葛藤の中で渦巻く様を表現した「何もしてあげられない」

──22/7の楽曲はどちらかと言うと明るい曲調より、シリアスな雰囲気のものが多くて、今回の「何もしてあげられない」もポジティブな内容の歌ではないですよね。

白沢　「何もしてあげられない」では “集団の中での孤独”を表現しています。ダンスでも最初に西條和ちゃんが1人でステージに登場して、そこから10人がその周りを囲んだり、最後に1人と10人に分かれて違う方向に走っていったりするんです。2番で花川芽衣ちゃんが「友達はほしくない」というセリフを言うところでは、横一列のフォーメーションから1人だけ離脱するんですけど、そこに葛藤などすべての感情が表れています。

天城　ストーリー性のある振り付けになっているので、見ていてとても面白いと思います。

──最初に「何もしてあげられない」という曲名を聞いたときはどんな感想を持ちました？

宮瀬　私は最初にこの曲のタイトルを聞いたとき、衝撃を受けました。前作の「理解者」がシリアスな曲だったので、次は優しめの曲かなと予想していたんですけど、「何もしてあげられない」という衝撃的なタイトルで。歌詞を見たときに主人公の葛藤をちゃんとダンスで表現できるようにしなきゃと思い、11人ですごく練習しました。一番好きな振り付けは間奏のところなんですけど、頭を振り乱して葛藤の中で渦巻いている様子を1人ひとりが体で表現しているんです。

──全体的にかなり激しいダンスですよね。

白沢　サビで頭を振るところではみんな苦労しました。11人で集まってレッスンするときはほかの細かい振り付けを合わせて、サビの部分はそれぞれ自主練することになったんですけど、それが大変で。でも日を追うごとにちゃんとそろうようになってきて、みんなのがんばりを実感しています。

天城　私は今回の振り入れで、水巴ちゃんの成長を実感しました。以前は振りを覚えるためにレッスン後に残ることもあったんですけど、今回さらに難しいダンスになっているのにすぐに振りを覚えていって、横で見ていてすごいなと思いました。

倉岡　ありがとう（笑）。

──センターで踊っている西條さんとしては、この曲で共感する歌詞や注目してほしい振り付けはありますか？

西條　私は2サビの「何も望んでなどいない 愛なんて面倒だった」という歌詞に一番共感します。ダンスでは全員で回転しながら移動したあと、歌が始まるときにパッと止まるんですよ。諦めの決意みたいな感情が全員が静止する振り付けで表現されているし、そのあとにれったん（高辻）が腕を振って全員がしゃがんでいく部分もすごく好きなので、ぜひ注目してほしいです。

──「ナナニジフェス 2019」でも触れてましたが、その振り付けのことをなんて呼んでいるんでしたっけ？（笑）

高辻　“うららちゃんモーゼ”です（笑）。振り入れのときに、ダンスの先生が会話の中でサラッと言ったんですよ。

アニメでキャラクターの生きている姿を見せたい

──「ナナニジフェス 2019」では2年前から告知されていた22/7のテレビアニメの放送が、ついに来年1月にスタートすることが発表されました。

海乃　今でも夢みたいにふわふわした気持ちなんですけど、私の夢が声優さんになって「CV：海乃るり」という文字を見ることだったので、グループとしても個人としても夢を叶えられるのはすごくうれしいです。

花川　アニメ化が実現したのは多くのスタッフさん、そして応援してくださっているファンの皆さんの支えがあったおかげです。この感謝の気持ちを届けられるように精一杯がんばりたいと思います。

──来年1月の放送開始となると、実はもうあまり時間がないんですよね。

天城　うれしい気持ちと同じくらい不安な気持ちでいっぱいです。油断していると時間はすぐに過ぎてしまうので、この短い期間にどれほど努力をして声優としての演技力や表現力を上げるかを常に考えています。ファンの方々が2年間待ち続けたくれた分、期待を裏切らない、期待を上回る出来にしたいなと思ってます。

帆風　すでにキャラクターと歩んできた道のりがあるからこそできる表現があると思うので、そういったところをアニメで見せていけたらと思います。すでにキャラクターを知ってくださっているファンの方にも、キャラクターの生きている姿を見ていただきたいです。

天城　アニメ化は目標ではあったんですが、私たちにとってゴールではなく、新しいスタートだと思っています。よいスタートが切れるよう、みんなで力を合わせて胸を張ってテレビアニメデビューします！ 皆さんぜひ2020年1月からの放送を観てください！