むすびズムが6月27日にリリースした3枚目のシングル「キミに夢CHU♡XX」は、ロックテイストだった過去2作のシングルとは雰囲気を変えた、1980年代テイストのポップチューン。これまでとは違った彼女たちの魅力をアピールする1曲に仕上がった。
「日本のカワイイと世界のみんなを結ぶ」という目標を掲げて2014年に活動を始め、「マエヲムケ!」でCDデビューしてからほぼ1年。ここに至るまで彼女たちはどのような思いを抱いて活動を続けてきたのか、メンバー5人に話を聞いた。
取材・文 / 宮内健 撮影 / 寺沢美遊
部活っぽい感覚で苦難を乗り越えてます
──むすびズムが2014年に結成されて、2年半の月日が流れました。最初にこのメンバーがそろったときは、皆さんどんな印象を持ってましたか?
椎名エル 私は誰とでも仲良くなれるほうだと思うんですけど、みんなキャラクターが違いすぎるし、歳下の子たちばっかりだったので、どういうスタンスでいこうかなって。そのときの私、今よりも髪の毛が明るかったりして、あまり周りにいい印象を与えてはいないだろうなと思ったから、意識的に笑顔を作って過ごしてました。
山田なみ えー、それは知らなかった!(笑)
──実際、椎名さんの第一印象はどうでしたか?
今井マイ 怖くなかったけど、ヤンキーがいるなって(笑)。私はこのメンバーに絶対なじめないなあって思ってました。心配なままスタートしたのを覚えてる。
木村ミサ 私はこのグループに入ることが最後に決まったんですけど、「ほかのメンバーがほぼ決まってる状態だったので大丈夫かな?」っていうのと、「そもそも私自身がアイドルをやって大丈夫かな?」っていうのと……いろんな葛藤がありました。
──もともと木村さんはモデルとして活動をする一方で、ガチのアイドル好きとしてアイドルファンの間でも知られる存在でしたからね。
木村 初めはそんな感じでそれぞれの印象があったけど、わりとすぐ溶け込んだよね?
全員 うん。
──グループとしての結束が固まってきたきっかけは?
今井 そもそも、デビューまでも時間がかかったっていうのもあるし、苦難を乗り越える機会が多くて。それで仲良くなっていった感じはありますよね。
木村 私たち結成1年半でCDデビューして、2周年でやっと初ワンマンライブだったんです。なかなかデビューが決まらなかったり、ワンマンもできなかったり、みんなの中に共通の悔しい気持ちみたいなのがあったから、「やってやるぞ!」って自分たちで言い聞かせる機会をたくさん持ったのかも。
椎名 部活みたいなチームっぽい感覚に近いものはあるよね。
今井 とりあえず何かあったら、メンバーみんなでごはんを食べに行って話し合ったりしてたんで。そのたびにめっちゃ絆が深まったかも。
木村 デビューする前からメンバー全員でごはんを食べに行く機会が異常に多かったよね。それってけっこう珍しいって言われるんですけど。レッスンが終わったら「何食べ行く?」みたいな感じでね。
宮島るりか それが当たり前な感じだったよね。
木村 今でも「ちょっと集まろう」ってLINEしたら、30分後には全員集まる!みたいな(笑)。
悩んだ末に始まった「この子はこういう子」という話し合い
──なかなかデビューが決まらなかった時期は、焦りみたいなものは感じました?
宮島 どうすればいいんだろうって気持ちが強かったですね。
椎名 後から結成されたアイドルの子たちとか、例えば原宿系のグループもいろいろいるので、そういう子たちが人気が出てくると「ヤバい、どうしよう」みたいな。
木村 めっちゃ悩みすぎて、一時期「この子はこういう子」みたいなのを話し合っていこうって。
──どういうことですか?
木村 例えばなみちゃんだったら「なみってどういう子で、どういう個性を生かしていけばいいんだろうね」ってお題を出して、そこで1人ずつ「なみちゃんは明るい」とか「めっちゃしゃべる」とかみんなで言い合って、全部書き出して……そうすることで、自己プロデュースじゃないですけど、メンバーそれぞれが自分の立ち位置がわかったり、「こういうことが自分は得意なんだ」って理解するというか。
今井 自分がグループの一員だっていうことがちゃんとわかったし、「この5人の中に私もいなきゃいけない」って思いも強くなった。あの頃は、本当にやることがなくて(笑)、CDも出してないからリリイベもないし、ライブの数も少ないので。とりあえず集まったもののやることがないから、そういう話し合いをして。でも、今となってはすごく意味があったことだと思います。
──そうやって、メンバーみんなで1人ひとりの個性や魅力を引き出していこうっていう……なんだかすごくいいグループですね。
山田 ありがとうございます!
──実際に今から、隣に座っているメンバーがどんなキャラクターか分析していってもらえますか? 最初は木村さんから宮島さん。
木村 宮島さんは最年少ってことで妹キャラって感じなんですけど、たまに本当に何を言ってるのかわからないと言うか。
宮島 そんなことないよ?
木村 (優しく諭すように)あるんだよ。
今井 自覚がないんだ、やっぱり(笑)。
木村 なんだけど、いきなりスイッチが入るときはしっかりやるから、びっくりしますね。ダンスが得意って部分もあるので、パフォーマンスで魅せる感じの曲なんかは、けっこうシリアスな表情をして。「やるじゃん!」って思います。まあ、とにかくかわいいですね。
──では、宮島さんから椎名さん。
宮島 えったんは面白いし、意外とみんなを見て気を遣ってる部分もあって。ずっと一緒にはしゃいでたりするんですけど、たまに「あ、大人だ」って思うときがある。
今井 本当に? 今日だってえったんが「ねえ、るりちゃーん、るりちゃーん」って寄ってきて、「えったん、もう本当ヤダ!」って怒ってたじゃん(笑)。
木村 この2人は年齢が離れてるんですけど、一緒にいるといつもワチャワチャしてて話が噛み合わなすぎる。
宮島 でもね、上京してきたときに、まだ今ほど仲良くなかったんだけど「転校するから不安なんだよね」って言ったら、えったんが(拳を作りながら)「るりちゃんがいじめられたら私が……」って。
全員 (爆笑)
木村 その話、大丈夫?
今井 やっぱヤンキーなんだ?(笑)
宮島 違う違う! でも、面白く言ってくれたから元気になりました(笑)。えったんは人を喜ばせる素質があるなって思います。
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なみちゃんはむすびズムの最後の砦です
- むすびズム「キミに夢CHU♡XX」
- 2017年6月27日発売 / フジヤマプロジェクトジャパン
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A盤 [CD]
1080円 / FPJ-60006 -
B盤 [CD]
1080円 / FPJ-60007
- A盤収録曲
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- キミに夢CHU♡XX
- キミへ100%
- キミに夢CHU♡XX -Instrumental-
- キミへ100% -Instrumental-
- B盤収録曲
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- キミに夢CHU♡XX
- 小悪魔なLOOK
- キミに夢CHU♡XX -Instrumental-
- 小悪魔なLOOK -Instrumental-
公演情報
- むすびズムワンマンライブ「むすぶぞワンマン! ~原宿攻略せよ!~」
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2017年7月31日(月)
東京都 原宿アストロホール
- むすびズム
- ASOBISYSTEMによる「ASOBISYSTEM IDOL PROJECT」で選ばれたメンバーを集め、2014年12月19日に結成された女性アイドルグループ。現在のメンバーは木村ミサ、椎名エル、山田なみ、今井マイ、宮島るりか。「日本のカワイイと世界のみんなをむすぶ」をコンセプトに、ライブを中心とした活動を続ける。2016年7月に沢田チャレンジ(ザ・チャレンジ)作詞のシングル「マエヲムケ!」でCDデビュー。同年11月に畠山承平(The Mirraz)作詞・作曲の2ndシングル「まほうのカギを手に入れたら」、2017年6月にSEIJ 作詞・作曲の3rdシングル「キミに夢CHU♡XX」を発表した。