ナタリー PowerPush - ハナレグミ
「TOUR オアシス」オンエア記念 WOWOW連動インタビュー
自分のギターの役割
──今回のツアーでは、永積さんはギタリストとしても素晴らしいプレイを披露していて。
それはうれしいですね。
──ギター弾きまくってますもんね。
大爆発してました(笑)。
──ギタリストとしての自分については、ご自身ではどう評価していますか?
全然まだまだアレですけど。でも楽曲の中で自分のギターの役割は実は大きくて。今回はギターと歌の関係がより強く出てると思います。ファンキーな曲とか、歌だけじゃアゲきれないところをギターでプッシュアップしていくっていう。そういうのはやってて気持ちいいです。ギター弾いてるの大好きなんで(笑)。
──ボーカリストが弾くギターの良さがすごく出ていると思います。
自分もボーカルの人が弾いてるギターが好きで。ブルースの人が、歌とギターで一体になってる感じとか。その関係性はほかの人の楽曲を聴いててもすごく気になるところですね。
その一瞬に全部を賭けたい
──先程も話に出ましたが、今回のツアーは静と動の振れ幅が非常に大きいですよね。すごく静かなシーンもあれば、わけもわからず盛り上がっていく場面もある。そのあたりはセットリストを組み立てるときに意識しましたか?
やっぱりその、曲順はすごく考えますよね。アガってから弾き語りへの波をどういうふうに作るかとか、どういうストーリーがいいかっていうのは事前に考えます。その分、ステージ上ではとにかく思いっきりやって細かいことは考えないようにって、そう思ってますね。
──WOWOWではNHKホール公演の模様が3月18日にオンエアされます。「ここを観てほしい」というような思いはありますか?
いや、どこが見どころっていうのは難しいですね。僕はライブっていうものは、鳴った瞬間に消えるところがいいなって思ってるんです。なんかこう、いい意味で振り返れないっていうか。二度と立ち戻れない時間の素晴らしさっていうものがある気がしてて。多分今回の放送も、パッとテレビをつけて何かしながら観るっていう人もいると思うんですけど、そんなときにワンフレーズでも、ワンノートでも、ちょっとした表情でもいい。なんか印象に残ったらいいなって思うんですよね。パッと出会ってその瞬間で終わってしまうっていうのが、僕は一番いいと思うんです。だからその一瞬にとにかく全部賭けたい。音楽の良さっていうか、自分が音楽やってて楽しいのはやっぱりそこなんですよね。
ハナレグミ
1974年東京生まれの永積崇(ex. SUPER BUTTER DOG)によるソロユニット。2002年10月に1stシングル「家族の風景」、11月に1stアルバム「音タイム」をリリースし、その穏やかな歌声が好評を得る。2005年9月には東京・小金井公園でフリーライブ「hana-uta fes.」を開催。台風に伴う大雨にもかかわらず約2万人の観客を集めた。2009年6月に4年半ぶりとなるニューアルバム「あいのわ」をリリースし、ツアーファイナルの日本武道館公演では約1万人の観客を圧倒するステージを披露。2011年9月には5thアルバム「オアシス」を発表している。