ナタリー PowerPush - 中島美嘉
孤独な星のように輝く 2年ぶり6thアルバム「STAR」
明日クビになってもいいから好きなことをやる
──デビュー当時はどうだったんですか?
あんまり相談しなかったかなあ。まだ周りのことがよくわかってなかったし「相談なんかしたら、誰かと同じようなことをやらされる」って思ってたから。さっき言ったことと逆だけど、それこそ勝手に髪を切ったりしてましたからね(笑)。自分の好きなようにやって、ちゃんとファンの人たちに理解してもらえたり、評価を受けることができたら、こっちのものじゃないですか。
──そうですね(笑)。まあ、誰にでもできることじゃないと思いますが。
明日クビになっても仕方ない、って思ってたからね。だって本番直前に自分でメイクを変えたりしてたんですよ。ステージに出てから靴を脱いだり。そのときはみんな呆れてましたね、さすがに。「この子、こっちが何を言ってもダメだ。全部自分でやっちゃうんだ」って。それからは「裸足で歌っていいよ」ってことになりましたけど(笑)。
──すごいなあ……。
とにかく「こうしなきゃダメ」っていうことがたくさんあったの。アイラインはダメ、髪の毛を黒くしてもダメとか。「着たくないな、この衣装」って思ってたし。それはね、服を集めてくれたスタイリストさんのせいじゃないんですよね。その人も制限されてたりするから。メイクさんは私の意見も取り入れてくれたけど、よく怒られたし……。だからね、ホントに覚悟が必要なんですよ。明日クビになってもいいから好きなことをやるか、100%人の言うことを聞くか。ちょっと大げさかもしれないけど、どっちかを選ぶしかないと思う。
10周年ライブはみんなに楽しんでもらうために歌う
──中島さんが作詞した「16」も印象的でした。これは「16歳の中島美嘉を表現する」というテーマで書かれたとか。
正確に言うと14歳、15歳くらいの頃を思って書いたんですよね。16歳って高校1年生じゃない? 内容的にはその年頃なんだけど、私は高校に行ってないから。
──中学生のときって、どんな女の子だったんですか?
うまく立ち回ればいいって思ってたかな。ちょっと冷たい言い方かもしれないけど「この場が楽しければいいや」って思ってたところもあったし。だから一緒にいて楽しい子たちを見つけて、なるべくその子たちと過ごすようにして……。
──違う中学校に行ってたんでしょ? その友達といっしょにいるために。
そうそう(笑)。だって中学ってそのときだけじゃない? だから、ムリして嫌なところにいることもないなって。まあ、ホントに楽しかったかどうかはわからないけどね。基本的に人見知りだし、「みんなが楽しそうにしてるから自分もはしゃぐ」ってところがあった気がする。その子たちとは仲いいですけどね、今も。
──もう1曲、アルバムの最後に収録されている「SONG FOR A WISH」についても聞かせてください。「だから明日が雨でも 私は歌うよ」というフレーズがありますが、この歌詞について何か思うことはありますか?
「歌う」っていう言葉が歌詞の中に出てくると、改めて実感しますよね。ずっと歌っていきたいっていう気持ちもあるし……今27歳なんですけど、ちょうど声が変わってくる時期なんですよね。今までどおりの音域で歌うためには、ここできちんとトレーニングしておかないとなって。
──歌に対する意識は確実に高くなってますよね。
そうかもしれないですね。あんまり根を詰めると精神的に落ち込んじゃうので、そこはコントロールするようにしてますけどね。今日はやりたくないと思ったら、思い切ってやめるとか。
──10周年を記念した大阪城ホール、日本武道館でのライブも楽しみです。
不安半分、楽しみ半分ですけどね。みんなに楽しんでもらうためのライブだから、歌いすぎてる曲ばっかり歌いますよ(笑)。
──スターとしての中島さんを堪能できそうですね。
大したスターじゃないけどね。でも、いい服を着てカッコよく車から降りてきて「あ、中島美嘉だ!」って言われたりするのもけっこう好きなので(笑)。
CD収録曲
- ALWAYS
- 一番綺麗な私を
- BABY BABY BABY
- Over Load
- GAME
- SMILEY
- CANDY GIRL
- LONELY STAR
- NO ANSWER
- SPIRAL
- Memory (feat.DAISHI DANCE)
- 16
- 流れ星
- SONG FOR A WISH
初回版DVD収録曲
- ALWAYS
- 一番綺麗な私を
- Over Load
- GAME
- CANDY GIRL
- 流れ星
中島美嘉(なかしまみか)
1983年鹿児島生まれ。2001年にドラマ「傷だらけのラブソング」のヒロインに抜擢され、シングル「STARS」でデビュー。2002年リリースの1stアルバム「TRUE」がミリオンセラーを記録し、一躍トップスターの仲間入りを果たす。その後も「雪の華」「愛してる」「桜色舞うころ」などヒット曲を連発。女優としても活躍し、2005年公開の映画「NANA」では主役のナナ役を熱演したほか、2010年には映画「バイオハザードIV アフターライフ」やドラマ「うぬぼれ刑事」での好演も話題に。日本を代表する歌姫としてアジア圏での人気も高く、ファッションリーダーとしても確かな支持を獲得している。