7月にTOKYO MX、BS11、AbemaTVで放送がスタートした冠番組「22/7 計算中」でバラエティ企画にチャレンジするなど、少しずつ活動の幅を広げている22/7が、8月22日にニューシングル「理解者」をリリースした。彼女たちは、通算3枚目のシングルとなる今作でシリアスな世界観を表現している。音楽ナタリーではメンバーのうち、海乃るり、倉岡水巴、西條和、帆風千春にインタビューを実施。新たな一面を見せる新曲のほか、4人がシングルのヒット祈願のために挑戦した「22/7 計算中」の滝行ロケ企画などについて話を聞いた。
取材・文 / 近藤隼人 撮影 / 塚原孝顕
キャラを演じているからこそ言える
──シングルの話題の前に、現在放送中の冠番組「22/7 計算中」について話を聞かせてください。モーションキャプチャのスーツを着てキャラクターを演じながらスタジオでトークするという、ほかになかなかないスタイルの番組だと思いますが、ここまで収録を重ねてきた感想はいかがですか?
帆風千春 頭で考えなきゃいけないことが多くて最初は戸惑うこともあったんですけど、回数を重ねてきてキャラの動きについては意識できるようになったと思います。でもキャラとしてどうコメントすればいいのかなど、まだ悩むことも多くて。これからもいろいろと課題は続いていくのかなと感じています。
──オンエアではキャラクターがMCの三四郎さんとしゃべっている映像が放送されていますが、収録中は演じているメンバー自身の姿がお互い見えているわけで、その状況でキャラとして発言するのは大変そうですね。
倉岡水巴 そうですね。でも三四郎さんに対して自分自身では強い口調で発言できないけど、河野都というキャラを演じているから言えることがあって。楽しんで収録に臨めています。
──海乃さん演じる戸田ジュンは、倉岡さん演じる河野都と似て物怖じせずに発言するタイプのキャラクターですよね。
海乃るり 戸田ジュンちゃんは元気でちょっとお馬鹿なキャラなんですけど、私自身にもお馬鹿なところがあって。私が楽しくなって話しているとジュンちゃんっぽい発言になるんです。さすがに三四郎さんにタメ口でツッコむのは気が引けてたんですけど、お二人が「遠慮しないで大丈夫だよ」と言ってくださったので今は思い切って絡んでいってます。
──一方、西條さん演じる滝川みうはとても大人しい性格で、発言数が少なめなキャラクターです。
西條和 私は最初、三四郎さんというか芸人さんの存在が怖くて。初回では私が演じるみうちゃんにはモーションキャプチャの動きは付いていなくて、どこを向いていても大丈夫な状況だったので、三四郎さんに話しかけられても反対側のモニタを見てしゃべってました(笑)。でもみうちゃんも動くようになって、最近はなんとか三四郎さんの目を見てしゃべれるようになりました。
──基本的にはどのキャラクターも三四郎さんと軽快なかけ合いを繰り広げている印象です。
倉岡 私は思ったことをすぐに口に出してしまってイベントでも滑りがちなんですけど、三四郎さんは的確にツッコんで面白くしてくださって。「天才やな! やっぱり三四郎さんはすごいな!」と尊敬しています。
海乃 私が小さな声でつぶやいたことにも気付いてくださったり、しゃべっていないメンバーがいると平等に話を振ってくださったりして、芸能界の先輩としていろいろと学ばせていただいています。収録後に助言をいただくこともあって、すごく優しいです。
キャラクターのギャップの面白さに気付いた
──番組を通して、自身が演じているキャラクターに対する新たな発見はありましたか?
海乃 戸田ジュンちゃんってこんなに物怖じしない子なんだって思いました。声だけでなく、体を動かして演じてみることで新しい一面を知れたと思います。
帆風 私が演じている佐藤麗華ちゃんはグループのリーダーで優等生な子なんですけど、富士急ハイランドの絶叫マシンのリポート企画で出ちゃった私の素の部分が麗華ちゃんの性格につながっているように感じて。そういうキャラクターの持つギャップの面白さに気付くことはありました。
──絶叫マシンのリポートのほかにも、番組ではさまざまなロケ企画にもチャレンジしていますね。
西條 ロケはメンバーの頭に付いているカメラの映像だけで進行するので、自分が演じるキャラクターの姿は画面に映らないんです。なので言葉で状況をうまく説明して、観ている方に何が起きているか伝えるのが難しくて。
──なるほど。それは通常のロケとは大きく違う部分ですね。
帆風 私が初めて挑戦したロケは、街中で声を掛けた人と指相撲で対決するという企画で。キャラクターとして声を掛けなきゃいけないので、普段の私だったから出さないような声で話しかけるのが少し恥ずかしかったです。でもこういったロケ企画をやっていると麗華ちゃんのことを考える時間が多くなるので、キャラへの理解が深まりました。
──そんな中、倉岡さん演じる河野都さんがロケで会う人にズカズカと話しかけていく様が毎回印象的です。
倉岡 私は慣れればテンション高く話せるタイプなんですけど、実は人見知りなので初対面の人が苦手なんですよ。都ちゃんは人のテリトリーにズカズカ入っていけるタイプなので、最初は「失礼な子だと思われてたらどうしよう」とドキドキしてたんですけど、ロケで会う方は皆さん優しい方ばかりで。自分も都ちゃんくらい思い切って人と接してもいいんじゃないかなと思うようになりました。
──キャラクターに影響されている部分があると。
倉岡 今までだったらこの発言は止めておこうかなと黙っていたことも、頭に思い浮かんだ瞬間に口に出せるようになりましたね(笑)。
海乃 戸田ジュンちゃんも初対面の方にズカズカいくタイプなんですが、私はキャラクターと同じで人見知りしないんですよ。今まで戸田ジュンちゃんとの接点がないことが悩みだったんですけど、けっこう似ているところがあるんだなとロケを通して知れてよかったです。
滝行はただの修行だった
──今までのロケで一番大変だった企画はなんですか?
海乃・倉岡・西條・帆風 滝行です(笑)。
──4人で挑戦した「理解者」ヒット祈願の滝行ロケですね(笑)。改めてこのロケの感想を聞かせてください。
海乃 ホントに大変でした(笑)。テレビで観ているアイドルさんたちは過酷なことをやってるんだなって実感しました。ただの修行でした。
──そんなに水が冷たかったんですか?
倉岡 水が冷たいのもつらかったんですけど、一緒に滝まで行った住職さんが厳しくて。対抗心みたいなものが生まれてきて、人ってメンタル次第でなんでもできるんだなと滝に打たれながら思いました。負けん気で水の冷たさに勝ちましたね(笑)。
海乃 でも住職さんも最後は優しくて、「あなたたちはもっと大きなグループになるから、これからもがんばりなさい」と言ってくださって、心が温かくなりました。ただ水はホントに冷たくて、心が折れそうになりました(笑)。滝に行くまでの道のりもつらかったですし。
帆風 そのつらい道中もキャラのままでいなきゃいけないのが大変で。河野都ちゃんのまま住職さんにと話すのは大変だろうなと思いながら倉岡水巴ちゃんを見つつ、一方で佐藤麗華ちゃんはどんなふうに立ち振る舞えばいいんだろうと悩みました。
──確かに、西條さんは滝に行くまでの道中でかなり苦労されているようでした。
西條 みんなが先にスタスタ行っちゃって、気付いたら置いていかれていました。あと私は水の冷たさより滝の水圧がつらくて……学校のプールのシャワーも苦手なくらい、水圧が怖いんですよ。でも滝川みうというキャラクター名にちなんで滝行に挑戦するという企画だったので、私がちゃんとしないといけないし、滝に打たれたら清められて強くなれそうな気がしたのでがんばりました。
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曲を聴いたときに息ができないくらい苦しくなった
- 22/7「理解者」
- 2018年8月22日発売 / Sony Music Records
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初回限定盤A [CD+DVD]
1800円 / SRCL-9891~2
- CD収録曲
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- 理解者
- 絶望の花
- 韋駄天娘
- 理解者 -off vocal ver.-
- 絶望の花 -off vocal ver.-
- 韋駄天娘 -off vocal ver.-
- DVD収録内容
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- 「理解者」music video
- 「理解者」music video making
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初回限定盤B [CD+DVD]
1800円 / SRCL-9893~4
- CD収録曲
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- 理解者
- 絶望の花
- 不確かな青春
- 理解者 -off vocal ver.-
- 絶望の花 -off vocal ver.-
- 不確かな青春 -off vocal ver.-
- DVD収録内容
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- 「22/7 割り切れないライブ ~シャンプーの匂いがした~」@ディファ有明(2018.2.27)
- 「22/7 割り切れないライブ ~シャンプーの匂いがした~」making
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通常盤 [CD]
1200円 / SRCL-9895
- 収録曲
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- 理解者
- 絶望の花
- 未来があるから
- 理解者 -off vocal ver.-
- 絶望の花 -off vocal ver.-
- 未来があるから -off vocal ver.-
- イベント情報
22/7 計算中 Special Event -
- 2018年9月20日(木)東京都 マイナビBLITZ赤坂
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チケット一般発売中
- 22/7(ナナブンノニジュウニ)
- ©22/7 PROJECT
- 秋元康、ソニー・ミュージック、アニプレックスがタッグを組んで誕生させた“デジタル声優アイドル”。2016年12月に発表されたオーディションの合格者11人によって構成され、そのうち8人は堀口悠紀子をはじめとするクリエイターがデザインしたキャラクターを演じている。2017年9月にメジャーデビューシングル「僕は存在していなかった」を発表。2018年2月には東京・ディファ有明でライブイベント「22/7 割り切れないライブ~シャンプーの匂いがした~」を開催し、4月に2ndシングル「シャンプーの匂いがした」を発売した。同年8月に3rdシングル「理解者」をリリース。9月には東京・マイナビBLITZ赤坂でTOKYO MXで放送中の冠番組「22/7 計算中」のスペシャルイベント「22/7 計算中 Special Event」を行う。