22/7をもっと大きくするために自分ができることを
──2018年8月発表の前作「理解者」や、今作「何もしてあげられない」でセンターを務めている西條さんについてはどのような変化を感じていますか?
高辻麗 西條和ちゃんはいい意味で何も変わらないでいてくれています。無理をしてないし、嫌なことはちゃんと嫌と言えるし、それもまた1つの個性だと思います。このまま変わらないでいてほしいですね。
帆風 変わらない部分がありつつも、「ナナニジライブ」が始まって以前よりダンスを踊る機会が多くなったことで、振り付けをそろえるときに西條和ちゃんがいろいろと言ってくれるようになりました。フォーメーションをまとめた紙を作ってくれたこともあって、これから22/7をもっと大きくするために自分ができることをやってくれて感動しました。
西條和 私はホントに何もできない人間で、いつもメンバー全員にいろいろと助けてもらっているし、グループに対して何も貢献できていないと思っていて。私にも何かできることがないかなと考えて、スタッフさんに相談したんです。フォーメーションの紙を作ったのは「理解者」を発表した頃だったんですけど、初披露したときのライブ映像を観て「フォーメーションが定まってないな」と感じて。新曲を初披露するときはみんな緊張するし、自分のことで精一杯なので、わかりやすい表があったらいいなと思いました。とりあえずみんなの力になりたかったんです。
──なるほど。そういった成長を経て、ファンが増えてきたという手応えは感じていますか?
海乃 Twitterで「#計算中」と検索すると、「計算中」を観てくれている方が多くなったと感じますね。2次元のファンの方も3次元のファンの方も増えてきて、私たちの目標であったアニメファンとアイドルファンどちらからも応援してもらえるグループになりつつあるのかなって。ありがたいことにライブのチケットが完売することも増えてきて、多くの方に応援していただいていることを実感しています。
帆風 「ナナニジライブ」でお客さんに聞いてみると、毎回半分以上が初めて来てくれる方たちなんですよ。こんなにたくさんの方が私たちのライブに来たいと思い、会場に足を運んでくださっているんだなと考えると感動します。
自分の中に秘めたものをキャラが引き出してくれる
──昨年9月のデビュー1周年イベントで涼花さん、高辻さん、武田さんが演じるキャラクターが発表されてから約1年が経ちましたが、当時はどのような心境でしたか?(参照:22/7がデビュー1周年の日に冠番組イベント開催、念願の新キャラクター発表に号泣)
涼花 キャラクターがいなかったときは8人も「一緒に二人三脚でがんばっていきたい」と言ってくれていたので、担当キャラクターとして神木みかみちゃんをいただいたときはすごくうれしかったです。「計算中」の収録やシングル曲の歌唱など、これまで8人が経験してきたことを私も一緒にやれるんだと思うとすごく楽しみで、うれしい気持ちでいっぱいでした!
──担当キャラクターの紹介も改めてお願いできますか?
涼花 みかみちゃんは京都出身の鳥が大好きなはんなり娘です。
帆風 それ、萌ちゃんのことだ(笑)。
涼花 私も京都出身で、鳥が好きなんです(笑)。あとみかみちゃんは15歳で、海乃るりちゃん演じる戸田ジュンちゃんと同じ最年少です。自己紹介で「おいでやす。疲れたあなたにみかみんパワー!」と言っているようにほわほわした癒やし系で、体のどこを触ってもやわらかいという設定があります(笑)。
──そうなんですね(笑)。高辻さん、武田さんからもそれぞれキャラクターへの思いを聞かせてください。
高辻 私はオーディションのときに、西條和ちゃんが演じている滝川みうちゃんの役を仮でいただいていて。でも、そのあと私の役がなくなり、「私と一緒に歩んでくれる子はいるんだろうか」と思っていたので、東條悠希ちゃんというキャラをいただけたときはすごく晴れやかな気持ちになりました。悠希ちゃんは鹿児島県出身の16歳のボクっ娘サッカー少女で、設定としては少年マンガの主人公のように熱い子なんです。私も小さい頃は外でもよく遊ぶ活発な子だったんですが、今はオタクで厨二病っぽいひねくれたところがあって。それに対して悠希ちゃんはまっすぐで明るい子、自分の足りないものを悠希ちゃんが補ってくれています。「計算中」ではキャラクターを演じつつも自分で思ったことをしゃべれなきゃいけないんですが、私はひねくれた考えをしちゃうので、熱い心を思い出しながら話しています。悠希ちゃんの根っからの明るさには追い付けないので、模索しながら演じているところです。
武田愛奈 私は柊つぼみちゃんに「出会ってくれてありがとう」という気持ちでいっぱいです。以前は言いたいことをズバズバと言えなかったんですけど、つぼみちゃんでいるときは何も恐れずにいろんなことに挑戦できて、自分の中に秘めたものをいい感じに引き出してくれるんです。ラジオでも思い付いたことを恐れずに言えるようになって、つぼみちゃんに出会えたおかげで成長できていると思います。
──キャラクターと潜在的に似ている部分があるんでしょうか。
武田 つぼみちゃんは渋谷出身で原宿育ちの今どきのJKギャルなんですけど、実は自分の中にもそういう部分があって、それが出てきたのかなって(笑)。私は大人数でいると中に入っていけないタイプなんですが、つぼみちゃんのようにありのままの自分を出していければと思っています。ちなみに、つぼみちゃんの座右の銘は「死ぬこと以外かすり傷」です(笑)。
悔しい思いを4thシングルに込められたら
──キャラクター11人がそろっての初シングルとなる「何もしてあげられない」では、初めてメンバー全員で表題曲を歌っています。
天城 今回の表題曲が実現したのはファンの皆さんの11人への応援があったからだと思っていて、感謝してもしきれません。「22/7は11人でこそ22/7なんだぞ」という強い思いをステージ上でも見せていきたいですし、皆さんに恩返しができたらいいなと思ってます。
花川 表題曲にはカップリング曲とは違った特別な思い入れがあるので、11人で歌えることが幸せです。結成時からの目標をようやく叶えることができてとてもうれしいです。
帆風 結成してからずっと11人で活動しているのに、8人でしか表題曲を歌えない状況が続いていて。「11人で表題曲を歌いたい」と言い続けてきたんです。
倉岡 以前はライブで8人曲を歌うときに、3人がすごく悲しそうな顔でステージから降りていくのを見るのがつらかったんです。でも、それがだんだんと普通のことになってしまっていて、「いつになったら11人で歌えるんだろう」と思い続けていました。3人もホントはつらいはずなのに私たちの前では絶対に悲しそうな顔や嫌な顔をせず、「がんばってね!」と笑顔で見送ってくれたし、8人曲が終わったあとも「すごくカッコよかったよ!」と言ってくれて。みんなホントにいい子たちで大好きなので、今回の曲をパフォーマンスしているときにステージ上で3人の姿が目に入るとすごくうれしいです。
──3人は表題曲を歌えるのはどのような気持ちですか?
涼花 キャラクターがいないとシングルの表題曲を歌えないことは言葉に出さずともみんながわかっていたことで、どうしようもないことだと思いつつも、毎回、水巴とかが「なんで8人なん!」と言ってくれて。ファンの方も応援してくれていたので、キャラクターをいただいて11人で表題曲を歌うことができるのはほんまにみんなのおかげだと思います。
武田 「ナナニジフェス 2019」では3人がステージから下りる場面が一度もなくて、過去のことを思い出して1人でウルっとしていました。そしてミュージックビデオに私たちのキャラクターも出ているのを見て、改めて11人で歌えるうれしさを実感しました。
高辻 4thシングルをリリースすることは予め知らされていたんですけど、11人で表題曲を歌うことが発表されたのは「ナナニジROOM」の配信中だったんです。それまでは期待しないでおこうと思っていたんですけど、発表されたときに苦しんでいたのは自分だけじゃなくて、8人にも負担をかけていたんだなと気付きました。なので、それまでの悔しい思いを4thシングルに込められたらと思います。
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葛藤の中で渦巻く様を表現した「何もしてあげられない」