毎回アルバムが完成した後はもう次のアルバムは作れないなって思う

──「球体」というアルバムはムックにとって、ひとつの集大成的作品だと思うんです。ムックらしさはそのままに、海外での活動もうまく反映されていて、新しい要素もたくさん入っている、「これまで」と「これから」を強く感じさせるアルバムだなと。そして今回、「球体」とはベクトルが異なるシングル「フリージア」が発売されます。この2作品を聴いて、ムックはこれから、2010年以降どういう方向に進んでいくのかとても気になりました。

ミヤ　実はまだビジョンがないんですよ。いつもなんとなく曲作りを始めて、何曲かできあがってから見えてくるんです。だから「球体」のときも気が付いたら曲が揃っていて、勝手にひとり歩きを始めたというか。「球体」ってすごくわかりやすいアルバムだったと思うんです。だから、次のアルバムはもうちょっと深いところにいきたいというイメージはあるんですけど、まだ何も生まれてないですね。

逹瑯　俺もあんまりないんですけど、アルバムとして考えると毎回何枚かシングルを出して、アルバムを出して一区切りみたいなところがあるから、毎回毎回がそのときの集大成なんですよね。だから、毎回出し切ってもう次がない感じの繰り返し。それが自然になってるから、次も自然の流れでできていくだろうなって気がしてます。だいたい、毎回制作しているうちに見つかるものなので。

ミヤ　毎回アルバムが完成した後は、もう次のアルバムは作れないなって思うんですよ。

──それは、その時点ですべてを出しきっちゃうからですか？

ミヤ　今はもうこれ以上、曲を書きたくないってくらいになって。それが10年くらいずっと続いてるんだけど、きっと何かが出てくるんでしょうね。

──この「フリージア」から次のステップが見えたりはしませんか？

ミヤ　「フリージア」は1年以上前の曲なんで。この曲を作っていた頃にやりたいと思っていたことと今やりたいことは変わってるんで。「フリージア」でやったようなことは、このシングルだけかな。

──じゃあ2010年は神のみぞ知る、ってところでしょうか。

ミヤ　現時点では、俺らにもわからないっすね。

海外の活動はコンスタントにやっていかなきゃダメだと痛感した

──来年以降も海外での活動は定期的にやっていくんですよね？

逹瑯　海外の活動は、やっぱりコンスタントにやっていかなきゃダメなんだというのを今回痛感しました。向こうが呼んでくれないと、こっちから勝手に行けるものではないし。その中で、1年以上間が空いたらなかなか行きにくいなと思いましたね。

──国内ツアーがあったら、その流れで海外にも行くみたいな感じがいいんでしょうね。

逹瑯　今回も日本のツアーが5月にあったのに、海外ツアーは10月からだったので、例えば8月に日本でやったら9月には海外に行きたい。来年はそういう流れになるといいなと思ってます。

──まだライヴをやってない国はたくさんありますが、今後ここでライヴをやりたいという国はありますか？

ミヤ　韓国、香港、シンガポールとか。

逹瑯　実はアジアって上海以外はほとんど行ってないんですよ。日本からも近いし、もっといろいろ行ってみたいですね。