ふさわしい“答え”を持っているのは子供たち
──3曲目の「小さきものたち」はNHK「みんなのうた」の放送曲です。「みんなのうた」の楽曲を手がけるというのは、ドラマ主題歌を担当するのとはまた違う感触があったんじゃないですか?
これも新鮮でしたね。お声がけいただけたのもうれしいですよ。「みんなのうた」って、子供にもちゃんと伝わる内容で、大人も頷けるような哲学を備えた楽曲がそろっていると思うんですけど、こんな僕らでも「歌や作品はそうあるべきだよな」とたまに感じたりするんで。
──そうなんですね。
例えば、THE BLUE HEARTSってすごいじゃないですか! あそこまでわかりやすく聞こえるリリックで、なおかつ思わずうなってしまうような哲学が込められているというか。ロックというジャンルを越えて、“すべての作品の真髄”と言ってもいいくらいの音楽ですよね。「みんなのうた」はそんな憧れだったり、普遍的な魅力を持つ歌だったりにチャレンジできる場所の1つで、非常に貴重な機会を与えてもらいました。
──この朗らかな曲調は、MAN WITH A MISSIONにとってやっぱりチャレンジでした?
そうですね。最初こそかわいさなんかを考えもしたけれど、作っていく中で変に意識する感じはなくなりました。むしろ、普段のバンドでもやりそうなサウンドに近付けて。それでいて、もっとイージーに聴けるようなポップソングにはしたかったです。
──今を生きる人たちへのエールと取れる曲にも思えました。
なんて言えばいいかな……コロナはもちろん大変ですが、この1、2年ってこれまで隠れていた社会の問題がめっちゃ浮き彫りになった感じがするんですよね。で、冷静に状況を見返したとき、残念ながら一番の問題は僕ら自身であることに気付かされたりもしました。我々はそういう問題を解決しようと何度も何度も歴史を繰り返してきてますけど、もっとも純粋な視点のある子供がきっと一番ふさわしい答えを持っているんじゃないかなって。
──なるほど。
世界平和や人種差別ってすごくありきたりで、薄っぺらい感想が出がちなテーマかもしれません。でも、当たり前のように解決しなきゃいけないことで、本当は難しいことじゃない。「難しくしているのは自分たちなんじゃないか?」という問いを投げかけられる楽曲になればいいなと思ったんです。お子さんたちがこの曲を聴いて、「こんなの当たり前じゃん」と言ってくれたら最高にハッピーですね。
もっと攻めてもいいんじゃないかな
──そして、Limp BizkitのDJリーサルが手がけた「Dark Crow」のリミックスも収録されています。
僕らがリミックスを頼みたくてオファーしたところ、快くお返事をいただけました。リンプはバンドとしてだけじゃなく、DJスタイルとしてもカッコよくて、ミクスチャーロックの中でもかなり革新的なことをやってのけた人たちだと思ってます。
──「こんな感じにしてほしい」というような要望は出さず、基本的にはお任せという依頼の仕方だったんですか?
そうです。曲はこちらでいくつかピックアップしたりもしましたけど、リミックスの内容に関して口を出すことはなかったですね。むしろ、MAN WITH A MISSIONをどう料理してくれるのかを楽しみたいので。やっぱり、DJリーサルのリミックスはすごかったですよ。上から下までしっかり音が鳴っていて、きれいに分かれたバランスの中で立体感のある攻めのアプローチをしてきた。僕は海外の音楽にたくさん触れてきたほうですが、それでも彼と自分とでは音楽の聴き方がまったく違うんじゃないかってくらい、音の捉え方や思い切りのよさに衝撃を受けました。
──4曲それぞれについて話していただきましたが、MAN WITH A MISSIONらしいハイブリッドさが光るシングルになりましたね。
非常に充実したシングルができたと思うので、たくさんの方に聴いていただきたいです。
──マンウィズは結成10周年のアニバーサリーを終えても、リリースなどいろんなニュースが続いていて、精力的に活動されているなと感じます。
コロナ禍に思うところもいっぱいありますし、自分らの仲間や同じ業界の人たちが苦労しているのは見てますが、それでも活動を続けていきたい志は変わらないので。例えば配信ライブの素晴らしさだったり、次世代のカルチャーに対する希望も出てきてますし、そういった今できるスタイルだけじゃなく、もっと攻めてもいいんじゃないかなとも最近は感じてきています。まずは、このシングルを携えて新しい形のツアーをやる予定です。有観客でのライブも少しずつ開催してるんですけど、ライブハウスを回るにはまだ困難な現状の中、「ライブハウスを元気付けたい」「支援したい」という意味を含めて、47都道府県でライブハウスビューイングツアーをやりたいなと。我々の初公開となるパフォーマンス映像が全国各地のライブハウスで上映されるというものです。
──すごく面白い試みですよね。ツアーグッズの販売もあったりして(参照:MWAMライブビューイングツアーは3カ月かけ47都道府県で実施、アコースティックライブCDも販売)。
シングル「INTO THE DEEP」のリリースを記念したツアーなので、本当に今回のための撮り下ろしパフォーマンスですね。僕たちにとってもチャレンジになりますけど、感染対策はもちろんきっちり行いますし、ぜひ楽しんでもらえれば! あとは制作も引き続きやっていて、たぶん近々また新たなアイテムを届けられるはずです。
ツアー情報
- MAN WITH A MISSION presents「"INTO THE DEEP" LIVE HOUSE VIEWING TOUR 2021」
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- 2021年6月29日(火)東京都 LIQUIDROOM
- 2021年7月1日(木)神奈川県 横浜BAYSIS
- 2021年7月2日(金)千葉県 KASHIWA PALOOZA
- 2021年7月5日(月)大阪府 BIGCAT
- 2021年7月6日(火)京都府 KYOTO MUSE
- 2021年7月7日(水)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
- 2021年7月8日(木)和歌山県 和歌山CLUB GATE
- 2021年7月9日(金)奈良県 奈良NEVER LAND
- 2021年7月10日(土)滋賀県 滋賀U★STONE
- 2021年7月12日(月)岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
- 2021年7月13日(火)鳥取県 米子 AZTiC laughs
- 2021年7月14日(水)島根県 松江 AZTiC canova
- 2021年7月15日(木)山口県 周南RISING HALL
- 2021年7月16日(金)広島県 広島CLUB QUATTRO
- 2021年7月18日(日)福島県 HIPSHOT JAPAN
- 2021年7月19日(月)宮城県 Rensa
- 2021年7月20日(火)秋田県 Club SWINDLE
- 2021年7月21日(水)青森県 青森Quarter
- 2021年7月22日(木・祝)岩手県 Club Change WAVE
- 2021年7月24日(土)山形県 山形ミュージック昭和Session
- 2021年7月27日(火)鹿児島県 CAPARVO HALL
- 2021年7月28日(水)宮崎県 SR BOX
- 2021年7月29日(木)大分県 DRUM Be-0
- 2021年7月30日(金)福岡県 DRUM LOGOS
- 2021年7月31日(土)長崎県 DRUM Be-7
- 2021年8月1日(日)佐賀県 SAGA GEILS
- 2021年8月2日(月)熊本県 熊本B.9 V1
- 2021年8月4日(水)富山県 MAIRO
- 2021年8月5日(木)石川県 金沢EIGHT HALL
- 2021年8月6日(金)福井県 福井CHOP
- 2021年8月9日(月・振休)静岡県 LIVE ROXY Shizuoka
- 2021年8月10日(火)愛知県 ElectricLadyLand
- 2021年8月11日(水)岐阜県 岐阜club-G
- 2021年8月12日(木)三重県 CLUB ROOTS
- 2021年8月16日(月)茨城県 Parkdiner
- 2021年8月17日(火)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
- 2021年8月18日(水)群馬県 高崎clubFLEEZ
- 2021年8月19日(木)新潟県 ジョイアミーア
- 2021年8月23日(月)徳島県 club GRINDHOUSE
- 2021年8月24日(火)高知県 CARAVAN SARY
- 2021年8月25日(水)香川県 高松festhalle
- 2021年8月26日(木)愛媛県 WStudioRED
- 2021年8月30日(月)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
- 2021年8月31日(火)山梨県 KAZOO HALL
- 2021年9月1日(水)長野県 ALECX
- 2021年9月3日(金)北海道 cube garden
- 2021年9月7日(火)沖縄県 桜坂セントラル