ナタリー PowerPush - 南波志帆

きらめく「水色ジェネレーション」連想クイズで不思議キャラを探る

たぶん、青春。

──シュールなことを言いがちな南波さんに、あえて直球な質問です。「青春」ってなんですか?

インタビュー風景

よく周りの大人の人たちは「振り返ったときに感じるものが青春だ」みたいなことをおっしゃるんですけど、私たちがリアルタイムに感じてる青春もあると思います。普通に何気なく話をしてるときとか、例えば廊下を走ってて先生に「コラ南波!」と怒られたときとか、そういうときにすごい青春を感じるんですよ。で、友達と「コレって青春だよね!」と言い合ったりしていて。だからリアルタイムに感じる青春というか、もしかしたら今は青春ごっこを楽しんでるかもしれませんね。

──そのシチュエーションを、なぜ青春だと感じるんでしょうね?

ドラマとかによくありがちなことだからかなあ。

──物語のほうが先にあるような。

どうなんでしょう、青春と感じちゃいますけどね。あと、校庭で桜の花びらが舞い散っているのを見たとき「ヤバい!」と思い、友達に「ねえ、青春しない?」と言って、2人でバッと駆け出して、桜の花びらを舞い上げて青春ごっこを楽しんだり。そういうのは割としょっちゅう(笑)。うすうす気付いているんです。普通に友達と何気ない話をしたり笑い合っている瞬間にも、ふとしたときに急にさみしくなって。こうやってみんなで集まることも、卒業したらなくなっちゃうのかなとか、今のみんなと大人になっても一緒に笑い合うことができるのかなとか。楽しいんだけど急に切なくなったりして。そういうのが今の私にとって青春なのかなと思います。

みっつの涙

──次は「みっつの涙」で「涙」について。最近泣いたのはいつですか?

んー……あっ、誕生日だ。ついこないだですね。「こどなの階段」の発売記念イベントで「こどなの主張」というイベントをやったんですよ。記者会見みたいなシチュエーションで、あの、懐から出すお手紙みたいなのありますよね。パラパラめくるやつ。あれに自分で18歳の決意表明を書いて、仰々しい面持ちで読んでいたら……。

──どちらかというとちょっと面白いシチュエーションでしたよね(笑)。

そうそう!「絶対に笑ってはいけないこどなの主張24時」だったんですけど(笑)、いつも応援してくださる皆さんの前で決意表明を読んでいるうちに「15歳のときから始まった自分のストーリーがここまで続いてきている」と思いました。本当にたくさんの人に支えられて自分は成り立っているんだなと思ったら、なんだか急にこみ上げてきちゃいました。

──デビュー作(1stミニアルバム「はじめまして、私。」)の1曲目「ストーリー」は、まさにそういう曲ですよね。ここから始まる、という。

曲がたくさん増えた今でも、大切な節目のライブの最初の曲は「ストーリー」と決めているんです。新たに出会う方とのストーリーの始まりでもあるし、新たに出会う自分自身との始まりでもあるなと思いますね。

まちかどハルジオン

──「まちかどハルジオン」は「町」ということで、地元福岡について教えてください。地元はどういうところですか?

インタビュー風景

福岡も市内は結構都会ですけど、私が住んでたのは市内まで車で1時間半離れた田舎の町で。最寄りの駅も徒歩で1時間ぐらいかかっちゃうし、もはや最寄りじゃないし(笑)。でも海は近いし山もあるし、自然に囲まれた本当に素敵なところです。

──では、東京で好きな町はありますか?

行ってみて楽しいなと思ったのは浅草とか。私、舟和の芋ようかんが大好きなので。和のものがすごく好きで、書道や茶道をやったりしてるんですけど、浅草は古き良き日本の香りがするので。

──渋谷や原宿ではなく、浅草なんですね。

そっちのほうが落ち着くかなー。渋谷はライブをたくさんやってるので、仕事をする場所というイメージがありますね。

もんだいとこたえ

──次は「もんだいとこたえ」ですが……「南波志帆クイズ」をお願いできますか。

うーん……。うーん。

──とっさには浮かばないですよね。南波さんは不思議な謎をたくさん秘めているから、このインタビュー自体が「南波志帆クイズ」の素材としてぴったりかもしれませんけど。

浮かばないなー。じっくり考えてもいいですか? これはちょっと、のちほど系で。

──ぜひ今度、ライブ中に突然出題したりしてみてください。じゃあ次に行きましょう。

ふたりのけんか

──「ふたりのけんか」なんですけど、今までで一番えげつないケンカの思い出ってどんな感じですか? ちなみに兄弟姉妹はいるんでしたっけ。

3歳下の妹がいます。

──妹と派手なケンカをしたことは?

うちは確実に妹のほうが強いんですよ。うちの妹はどこか不思議で、私は妹のことを、さん付けで呼んでいるんですよ。妹には「志帆ちゃん」と呼ばれるし、遠くにいるときは「志帆」と呼び捨てで(笑)。本当にキャラが正反対で、妹は低くてハスキーな声だし、クールキャラなんですよ。なぜか教育委員会にすごく友達がいっぱいいて。

──教育委員会!?

教育委員会の人と親しい感じで話してたり。町長さんの表敬訪問のアポも、妹が取ってきてくれたんですよ。

──アハハハハ。3つ下ってことは今15歳ですよね。

中3です。でもアポ取ってきたのは小6ぐらいのときですよ(笑)。なぜかわかんないけど、みんなに好かれる子で。だからケンカというより、私が一方的に大好きだから「なんでこんなに好きなのに伝わらないんだろう」と悲しくなることのほうが多いです。ケンカをしたら負けますね、確実に。

あいのことかも

──「青春」に続くストレートな質問ですけが、「あいのことかも」にちなんで。南波さんにとって「愛」ってなんですか?

「あいのことかも」のレコーディングのときに感じたことなんですけど……歌詞に「深い深いところからやってきた涙」という1行があって、どういう涙なんだろうと想像したとき、今周りで支えてくださってる人たちの顔が一番に浮かんで、なんだか涙があふれてきて胸がキュンって痛くなったんです。

──ああ。

普段はなかなか気付かないけど、大きな愛を与えてもらい、愛に包まれて生活してるんだなと感じたんです。だから、愛とは普段はなかなか気付かないものだけど、いつも自分のそばにあるものなのかなと思いました。

1stフルアルバム「水色ジェネレーション」

  • 1stフルアルバム「水色ジェネレーション」 / Amazon.co.jpへ
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  • 2011年7月20日発売 / 2850円(税込) / PONY CANYON / PCCA-03444 / Amazon.co.jpへ
CD収録曲
  1. 水色ジェネレーション
  2. ミライクロニクル
  3. こどなの階段
  4. たぶん、青春。
  5. みっつの涙
  6. まちかどハルジオン
  7. もんだいとこたえ
  8. ふたりのけんか
  9. あいのことかも
  10. 2センチのテレビ塔
  11. オーロラに隠れて
南波志帆(なんばしほ)

1993年6月14日生まれ。福岡県出身。2008年11月、矢野博康プロデュースによる1stミニアルバム「はじめまして、私。」でLD&Kよりデビューを果たした。2009年9月には2ndミニアルバム「君に届くかな、私。」2010年6月23日にはメジャー第1弾ミニアルバム「ごめんね、私。」を発表。透明感のある歌声と独特の存在感が話題を呼び、幅広い層から支持を集めている。2011年7月20日に初のフルアルバム「水色ジェネレーション」をリリース。