ナタリー PowerPush - NANO-MUGEN FES.2012

アジカン山田&伊地知が語る 今年の見どころ、聴きどころ

「出ない?」って言われなかったから自分でアプローチ

──そして、潔さんのバンドPHONO TONESも、GUESTReALM(伊地知がプロデュースする会場内のバースペース)に出演しますね。

伊地知 これもギリギリになって「出れませんか?」って小声で言って(笑)。「出ない?」って言われるかなあって思って待っていたんですけど、言われなかったんで、自分でアプローチしました(笑)。

──GUESTReALMでのライブは、どんな感じになるんでしょうね。

伊地知 去年も磯部(正文)さんと弾き語りをやったんですけど、結構たくさん人が入るんですよ。なので、ちゃんとステージを作って、普通に楽器を置いてやろうかなと思っています。

伊地知潔(Dr)

──アジカンを含めて1日2ステージになりますね。

伊地知 そうそう。山ちゃんもでしょ?

山田 はい、里菜ちゃんのバックで出ますよ。あと、FEEDERの音源にゴッチが参加していたし、メンバーがいろんなところで出てくることを楽しみに来る人もいると思いますよ。やるかやらないかは別として。

伊地知 建ちゃんがSUEDEでギターを弾いたり!? ……絶対にないですけど(笑)。

山田 去年ASHに参加したときも大変だったんですけど(笑)。

伊地知 メンタル激弱だからね(笑)。

山田 まず、その後のアジカンのライブが大事だからね(笑)。

ゴッチがコンピに入れたがった「夜を越えて」

──今年もリリースされるコンピの話も伺いたいんですが、アジカンは新曲「夜を越えて」で参加しています。今年2月の日本武道館ライブでもちらっと演奏されたのが、すごく印象に残っています。

山田 アンコールで、ゴッチが突然弾き語りしたんですよね。

伊地知 弾き語りでは、結構前からやっていたんです。

山田 「マーチングバンド」の後に、もう1曲作らないとってなって……。

伊地知 でも、なかなかできなくて。ゴッチは髪の毛を掻きむしりながら「もうできねぇよ!」ってなっていたんですけど、突然「できたから聴いてみて」って。そうしたら「何この曲!?」って、すごく興奮したよね。こういうテンポ感のある曲は久しぶりだし。

山田 うん、メジャー進行でスコーンっていう。ゴッチがコンピに入れたがったんだよね。歌詞の内容とかもあるんでしょうけど。

伊地知 あと、最近はセッションで曲を作ってたんですけど、この曲はゴッチが弾き語りで持ってきた。そういう意味でも珍しいですよ。

山田 アレンジの段階では、もうちょっと複雑にしようと思ってたんです。でもストレートに落ち着きましたね。内面的な歌詞だけど、曲が明るく響くから、ちゃんと入りやすくなっているんだと思います。

今の「NANO-MUGEN」は完璧だと思っている

──自分たちの曲以外で、コンピで推し曲ってありますか?

伊地知 やっぱりDr.DOWNERを推したいですね。アングラでヒネくれたところもあったけど、今回の曲では開けていこうみたいなバンドのモードも感じるし。

山田 僕が推したいのも、変わらず片平なんですけど(笑)。

伊地知 じゃあ、PHONO TONESも推してよ!(笑)。

山田 潔が推せばいいじゃん(笑)。あと、シェフもカッコよかったな。

──the chef cooks meも、新作は後藤さんプロデュースですよね。

伊地知 あとは、The Cigavettesも超カッコいいですよね! 呼びたいね、ってゴッチと話していたんです。

──the chef cooks me、The Cigavettesなどなど、サーキットのメンツの曲も注目だと。こうしてコンピが完成すると、いよいよ「NANO-MUGEN」の夏が始まる、という感じがしますね。

山田 もうサーキットは始まりますからね(※この取材が行われたのは5月下旬)。他のバンドを観ると単純に刺激を受けるという意味では、フェス自体が好きなので。しかも「NANO-MUGEN」は自分たちが主催しているんで、つながりから独特の空気感は出るでしょうね。

──最後に、潔さんに今年の意気込みで締めていただきましょう!

伊地知 しばらく思考錯誤しながらやっていましたけど、何年か前にだいたいの完成形が見えてきて、今はステージから、外タレや日本人のバランスも含めて完璧だと思っているんで、今年も絶対に成功するっていう自信はあります。ライブも全力でやりますよ! あとは、今年もMCとかでステージに出ていくと思います。好きなアーティストを呼んでいるんで、聴いてほしいから。そこでお客さんが聴く音楽の幅も広がっていけばいいですね。

写真左から伊地知潔(Dr)、山田貴洋(B, Vo)

ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN FES. 2012

2012年7月15日(日)
神奈川県 横浜アリーナ
OPEN 10:00 / START 11:30
<出演者>
ASIAN KUNG-FU GENERATION / FOUNTAINS OF WAYNE / MOTION CITY SOUNDTRACK / MATES OF STATE / FEEDER / ストレイテナー / SPACE COWBOY / 秦基博 / Dr.DOWNER / PHONO TONES
and more

2012年7月16日(月・祝)
神奈川県 横浜アリーナ
OPEN 10:00 / START 11:30
<出演者>
ASIAN KUNG-FU GENERATION / FOUNTAINS OF WAYNE / MOTION CITY SOUNDTRACK / MATES OF STATE / SUEDE / the HIATUS / チャットモンチー / 10-FEET / Chara / 80KIDZ / 片平里菜 / PHONO TONES
and more

DISC1
  1. 夜を越えて / ASIAN KUNG-FU GENERATION
  2. フランジングサン / bloodthirsty butchers
  3. オルタナ・ガールフレンド / Chara
  4. Yes or No or Love / チャットモンチー
  5. Pascal & Electus / the chef cooks me
  6. We Rolled Again / The Cigavettes
  7. ロストホープ / Dr.DOWNER
  8. Turbo Town / 80KIDZ
  9. IDAHO / FEEDER
  10. Someone's Gonna Break Your Heart / Fountains Of Wayne
  11. 朝が来る前に / 秦基博
DISC2
  1. Superblock / the HIATUS
  2. 東京 LIFE / 岩崎愛
  3. 始まりに / 片平里菜
  4. PALOMINO / Mates of State
  5. True Romance / Motion City Soundtrack
  6. Underneath My Tree / OZMA
  7. The World Is Yours / PHONO TONES
  8. ほどけた靴紐 / QUATTRO
  9. ネクサス -acoustic version- / ストレイテナー
  10. Trash / SUEDE
  11. 淋しさに火をくべ / 10-FEET
ASIAN KUNG-FU GENERATION
(あじあんかんふーじぇねれーしょん)

1996年に同じ大学に在籍していた後藤正文(Vo, G)、喜多建介(G, Vo)、山田貴洋(B, Vo)、伊地知潔(Dr)の4人で結成。渋谷・下北沢を中心にライブ活動を展開し、エモーショナルでポップな旋律と重厚なギターサウンドで知名度を伸ばす。2003年にはミニアルバム「崩壊アンプリファー」がキューンレコードから異例の再リリースとなりメジャーデビュー。同年「FUJI ROCK FESTIVAL '03」や「SUMMER SONIC 2003」などの夏フェスに出演し、メジャー1stアルバム「君繋ファイブエム」を発表。2004年には2ndアルバム「ソルファ」でオリコンウィークリーチャート初登場1位を獲得し、初の日本武道館ワンマンライブを行った。2010年には映画「ソラニン」の主題歌として書き下ろし曲「ソラニン」を提供し、大きな話題を呼んだ。2003年からは自主企画によるフェスティバル「NANO-MUGEN FES.」を開催。海外アーティストや若手の注目アーティストを招き、幅広いジャンルの音楽をファンに紹介する試みも積極的に行っている。2012年1月には初のベストアルバム「BEST HIT AKG」を、4月には最新シングル「踵で愛を打ち鳴らせ」をリリースした。6月27日発売のコンピレーションアルバム「ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN COMPILATION 2012」には、新曲「夜を越えて」が収録される。