音楽には生き様が出てるほうがいい

──この機会にお互いに聞いてみたいことはありますか？

Ms.OOJA　お休みの日は何をやってるんですか？

武部　いい質問ですね（笑）。僕はオンとオフの切り替えをしっかり付けたいタイプなんです。だから家ではまったく仕事をしないし、車の中では音楽を一切聴かない。そもそも家にピアノがないから。

Ms.OOJA　そうだったんですね。私は「水曜歌謡祭」の現場を見ていただけですけど、武部さんは水曜日の生放送が終わったら、木曜日には翌週のリハーサルをやって、しかもそれを全部仕切っていらっしゃったじゃないですか。だからどういうふうに頭を切り替えてるんだろうと思っていたんです。

武部　家に仕事を持ち込んでやる人もいるじゃないですか。家にスタジオがあって、とか。僕はそういうのは全然ダメなんですよ。その代わりスタジオに入ったら集中、ピアノの前に座ったら集中するっていう。あと、あまりテイクを重ねるのも好きじゃないんです。すごく細かいところを気にして、何度もやり直すプロデューサーがいるけど、僕は音楽ってフレッシュでキラキラしてるところを切り取って届けないと聴いてる人がつまらないと思っていて。

Ms.OOJA　それはわかります。

武部　すごく精巧にできた額縁にきれいに納まった絵みたいなものを見せるより、そこからちょっとはみ出していてもいいから、勢いとかキラキラ感があったほうがいい。今日もそう思ってレコーディングしていたんです。

──その志向はテレビでの編曲仕事にも共通しますか？

武部　しますね。瞬発力みたいなものとか輝いてる感じを何よりも大事にしてます。僕らの仕事は歌う人がいかに実力以上のものを発揮できるか、フロントで輝くかっていうのを支えてる立場だから、いつもそういう気持ちでやってますね。

──「水曜歌謡祭」もそうでしたが、テレビ番組だと歌手同士のコラボレーションも多いし、そこでどんな化学反応が起きるかわからないから、余計に瞬発力を大事にされるんでしょうね。

武部　そう。そのスリルも音楽の魅力の1つだし、観る人もそういうところが楽しかったりするわけだから。予定調和っていうのが嫌なんですよ。

Ms.OOJA　最近、そういうのを私は「生き様」って呼んでます。生き様が出てるほうがいいって。私もちょっと前までは細かいところをすごく気にしてたんですよ。自分のライブ音源とかレコーディング音源を聴き直して、ピッチとかリズムとか、「ここはこうだった、ああだった」ってやってたんです。でも、そこも含めて今なんだ、生き様なんだと思って。あまり細かいことを気にしないようにし始めたんです。

“アクティブOOJA”に生まれ変わる

武部　さっきは僕の話をしたけど、反対にOOJAは休みの日は何をしているの？

Ms.OOJA　私、本当にインドアで、猫とゴロゴロしてる時間が一番幸せだったんですけど……2016年から“アクティブOOJA”に生まれ変わろうと思って、ちょっと1月から飛ばしてるんです（笑）。富士急ハイランドに突然行ってみたり、レンタカー借りて江ノ島に行ってみたり。これまではそういうことを一切してなかったんですけど、今年は生まれ変わって趣味をいろいろ見つけようと。

武部　真面目な話になっちゃうけど、音楽をやってることって自分を探す旅みたいなものだと思うんです。自分は何が好きかとか、何に夢中になれるかとか、そういうことを知ることってすごく大事だと思うんだ。

Ms.OOJA　そうなんですよ。やっとそう思えるようになったんです（笑）。

武部　そうすると、またひとつ違う歌が表現できたり、音楽を作れるようになると思うから。だから6年目からのMs.OOJAが楽しみですね。

Ms.OOJA　めちゃめちゃ変わると思いますよ。今回のベストが出るタイミングで再デビューっていうくらいの気持ちですから。それくらい生まれ変わった私を見せていきたいと思っているので、楽しみにしていください。