音楽ナタリー Power Push - 南波志帆

3年の修行期間を経て見つけた“ときめき”ワールド

南波志帆×吉澤嘉代子 対談

共通項は「どことなくなじめていない感じ」

左から南波志帆、吉澤嘉代子。

──お2人の初対面はどんな感じだったんですか?

南波志帆 最初は共通の知人の紹介で……。

吉澤嘉代子 なんか怪しい(笑)。

南波 ありがちな出会いの場みたいな(笑)。ミュージシャンやデザイナーの子が集まる大がかりな女子会みたいなのがありまして。普段はあまりそういうのに参加しないタイプなんですけど、初めて参加してみたら運命的な出会いが、という。

吉澤 私も同じです。そういう集まりに参加するタイプじゃないんですけど、ちょっとがんばってみようかなあと思って飛び込んでみて。緊張しすぎて、「趣味は?」って聞かれて「本を読むことかなあ」って答えたらすぐに会話が終わっちゃったり(笑)。隣が志帆ちゃんだったので、ずっと肩が触れていたんですけど、それが寄り添ってくれてるような感じがあって、すごく心地よかったんです。

南波 その「どんな本を読むの?」という会話の流れで、かよぽんがサラッと「三島由紀夫の『黒蜥蜴』とか……」って言ってて。横で話を聞きながら「この子は何か違う」と思ったんです。そこから話すようになったので、隣でよかったなあって。たぶん、お互いにどこか同じ匂いを感じ取ってたんだと思います。どことなく会になじめていない感じ(笑)。私もがんばって参加したので。

吉澤 そうだったんだあ。

──吉澤さんには無理してるようには見えなかった?

吉澤 むしろ卓の会話を回しているような(笑)。どんなに話がふわっとしたほうに流れてもうまくまとめてたから「これがトーク力というものか」と。

南波 あはははは(笑)。それが1年半ぐらい前かなあ。そのあとも3回ぐらい、共通の知人を介した集まりがあったんですよ。

──何度か顔を合わせるうちに、初対面で感じた「同じ匂いがする」という印象が少しずつ確信に変わってきたと。

南波 そうなんです。かよぽんは見た目がかわいらしいし、ふわっとしてるんだけど、発言が全部核心を突いているというか、真ん中を射抜く発言が多くて。あともちろん、かよぽんが作る音楽にも惹かれるものがあったので、どうやってこの距離を縮めていこうかなと思って、思い切って連絡先を聞きました。

吉澤 そのあと志帆ちゃんが私のライブに来てくれたとき、「最強と思いました」という感想をくれたんです。その言葉のセンスが面白いなあと思いました。

「不思議ちゃん」って言われがちな2人

──仲良しになってから印象が変わったところはありますか?

吉澤 初めに思い描いていた、「こういう人だったらいいな」という人でしたね。

南波 私もまったく同じだし、会えば会うほどかよぽんのことが好きになっちゃう。いち女の子としても、アーティストとしても憧れの人です。

──2人の一番の共通点は?

左から南波志帆、吉澤嘉代子。

南波 なんだろう……。「不思議ちゃん」って言われがち。

吉澤 あー。確かに。それを否定するために生きてますけど(笑)。

南波 私もです(笑)。

──逆に一番違うところは?

南波 私はなんだろうなあ。かよぽんって絶対的に乙女なところがあって、そこが私とは全然違うし、憧れるところですね。操る言葉も素敵ですし、全体的にそこはかとなく品があって。だけどただかわいいだけじゃなく、ちゃんと芯を持っているところが……乙女界のカリスマみたいな。

吉澤 えー(笑)。どうしよう。

南波 私はついついおじさんが出てきちゃうタイプなので。こういう女の子が理想だなあ、っておじさん目線で本当に思う。

吉澤 ……あー、私もそうやってうまくいっぱい言いたい。いろいろ思ってるんですけど、なんて言っていいのかわかんない! 初めて2人きりで会ったとき、自分が抱えていたモヤモヤした思いを打ち明けたらすごく丁寧に、なおかつ的を射た実践的な答えを返してくれたので、本当に素敵で優しい人だなって思いましたね。

南波志帆 ニューアルバム「meets sparkjoy」 / 2016年4月6日発売 / 3024円 / sparkjoy records / SPJR-001
南波志帆 ニューアルバム「meets sparkjoy」
TOWER RECORDS ONLINE
Amazon.co.jp
収録曲
  1. Good Morning Sunshine

    [作詞:fifi leger / 作・編曲:THE CHARM PARK]

  2. 夢じゃない。

    [作詞:fifi leger / 作・編曲:THE CHARM PARK]

  3. necco

    [作詞:持田香織 / 作曲:Tore Johansson、Martin Gjerstad、Susanne Johansson / 編曲:Tore Johansson]

  4. コバルトブルー

    [作詞・作曲:ブルー・ペパーズ / 編曲:the sparkjoy band]

  5. Coffee Break

    [作詞:THE CHARM PARK、fifi leger / 作・編曲:THE CHARM PARK、URU]

  6. ミモザ

    [作詞:佐川ちとせ / 作曲:sugar me / 編曲:the sparkjoy band]

  7. おとぎ話のように

    [作詞・作曲:吉澤嘉代子 / 編曲:the sparkjoy band]

  8. トラベル

    [作詞:tofubeats / 作曲:Tore Johansson、Martin Gjerstad、Vilma Johansson]

  9. にじいろの街で

    [作詞:fifi leger / 作・編曲:THE CHARM PARK]

  10. Adieu Tristesse

    [作詞:fifi leger / 作・編曲:THE CHARM PARK]

  11. Antique

    [作詞・作曲・編曲:市川和則]

南波志帆(ナンバシホ)
南波志帆

1993年6月14日生まれ。福岡県出身。2008年11月、矢野博康プロデュースによる1stミニアルバム「はじめまして、私。」でLD&Kよりデビューを果たす。2010年6月にはメジャー第1弾ミニアルバム「ごめんね、私。」、2011年7月20日には初のフルアルバム「水色ジェネレーション」、2012年12月には2ndフルアルバム「乙女失格。」をリリース。透明感のある歌声と独特の存在感が話題を呼び、幅広い層から支持を集める。2014年2月にはタルトタタンとのユニット・ナンバタタン、同年6月には5人組クリエイターユニット・xxx of WONDERの一員としてそれぞれCD作品を発表。2016年1月には新たな活動拠点として、タワーレコード内に自身が主宰するレーベル「sparkjoy records」を設立した。4月には同レーベル第1弾作品となる自身のオリジナルアルバム「meets sparkjoy」をリリース。7月には大阪、福岡、東京の3都市を回るワンマンツアー「THE NANBA SHOW 『meets sparkjoy』 tour 2016☆」を開催する。

吉澤嘉代子(ヨシザワカヨコ)
吉澤嘉代子

1990年、埼玉県川口市生まれ。鋳物工場街で育ち、16歳から作詞作曲を始める。2010年11月にヤマハ主催のコンテスト「"The 4th Music Revolution" JAPAN FINAL」に出場し、グランプリとオーディエンス賞をダブル受賞。2013年6月にインディーズ1stミニアルバム「魔女図鑑」でCDデビューを果たす。2014年5月には、日本クラウン、ヤマハミュージックアーティスト、ヤマハミュージックパブリッシングの3社が合同で設立した新レーベル「e-stretch RECORDS」の第1弾アーティストとしてミニアルバム「変身少女」でメジャーデビュー。2015年3月に1stフルアルバム「箒星図鑑」、2016年2月には2ndフルアルバム「東京絶景」をリリースした。4月には初のホール公演を含むワンマンツアー「吉澤嘉代子 絶景ツアー “夢をみているのよ”」を行う。

吉澤嘉代子 2ndフルアルバム「東京絶景」
2016年2月17日発売 / e-stretch RECORDS
吉澤嘉代子「東京絶景」初回限定盤
初回限定盤 [CD+DVD]
CRCP-40446 / 3500円
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吉澤嘉代子「東京絶景」通常盤
通常盤 [CD]
CRCP-40447 / 3000円
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