ついに転換期が来たのかも
──「BATEN KAITOS」ではWabokuさんはA-1 Picturesとタッグを組んで映像を制作していますが、アニメ制作スタジオとの共同制作を経験されてみていかがでしたか？
Waboku 普段とは大違いでした。いつもは僕が監督と制作進行を担っているので自由にやってしまう部分が多いんですが、今回は組織的に動くことが重要でしたし。僕は指示を出す側として、上がってきたものに修正を入れることに徹して……いつものように自由に動けない大変さを感じた一方で、僕が1人で作ろうとしても絶対にできなかったであろうカメラワークやキャラクターの動かし方をA-1 Picturesさんが提示してくれたりもして、ありがたいなと。
──そもそもA-1 Picturesとの共同制作が決まったのはどんな経緯で？
Waboku 「BATEN KAITOS」の始動にあたり、アニプレックスさんから提案いただいたんです。僕ももちろんA-1 Picturesさんのことは存じ上げていたので、「ぜひやらせていただきたい」とお願いしました。それまでは、僕とアシスタントさん4、5人で制作することが多かったんですが、もう何年も前から、いずれこの規模では仕事を抱えきれなくなると思っていたので、今回お話が来たときに「ついに制作体勢の転換期が来たのかもな」と。だから仕事の仕方が変わることにはあまり抵抗はなかったし、むしろ渡りに船だなという。
──「いずれは手が足りなくなりそう」という意識があったのは、これからやっていきたい仕事の内容が変わってきたということでしょうか？
Waboku そうですね。ご依頼をいただく量も増えてきていますし、そうなると自分に求められるクオリティも上がってくるので、僕1人では対応しきれないことも出てくるかなと。あと、僕自身も仕事の規模をどんどん大きくしていきたいと思っていたので。長編アニメーションや映画を手がけることも昔からの夢なので、いずれはぜひやりたいと思っています。
Myuk わあ、楽しみ……。絶対に観たいです。
出会いを大切にしながら音楽を広く届けたい
──まだ言えない部分も多いかもしれませんが、「BATEN KAITOS」の今後の展開について、どのように構想されていますか？
Waboku 今回のプロジェクトには、僕なりにいろいろと仕掛けを用意していて。MVを1本観ただけではわからないけれど、何本かつなげて、繰り返し観てみると、「この部分は次の作品とこんなふうにつながっている！」とか、「ここで描かれている世界はこんな仕組みだったんだ！」と少しずつわかってくるはず。そんなふうに、観る方にだんだんと気付いてもらえるような要素を作品の中に入れ込んでいます。だから次作では、より物語の世界観や「BATEN KAITOS」の全容を理解してもらえるんじゃないかと思います。
Myuk 私はやっぱり「魔法」を歌えてよかったと思いますし、今こうやってWabokuさんのお話を聞けるのもすごくうれしいです。「BATEN KAITOS」の今後も1ファンとして楽しみで、さっきからずっとニヤニヤしています（笑）。改めてこのMVのことを振り返ると、私は最初に映像を拝見したとき「すごい……！」という言葉しか出なかったくらい感動したので、早くみんなに観てほしいという思いが強いです。
──Myukさんはこれからの活動に対して思い描いていることはありますか？
Myuk そうですね。Myukとして活動を始めてからは、これまで経験したことがない、新しいことにチャレンジできるようになって。「今まで以上に自分の視野を広げて、もっともっとたくさんの方に曲を届けたい」という気持ちが一段と大きくなりました。今回Wabokuさんとお会いできたみたいに、お仕事で私に関わってくださる方も多くなってきているので、今後は出会いを大切にしながら、Myukの音楽作品を広く届けていきたいです。
──すでに「魔法」を通して、アニメ好きな方やEveさんのファンなど新たなリスナーにも出会えたかもしれませんしね。
Myuk そうですね！ 本当にたくさんの方々がこの曲を聴いてくださっていて……この曲をきっかけに私を知ってくれた方も多いと思うので、今後は自分なりにいろいろなものを吸収していって、それらを音楽としてアウトプットしていけたらいいなと思います。
- -Animated Music Video Project-
Waboku×A-1 Pictures「BATEN KAITOS」+ Eve & Myuk
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Waboku、Eve、テレビアニメ「ソードアート・オンライン」シリーズなどを手がけるアニメーション制作会社・A-1Picturesによって始動した新規プロジェクト。Waboku、A-1Pictures、Eve、Myukのコラボレートにより、音楽と短編アニメーションを融合させたストーリー仕立ての映像作品を発表していく。2021年3月にはプロジェクトの第1弾作品としてMyuk「魔法」のミュージックビデオが公開された。
©BATEN KAITOS Project
- Myuk「魔法」
- 2021年2月5日配信開始 / 2021年3月24日発売 / Sony Music Associated Records
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[配信]
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期間生産限定盤 [CD]
税込1320円 / AICL-4000
- 収録曲
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- 魔法
- 魔法（Instrumental）
- 魔法（Anime size）
- Myuk（ミューク）
- 2001年生まれ、熊本県出身のシンガーソングライター・熊川みゆによるソロプロジェクト。中学生のときにアコースティックギターを弾き始め、熊本県で行われたチャリティイベント「もやい音楽祭」でその歌声を見出される。15歳で熊本県の音楽イベント「HAPPY JACK」、18歳で「FUJI ROCK FESTIVAL」に出演。その後Eveとの出会いにより音楽表現の幅を広げ、Myukとしての活動を開始する。2021年2月にEve提供によるテレビアニメ「約束のネバーランド」シーズン2のエンディングテーマ「魔法」のフルサイズ音源を配信。3月に同曲のCDをリリースした。
- Waboku（ワボク）
- アニメーション作家。退廃的な世界観を軸にしたイラストレーションおよびアニメーション分野で制作活動を行う。Eveの「お気に召すまま」「トーキョーゲットー」「バウムクーヘンエンド」、ずっと真夜中でいいのに。の「秒針を噛む」「MILABO」といった楽曲のミュージックビデオを手がけ、いずれの動画も動画サイトで爆発的な人気を獲得した。
