIPE TOUR 2015 「47.186」(※終了分は割愛)

  • 2015年7月29日(水)茨城県 club SONIC mito
  • 2015年7月30日(木)千葉県 ANGA
  • 2015年9月5日(土)北海道 COLONY
  • 2015年9月6日(日)北海道 苫小牧ELLCUBE
  • 2015年9月9日(水)青森県 LIVE HOUSE SUNSHINE
  • 2015年9月10日(木)秋田県 秋田LIVE SPOT 2000
  • 2015年9月12日(土)岩手県 the five morioka
  • 2015年9月13日(日)宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX
  • 2015年9月15日(火)山形県 Sandinista
  • 2015年9月17日(木)福島県 LIVE STAGE PEAK ACTION
  • 2015年10月10日(土)沖縄県 Output

5th anniversary program Vol.3「しあわせのくつ」

  • 2015年9月26日(土)東京都 赤坂BLITZ
ニューシングル「こだまことだま」2015年7月22日発売 / Lantis
CD+DVD / 2268円 / LACM-14372 / Amazon.co.jp
アニメ盤(CDのみ) / 1296円 / LACM-14373 / Amazon.co.jp
CD収録曲
  1. こだまことだま
  2. みずたまり
  3. 日付変更線 ※CD+DVD盤のみ
CD+DVD盤 DVD収録内容
  • こだまことだま(Music Video)
  • MAKING OF “こだまことだま”機材編 / レコーディング編 / ミュージックビデオ撮影編
  • ライブ映像「深窓音楽演奏会 其の壱」2014.9.23 Live at Shinjuku BLAZE ※nano.RIPEの出演部分のみ
    1. 透明な世界
    2. なないろびより
    3. 月花
    4. ハナノイロ
    5. 面影ワープ
    6. リアルワールド
    7. 影踏み
nano.RIPE(ナノライプ)

nano.RIPEきみコ(G, Vo)、ササキジュン(G)、アベノブユキ(B)、青山友樹(Dr)による4人組バンド。2004年にきみコとササキジュンを中心に結成された。自主制作で2枚のシングルとアルバムをそれぞれ発表。2008年にはアルバム「空飛ぶクツ」をインディーズからリリースした。2010年9月にアニメ「花咲くいろは」のイメージソングとなった「パトリシア」でメジャーデビュー。翌2011年10月には、「パトリシア」を含む5枚のシングル曲を収録したメジャー1stアルバム「星の夜の脈の音の」を発表した。2015年4月に4thアルバム「七色眼鏡のヒミツ」をリリース。さらにこのアルバムを携えた47都道府県ツアー「5th Anniversary Program Vol.2 nano.RIPE TOUR 2015『47.186』」をスタートさせた。7月にはアニメ「のんのんびより りぴーと」のオープニングテーマ「こだまことだま」を表題曲に収録した14枚目のシングルを発表。また9月にはバンド初のシングル集「シアワセのクツ」をリリースする。