ナタリー PowerPush - Ms.OOJA×PUSHIM
30代シンガーのリアル女子会
ダンスチューンをやれば、私が参加した意味があると思って
──本作では2人がコラボレーションをしている「JUS'TONIGHT」が収録されています。そもそも2人が知り合ったきっかけは?
PUSHIM もともとOOJAの「Cry day...」という曲が大好きで、この曲を聴いて“いい声してるな”と思っていたんです。その後去年の夏に神奈川・逗子で行われた「音霊 OTODAMA SEA STUDIO 2012」のとき初めてお会いして。それで話しているうちに、出身地が私と同じ関西ということもわかってシンパシーを感じたりして。それからごはんを食べたりしながらいろんな話をして、“曲を一緒に”ということになって。
Ms.OOJA PUSHIMさんのお家に遊びに行かせていただいたりして、恋バナから仕事の話までいろいろな話をしましたね。曲に関しては、普段の私では出し切れないものをPUSHIMさんに出していただけるという期待感がありました。
──「JUS'TONIGHT」はトラックの音数が少なくて、すごくカッコいい曲でした。
PUSHIM OOJAはバラードを巧みに作るじゃないですか? だから曲を作るにあたって、“ラブソングではないダンスチューンをやれば私が参加した意味があるかな”と思ったんです。それもレゲエで、トラックはミニマルテクノのように音数を少なくしてみました。
Ms.OOJA 最初に「JUS'TONIGHT」のラフをいただいたときには鳥肌が立つほど感動しましたよ。ライブでもぜひ一緒にやりたいですね。
PUSHIMさん、恋はしてますか?
──先ほど恋バナをしたとおっしゃってましたが、OOJAさんはラブソングを数多く手がけていますよね。
Ms.OOJA そうなんですけど、30代になって、恋愛に対する感覚が変わってる気がする……そのときどきに切り取る言葉や気持ちが変わっていて。例えば一昨年に作った曲を聴くと、“私こういうこと考えてたんだ。若いな”って思います。
──とはいえ、恋愛は曲を作る原動力になりますか?
PUSHIM それはやっぱりあるんじゃないかな。恋愛して楽しいときは気分的にもウキウキしてるだろうし。あと私の場合は、恋が終わったときに「これを書かないともったいない」と思ってしまう。
Ms.OOJA PUSHIMさんのお家でその話もしましたよね(笑)。私はハッピーなときはハッピーな歌詞しか書けない。リアルな心情が歌詞になってるんですね。そして恋するとメッチャ悲しいけど、「これを書かないと」って思います。それによって気持ちを整理しようという思いがあるんですかね。
PUSHIM 思いを吐き出す感じだよね。私は曲名は言えないけど、「この恋愛を整理しよう」と思っているような悲しい気持ちのときに書いたすごいハッピーソングがある。
Ms.OOJA 確かに歌詞が“こうありたい”という願望になっているときもありますよね。結局自分の中から出てきている言葉なので、自分の気持ちということでは変わりないですけど。まあ、シンガーソングライターとして、自分の心の描写は常にしておきたいという気持ちはあります。悲しい、怒っている……そういう言葉にならない気持ちを言葉にするのは自分の中でセラピーみたいなものなんです。心の整理ができる。それを聴いてくれた人たちが、“私もこういう気持ちになったときがある”って思ってくれて、さらに安心できる効果があるのかなと私は思ってるんです。気持ちが動いたときほどチャンス。常に動いていないと!……PUSHIMさん、恋してますか?
PUSHIM !?(笑)
──すごいフリですね(笑)。
PUSHIM 恋……したいねえ(笑)。
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収録曲
- Intro
- Where is my place
- 30
- ANSWER
- Shiny Sky
- JUS'TONIGHT feat. PUSHIM
- 優しい雨
- Goodbye
- Love's here
- Movin'
- YOU & I
- JULY
- I WILL
Ms.OOJA(みすおおじゃ)
1982年10月28日生まれ、三重県四日市市出身の女性シンガーソングライター。17歳の頃より地元の三重県を中心に音楽活動を行い、卓越した歌唱力とパワフルなライブパフォーマンスで注目を集める。2011年2月にシングル「It's OK」でメジャーデビュー。この曲はさまざまな着うたチャートで上位を席巻し、彼女の名前を全国に知らしめた。同年6月には1stアルバム「VOICE」をリリースすると、その後も2012年には2ndアルバム「HEART」、2013年には、30代を迎えた等身大の女性像を描いた歌詞が印象深い「30」「ANSEWER」といったシングルを発売し共感を呼んだ。2013年6月に発売した3rdアルバム「FAITH」は、シングル曲やタイアップ曲に加えPUSHIMをフィーチャリングゲストに迎えた「JUS'TONIGHT」を収録し話題を集めている。
PUSHIM(ぷしん)
ダンスホール/レゲエシーンで不動の地位を誇るシンガー。そのソウルフルで表現力豊かな歌声は、レゲエのみならずソウル、ジャズ、ゴスペルまで歌いこなし、他アーティストの作品へもたびたび参加している。1995年から大阪を拠点に活動を始め、1999年6月にシングル「BRAND NEW DAY」でメジャーデビュー。当初は時代背景故、R&B主体の作風だったが2001年7月にリリースした2ndフルアルバム「COLORS」でレゲエの資質を全面的にアピール。その後は2004年に「QUEENDOM」、2006年に「Sing A Song... Lighter!」、2008年に「RENAISSANCE」とアルバムのリリースを重ねるほか、フェスやイベントへの出演、コンセプトアルバムの制作など幅広い活動を見せている。2013年3月には、出産後初となるアルバム「It's A DRAMA」を発表した。