ナタリー PowerPush - ナノ
初シングルの魅力語る&岸尾だいすけと濃厚対談
ナノ×岸尾だいすけ対談
身近な人を笑わせるのが僕の使命
──ここからは、ナノさんとの共通点もいろいろあるという岸尾だいすけさんにも会話に加わっていただきたいと思います。そもそもお2人が最初に会ったのはいつ頃なんですか?
ナノ Ustreamじゃないですかね?
岸尾だいすけ 僕がやってるUstreamの番組「岸尾だいすけのCD発売宣伝企画室発足祝い~壊れかけるレィディオ~」の2回目かな。
ナノ 自分はたまたまレコーディングでスタジオにいて、岸尾さんは番組のためにスタジオにいらして、そこで初めてご挨拶したんです。で、普通は挨拶だけで終わるんでしょうけど、岸尾さんが番組の中でご自身の曲を紹介するところなのに、「nanoir」に入ってる「magenta」をかけて宣伝してくれたんですよ。
岸尾 だって挨拶してもうバイバイかと思ったら、番組の様子を観てくっていうから、じゃあちょっと面白いことやんなきゃいけねえなって。お客さんも面白いと感じてくれるかなと思ったし、とりあえず身近な人を笑わせるのが僕の使命だと思ってるので、まずはナノっちを一発笑わせたと。
ナノ 観てた人も「え? え?」ってカオスなことになってましたね(笑)。
岸尾 楽しかったですよ。
──それに対して、ナノさんも「nanoir」発売記念のニコニコ生放送特番「"nanoir" 全部ここで聴かせちゃうんだからねっ!」で、自分の曲をかけずに岸尾さんの曲をかけてましたが(笑)。
ナノ 完全にやり返しましたね(笑)。
岸尾 僕はその場にはいなかったんで残念でしたけど。お互いレーベルメイトとして、良い宣伝になったんじゃないかな。
──これがきっかけになって、お互いのファンがナノさんや岸尾さんの音楽に興味を持ち始めたらいいですよね。
岸尾 もしそうなったら、それはナノっちの歌がいいからだよ。
ナノ いやいやいや。
岸尾 こういうふうに言うとウソ臭くなるけど、本当ですよ(笑)。
笑いを欲しがる性格だけど音楽は真面目にやりたい
──岸尾さんは最初にナノさんの曲を聴いたとき、どう感じましたか?
岸尾 いやもうカッコいいし、なんでああいう曲を僕にくれないのかなって、ちょっと思ってましたね。
一同 あははは!(笑)
岸尾 あと、英語がすげえなって。やっぱニューヨーク生まれだよなって! 僕だって英語じゃなければ、がんばれるのに。
──なるほど(笑)。ナノさんは岸尾さんの曲を聴いてどう思いました?
ナノ 岸尾さんの歌声って普段喋ってるときや声優として演技してるときとは全然違って、「へっ、こんなにカッコいいんだ!」って思って。アルバム「BIRTHDAY」は本当に何度も何度も聴き返しました。
岸尾 まあギャップっすかねえ。
ナノ ギャップ萌えってやつですか?
岸尾 だったらいいですね。
ナノ 声優さんが歌うアルバムだけど、「BIRTHDAY」の収録曲ってキャラソンとまた違うじゃないですか。だから、聴く前から「岸尾さんのどういう色が出てくるのかな?」って楽しみにしてたんです。
岸尾 ちょっと真面目なことを言うと、僕はエンターテイナー的なことで笑いを欲しがる性格ではありますけど、こと音楽に関しては真面目にやりたいなって。その思いがスタッフにもちゃんと伝わって、これだけ良い作品にしてもらえたんで本当に良かったです。
「こんなにも違う世界を観てるんだ」っていい刺激に
──ナノさんも岸尾さんも作詞をしますが、お互いの歌詞を読んで「ここはいいな」って思うところはありますか?
ナノ 岸尾さんの歌詞を読むと、自分じゃ絶対に出てこない発想がたくさんあって。「こんなにも違う世界を観てるんだ」っていい刺激になります。
岸尾 ナノっちの歌詞のカッコいいところは、さっきも言ったけど英語だよね。英語が喋れれば仕事の幅も広がるだろうし、いいなと思うんですけど……羨望するだけして、別に駅前留学とかするわけでもなく(笑)。今度「(声色を変えて)なんて読むの~? なんて発音するの~?」って教えてもらおっかな?
ナノ ぜひぜひ!(笑)
岸尾 「Just Be Friends」とか聴いてると、最初は日本語詞なのに途中から英語詞に変わってて。そこがカッコいい。天地が逆さになっても……いや逆さになればできるかもしれないですけど、今の状態の僕じゃ全くもってできないことですから。
ナノ 岸尾さんが急にイケメンボイスで台詞を言うときみたいな感じですよ、きっと。
岸尾 (急にイケメンボイスで)ただ日本語から英語に変わるインパクトには勝てないと思いますけどね。
一同 あははは!(笑)
作詞は進化した言葉遊びみたいなところがある
──岸尾さんは今回、「BIRTHDAY」で初めて作詞に挑戦したんですよね?
岸尾 そうですね。すごく楽しかったですよ。
──作詞自体はすんなりできた?
岸尾 最初の歌詞が2~3時間で完成したのもあって、まだ産みの苦しみは本格的には味わってないかも。とにかく書きたいことがいっぱいあって、それがツルッと出てきたんで。僕は元々言葉遊びが好きなんですけど、作詞って進化した言葉遊びみたいなところがあるのかなって思いました。
──なるほど。ナノさんは曲によって日本語詞と英語詞を書き分けたり混ぜたりしてますが、そこで苦労することはありますか?
ナノ 日本語詞を書いてるときに、英語の表現は思いつくんだけど日本語だとそれと同じ表現がなかなか思い浮かばないってことはあります。でも、基本的には歌詞を書くことがそこまでつらいとは自分もあまり感じたことがなくて。多分自分は喋るのが好きだから、いくらでも言いたいことが出てくるんじゃないんですかね。
ナノ
アメリカ・ニューヨーク州出身、7月12日生まれ、血液型B型というプロフィール以外は明かされていない、新進気鋭のバイリンガルシンガー。2010年12月29日に動画投稿サイト「ニコニコ動画」に、人気VOCALOID楽曲「モザイクロール」を自作の英語詞でアレンジし投稿。この動画がわずか3日で、サイト内ジャンルランキング1位を記録した。その後も数多くのVOCALOID楽曲の英語詞アレンジや洋楽カバー曲を投稿し、卓越した歌唱力と堪能な英語力でリスナーを魅了。2011年6月に発売されたbuzzGのアルバム「祭囃子」にゲストボーカルとして参加し、大きな注目を集めた。2012年3月に初のアルバム「nanoir」で待望のメジャーデビューを果たす。また、テレビアニメ「ファイ・ブレイン~神のパズル」第2シリーズのオープニングテーマに、新曲「Now or Never」が決定したことでも注目を集めている。同年5月、初のシングル「Now or Never」をリリース。
岸尾だいすけ(きしおだいすけ)
愛媛県出身、3月28日生まれの声優。アニメ「デトロイト・メタル・シティ」の根岸崇一役、「ゾイド」のバン・フライハイト役や、ゲームソフト「FINAL FANTASY XIII-2」のノエル・クライス役、海外ドラマ「glee ~シーズン2」のブレイン役など幅広い役柄を演じ、人気を集める。2012年3月28日の誕生日には、自身で作詞した楽曲を含む歌手デビューアルバム「BIRTHDAY」をリリース。6月10日に東京・原宿アストロホールで初の単独ライブ「GalaxyTourFirst・Tokyo in Japan of the earth ... Yes, Jukuhara!!!」を開催する。