ナタリー PowerPush - 流田Project
謎の覆面カバーバンドが語るアニソン愛
アニソン=僕たち(と兄貴)の好きすぎる曲
──あと、収録曲のラインナップを眺めていて気になったんですけど「さよならメモリーズ」ってノンタイアップですよね。でも「アニソンカバーアルバム」に収録している。皆さんにとっての「アニソン」の基準って?
栗川 そういえばそうだ! supercellのことが好きすぎるから選んだだけで、何も考えてなかった。
流田 その垣根の正体を探るのは難しいなあ。(supercellのコンポーザー)ryoさんの曲の雰囲気や活動のスタンスが、僕らの考えるアニソン像に近いからなんだけど、僕らホントにユルくて「アニソンとはこういうもの」っていう定義は持ってないんですよ。ただあえて言うなら、アニソンカバーバンドとしての目と耳で曲を選んでいるつもりなんで、「そんな僕たちの好きすぎる曲」っていうのが基準になるのかも。だって、そうとでも考えなきゃ、「アニソンカバーアルバム」にオリジナルを2曲も入れちゃダメだし。
穴澤 しかも、どっちも推し曲じゃないし(笑)。
──あれ、そうなんですか? ちゃんとカバー曲の中で浮くこともなく、それでいてほかの曲以上にタフで明るいギターロックに仕上がってるから「自信あるんだろうな」と思ってました。なんなら今後はオリジナルバンドになるのかな、とも。
流田 いや、やっぱり僕らはアニソンを推したいんですよ。確かに自信はありますけど、Twitterを見てたら「流田のオリジナルも聴いてみたい」ってファンの人の声が結構集まってたんで、「じゃあ、作ってみようか」って感じで作っただけだし。ホント、何から何まで軽いノリですみません。
──いえいえ(笑)。ちなみに作詞作曲は誰が?
流田 みんなですね。4人とも作詞も作曲もできるんで、メロディとかコード進行とか歌詞の元ネタとかを誰かが持ってくると、それを元に全員で1曲に仕上げてます。ジョンとポールのどっちが曲を書いても「レノン&マッカートニー」ってクレジットされるように、誰が書いても「流田Project」名義っていう今のやり方が一番バンドっぽい気がするんですよ。
いつかアニメキャラになってアニメで見切れたい
──オリジナル曲を発表したことで、今後これまでとは逆に皆さんの曲がアニメの主題歌に起用されたり、若いバンドにカバーされたりすることもありえますよね?
流田 いやあ、僕らみたいなもんがアニメのテーマソングなんて、そんな恐れ多い(笑)。
穴澤 でも、僕らのカバーバンドは観てみたいね。
流田 確かに。もしも「流田Projectをカバーしてます」なんて書いてるブログを見つけたら、絶対観にいっちゃいますね。実際ライブのお客さんって、実はアニメファンよりも若いバンドマンのほうが多いんですよ。しかも、8割は男。アニソンをやってるのに、サイリウムじゃなくて拳を振り上げられるようなバンドなんで、客席の若い子たちがちょっとでも僕たちをお手本にしてくれたら、ホントにうれしいですよね。
栗川 で、そのバンドのほうがオレらよりうまくなって、お面も向こうのほうがクオリティ高かったりして、ヘコまされてな(笑)。
──あはははは。ほかに目標や、やりたいことってあります?
栗川 海外でライブをしてみたいですね。基本的に演奏するのはアニソンなんで、外国の方にも聴いてもらいやすいと思いますし。
──実際、海外でライブをするアニソンシンガーや声優さんも多いですもんね。
栗川 ええ。その方々のオープニングアクトにでも使ってもらえないですかね(笑)。
桃山 あとは、アニメキャラになりたいな。画面の端っこのほうにお面の男が4人見切れてて、観てる人が「あれ、これ流田ちゃう?」って気付いてくれたりしたら面白そうですよね。
栗川 文化祭の回でステージに上がってるのが流田とかね。
流田 というわけで、このインタビューをご覧のアニメ関係者のみなさま、どうぞ流田Projectを見切れさせてくださいっ!
お面を付け始めた真の理由は?
──あっ、そういえば一番基本的なことを訊くのを忘れてました。なんで覆面バンドなんですか?
流田 ニコ動の平均的な再生回数すら知らない僕らでも、一応「ニコ動の演奏者は顔を隠すもの」っていう薄い知識だけはあったんで。顔を出したらアカンらしい、っていう。それで、最初の曲を録画するスタジオにA4のコピー用紙をいっぱい持っていって、みんなでマジックで好きに絵を描いて。
栗川 その紙を切って、ガムテープで顔に貼り付けて(笑)。穴澤くんの最初のお面なんて、四角いA4の紙に穴を開けただけだったし。
穴澤 フレットが見えないと困るから、目のところに2つ穴を空けて、あと「口もあったほうがいいかな」と思って、一応その下に一本切れ目を入れて。まあ気持ち悪いお面でしたね。
──覆面に対するこだわりや戦略っていうのも、もちろん……。
桃山 一切ないです!
流田 最近はニコ動でも顔出ししている人も多いし、もしも今から流田Projectを始めるんだったら、素顔で出てたかもしれないくらいですから。いまだにお面を付けてるのも「今さら取れないよな」ってだけの話だったりしますし。一発で顔を覚えてもらえたり、メリットもたくさんあるし愛着もあるんだけど、正面しか見えないからライブのときなんかは結構困るんですよね、これ(笑)。
CD収録曲
- 空色デイズ <天元突破グレンラガン>
- Crow Song <Angel Beats!>
- 月ノ夜ニ ※オリジナル
- Alchemy <Angel Beats!>
- No buts! <とある魔術の禁書目録II>
- Magic∞world <とある魔術の禁書目録II>
- Little Busters! <リトルバスターズ!>
- 侵略ノススメ☆ <侵略!イカ娘>
- オレンジ <とらドラ!>
- My Soul, Your Beats! <Angel Beats!>
- 奏でるチカラ ※オリジナル
- さよならメモリーズ <supercell Singleより>
Bonus Track
- うるまでるびのGO! GO! 選挙 <明るい選挙推進協会より>
2ndアルバム「流田PP」発売記念!ワンマンライブツアー「機材車で行く!北海道から九州まで 総走行距離約6000kmの旅」
- 2011年10月16日(日)
東京都 LIVE labo YOYOGI - 2011年10月21日(金)
青森県 弘前Mag-Net - 2011年10月23日(日)
北海道 札幌KRAPS HALL - 2011年11月3日(木・祝)
大阪府 大阪RUIDO - 2011年11月4日(金)
愛知県 名古屋ell.FITSALL - 2011年11月8日(火)
福岡県 福岡DRUM SON - 2011年11月9日(水)
広島県 広島ナミキジャンクション - 2011年11月19日(土)
宮城県 仙台PARK SQUARE - 2011年11月20日(日)
新潟県 新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE - 2011年11月26日(土)
東京都 原宿ASTRO HALL
流田Project(ながれだぷろじぇくと)
メンバー4人がお面を付けた、アニソンカバー覆面ロックバンド。卓越したアレンジ力でアニソンのヒットソングをバンドアレンジでカバーし、ニコニコ動画などに公開している。2011年8月現在の累計再生回数は累計1200万回以上を記録。2010年12月にfripSideの八木沼悟志がサウンドプロデュースを手掛ける1stアルバム「流田P」でメジャーデビューを果たす。チープでコミカルな覆面姿からは想像のつかないパワフルなギターロックサウンドで、ライブツアーやイベント出演など精力的な活動を展開中。